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モーツァルトの完成作17のオペラ表
| 作品名 | 言語 | 作曲年 | 初演年月日 | 初演場所 |
| アポロとヒアチントゥス K.38 | ラテン語 | 1767年春 | 1767/5/13 | ザルツブルク、ザルツブルク大学講堂 |
| 馬鹿のふりする娘ラ・フィンタ・センプリーチェ K.46a | イタリア語 | 1768年4-6月 | 1769年 | ザルツブルク |
| バスティアンとバスティエンヌ K.46b | ドイツ語 | 1767-68年 | 1767年? | ヴィーン? |
| ポントの王ミトリダーテ K.87 | イタリア語 | 1770/9/29-12末 | 1770/12/26 | ミラノ、宮廷劇場 |
| シピオーネの夢 K.126 | イタリア語 | 1771/3-8 | 1772/1/10? | ザルツブルク? |
| アルバのアスカーニオ K.111 | イタリア語 | 1771/8末-9/23 | 1771/10/17 | ミラノ、宮廷劇場 |
| ルチオ・シッラ K.135 | イタリア語 | 1772/10-12 | 1772/12/26 | ミラノ、宮廷劇場 |
| 庭師に扮した令嬢ラ・フィンタ・ジャルディネーラ K.196 | イタリア語 | 1774/9-75/1 | 1775/1/13 | ミュンヘン、宮廷大広間 |
| 羊飼いの王 K.208 | イタリア語 | 1775年春 | 1775/4/23 | ザルツブルク |
| クレタの王イドメネオ K.366 | イタリア語 | 1780/10-81/1 | 1775/1/29 | ミュンヘン、宮廷劇場 |
| 後宮からの誘拐 K.416a | ドイツ語 | 17817/30-82/5/19 | 1782/7/16 | ヴィーン、ブルク劇場 |
| 劇場支配人 K.486 | ドイツ語 | 1786/1-2初め | 1786/2/7 | ヴィーン、シェーンブルン宮殿植物園 |
| フィガロの結婚 K.492 | イタリア語 | 1785/10末-86/4/29 | 1786/5/1 | ヴィーン、ブルク劇場 |
| ドン・ジョヴァンニ K.527 | イタリア語 | 1787年夏-秋 | 1787/10/29 | プラハ、帝国劇場 |
| コジ・ファン・トゥッテ K.588 | イタリア語 | 1789年秋-90/1 | 1790/1/26 | ヴィーン、ブルク劇場 |
| 魔笛 K.620 | ドイツ語 | 1791/3-9 | 1791/9/30 | ヴィーン、アウフ・デア・ヴィーデン劇場 |
| 皇帝ティトの慈悲 K.621 | イタリア語 | 1791年夏-秋 | 1791/9/6 | プラハ、帝国劇場 |
モーツァルトの完成したオペラは上記のように17数えられる。しかし、モーツァルトにはこれら以外にも未完成のオペラもあり、またオペラの範疇に入らない劇音楽も存在する。ここでひとまず完成されたオペラは17作とさせていただく。これは筆者の見解によることで異論もあることをお断りしておく。使われた言語によるモーツァルト・オペラの内訳はラテン語1作、イタリア語12作、ドイツ語4作である。これによってイタリア・オペラ、ドイツ・オペラなどという風に分類されることもある。
またこれらの17作をオペラ・セーリア、オペラ・ブッファ、ジングシュピールの3つに分けることができる。またこの3つのオペラの概念は、厳密には古典派(1750-1820)時代おけるオペラを捉える時に有効なものであろう。しかし、次の時代、ロマン派のイタリア・オペラでさえ、オペラ・セーリアとオペラ・ブッファによって捉え、類別することもできる。またこのオペラ・セーリアとオペラ・ブッファという類別は、イタリア・オペラのみに該当することはいうまでもない。そしてバロックや古典派、またロマン派の時代でさえイタリア語はオペラにおいて特別の存在で、イタリア語がオペラにとってすぐれた言語であるという一般的評価があった。それに加えて当時はイタリア音楽が力を持ち、優勢であったからである。これがモーツァルトのオペラの約3分の2以上がイタリア・オペラである理由である。また彼が生涯、彼の前に立ちはだかった壁、つまりイタリア音楽家を社会的には越えることが出来なかった理由でもであった。
| オペラ・セーリアopera seria:イタリア・オペラ←伊語 |
