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1994年7月記
ヨーロッパでは九月の終りまで夏と言うそうです、いいですね。さて、海は一年を通じて素敵だが、泳ぐことができる夏が最高。でもあちこちの海で美しさのかげりを聞いたり見たりするにつけ、小さな胸を密かに痛めるのは小生ばかりではないでしょう。紺碧の海よ、永遠なれ! そしてオゾンを守りましょう。
さて、ドビュッシー(1862-1918)はフランス印象派の作曲家といわれる。20世紀初期の音楽史に偉大な足跡を残した。世紀末から生じた新しい動きに影響を受け、それを越える波を創り出した。特に1886年と1901年にパリで開催された万博は彼に東洋と接点を作った。美術の印象派も日本の浮世絵から影響を受けたが、おそらくドビュッシーの目にも触れていたであろう。万博ではジャワの音楽や日本舞踊と音楽に触れ、たいへんな衝撃を与えた。彼の音楽にみられる五音階や旋法的な音の動きはこのことを如実に示すものであろう。
交響的エスキス(=スケッチ)「海」は、北斎の富獄三十六景 “神奈川沖浪裏”の版画からインスピレーションを得たとか。大きな波と釣り舟の遠景に小さく富士が見えるという大胆な構図は知らぬ人はいないであろう。「夜想曲」の第三曲“シレーヌ(海の精)”は月明りの海の情景だろうか。女声合唱が海の精の声を表現。「牧神の午後への前奏曲」は象徴派詩人マラルメの詩“牧神の午後”から啓発されて作曲し、ギリシャ神話の題材をもつこの詩の“前奏曲”を意図した。
参考:20世紀音楽の様相

北斎 富獄三十六景 “神奈川沖浪裏”
参考:★
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