| オペラが誕生したバロック時代には主に古代ギリシア・ローマ神話、歴史物語などの題材を内容とした。以後それらを含めて文学的な題材(戯曲・小説etc.)も扱われ、内容は悲劇やシリアスなものである。時代と共に管弦楽や声楽も工夫が凝らされるようになる。名人芸的なアリアariaが重視されるようになり、歌手の技量が発揮されるものとなっていく。またアリアariaはオペラだけでなくオラトリオやカンタータにおいても重要で旋律的な独唱曲である。アリアの前に置かれるレチタティーヴォrecitativoは叙述的で朗唱的な部分で、この<レチタティーヴォとアリア>の組み合わせが一つの特徴となる。バロック中期頃からレチタティーヴォ・セッコrecitativo secco(伴奏が通奏低音のみで行われるレチタティーヴォ)からレチタティーヴォ・アッコンパニャートrecitativo accompagnato(合奏や管弦楽伴奏付きのレティタティーヴォ)が現れ、より表現が豊かなものになって行く。 18世紀のナポリ派オペラがオペラ・セーリアの概念を成立させたと考えられている。 |
モーツァルトのオペラ第1号ともいうべき「アポロとヒアチントゥス K.38」は、用いている言語がラテン語である。この点からオペラ・セーリアに入れるのに戸惑いはあるが、題材や内容の点やレチタティーヴォとアリアという構成からここに入れた。
| オペラ・セーリア:8作 |
| アポロとヒアチントゥス K.38(ラテン語) ポントの王ミトリダーテ K.87 シピオーネの夢 K.126 アルバのアスカーニオ K.111 ルチオ・シッラ K.135 羊飼いの王 K.208 クレタの王イドメネオ K.366 皇帝ティトの慈悲 K.621 |
| オペラ・ブッファopera buffa:イタリア・オペラ←伊語 |
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オペラ・セーリアに対する語で、扱われる題材が喜劇や軽妙な内容のオペラである。喜劇的な幕間劇が18世紀前半に独立したものと考えられる(ex.ペルゴレージ インテルメッツォ「女中奥様」はオペラ・ブッファのルーツ的存在か。)。敢えていえばオペラ・セーリアの方が歴史的には古いということになる。音楽的には単純で叙述的なレチタティーヴォ・セッコretitativo secco(伴奏が通奏低音のみで行われる)と魅力あふれる旋律をもつアリアariaが対比され、各幕の終わりに現れる重唱フィナーレ・アンサンブルが特徴である。古典派の終わり頃から現れるオペラ・コミックやロマン派のオペレッタとは異なる。 |
オペラ・ブッファはモーツァルト・オペラの中心的分野であるとされている。それはヴィーン時代に作曲したダ・ポンテ台本による「フィガロの結婚 K.492」、「ドン・ジョヴァンニ K.527」、「コジ・ファン・トゥッテ K.588」があまりに有名で、評価が高いためである。たしかにこの3作はオペラ史上に燦然と輝く一つの頂点を示すものである。そしてオペラ・ブッファという枠を越えた存在であることも事実である。
| オペラ・ブッファ:5作 |
| 馬鹿のふりする娘ラ・フィンタ・センプリーチェ K.46a 庭師に扮した令嬢ラ・フィンタ・ジャルディネーラ K.196 フィガロの結婚 K.492 ドン・ジョヴァンニ K.527 コジ・ファン・トゥッテ K.588 |
| ジング・シュピールSingspiel:ドイツ・オペラ←独語 |
| ジングシュピールで扱われる題材や内容は多様である。この名前が示すようにドイツ語圏で成立した一種のドイツ語によるオペラである。モーツァルト時代=18世紀の歌芝居を基に形成されたといえる。音楽的にはレチタティーヴォがなく、台詞が入る。あとアリアのような歌と音楽によってドラマは展開する。内容的にはシリアス、コミカルなものも含まれる。モーツァルトの「後宮からの誘拐 K.416a」や「魔笛 K.620」はジングシュピールであるが、この同じ分類に入るのがベートーヴェン「フィデリオ」やヴェーバー「魔弾の射手」などである。また18世紀後期に現れたオペラ・コミックとよく似ているが、オペラ・コミックはフランス語によるオペラである。オペラ・コミックは19世紀初めから出現したオペレッタと形としては同じである。ただし、オペレッタは内容が喜劇的なものが多い。また分野は異なるが20世紀のミュージカルは、オペラ・コミックやオペレッタとその作りは同じといえるだろう。 |
| ジングシュピール:4作 |
| バスティアンとバスティエンヌ K.46b 後宮からの誘拐 K.416a 劇場支配人 K.486 魔笛 K.620 |
2006
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