四国巡礼 by pipopa (m.takahashi)

お遍路さん

 毎年3月ともなれば、四国のあちこちにチリンチリンと澄んだ鈴の音が響きわたり、白装束に身を包んだお遍路さんの姿が見られるようになります。 四国の人々は、お遍路さんの鈴の音とともに、春の訪れを感じるそうです。
 日本各地に霊場巡りとか札所巡りが多々ありますが、その最たるものが四国八十八ヵ所霊場巡りではないでしょうか。
 四国八十八ヵ所霊場とは、弘法大師が四国行脚で回った寺と、その途中で新しく開山したといわれる寺を合せたものです。
 四国八十八ヵ所は、阿波の国(徳島県)23ヵ所を「発心の道場」、土佐の国(高知県)16ヵ所を「修行の道場」、伊予の国(愛媛県)26ヵ所を「菩提の道場」、讃岐の国(香川県)23ヵ所を「涅槃の道場」と、札所巡りの段階を4つのブロックに分けています。
 その距離数は延べ約1360qにもおよび、かつては種々の煩悩を振り捨てながら歩き続ける約2ヵ月の旅だったようです。交通の発達した現在でも、電車やバスを乗り継いで1カ月余、巡礼バスで巡って約2週間、タクシーを貸し切っても10日近くかかる大行程であります。

 ところで、お遍路さんの白装束ですが、「来世はせめて天国へ・・・・」という切ない願いを込めた、あの世への旅姿ともいわれています。その白帷子(笈摺)の胸元には「同行二人」、背中に「南無大師金剛遍照」の文字が入っています。 同行二人とは、弘法大師と自分の二人ということを意味しています。
 また、道に迷ったりした人がいても、「直ぐにお遍路さんと分かり手助けができる」という土地の人の話にもあるようで、白装束は、いわばお遍路さんの証でもあります。
 そういう気持ちの優しい土地柄もあってか、遍路道には「お接待」という風習が今でも残っていて、お遍路さんへお茶等を振る舞ってくれます。 私たちは車で回っていたとはいえ、かなりの強行軍でもあり、また国道とは名ばかりの山道を走ったり人家も疎らな遍路道を歩くこともしばしばあり、そういうときに受ける「お接待」は本当に有り難く嬉しいものです。

 さて、霊場巡りの作法ですが、本堂・太子堂の順に次のことを行います。
 (1) 収め札を納める。
 (2) 灯明(蝋燭)、線香、お賽銭(お供物の代わり)を供える。
 (3) 念珠は左手の人指し指、右手は中指にかけて4・5回すり、左手に一重に掛ける。
 (4) お経を読み上げる。
 (5) 念珠を指にかけてすりながら祈願する。
 その後、ほかのお堂にもお参りし、
 (6) 納経所で掛け軸、納経帳、白衣にお経を納めた受領印をもらう。
 (7) 門前で一礼する。
 (1番札所の霊山寺(徳島県鳴門市)の謹書にはこう書いてあります。)
 また、鐘撞堂の鐘はお参りの前に突き、帰りに突くのは「戻り鐘」として忌み嫌われています。
 とはいうものの、そこは四国周遊を兼ねてのにわか遍路の二人、(3)を省略し、(4)をはしょっての遍路旅とあいなりました。それでも、本堂や太子堂の前で祈願するときは無心になれた・・かな。

 <遍路の心得
 本来は、大師堂で受戒を受け、
 (1) 生き物を殺さない。
 (2) 盗まない。
 (3) 邪淫しない。
 (4) 偽りは言わない。
 (5) 虚飾の言葉は言わない。
 (6) 悪口は言わない。
 (7) 二枚舌は使わない。
 (8) 貪らない。
 (9) 怒らない。
 (10) 正しくないことは考えない。
 以上の十全戒を守って巡拝することを誓い、弘法大師の弟子になることです。

 <お遍路に必要なもの
 朱印帳等:納経帳・納札・納経軸
 身支度等:白(行)衣・金剛杖・菅笠・笈摺・ずた袋・手っ甲・脚絆・白地下足袋・輪袈裟・鈴・教本・数珠
 ちなみに、納札の色は、1〜4回が白、5〜7回が緑、8〜24回が赤、25〜49回が銀、50〜99回が金、100以上が錦札と回数別に決まっています。
 身支度は特に決まってはいません。白装束が遍路の晴れ着であり、お遍路さんの象徴でもあるといわれているので、白衣程度を羽織るのはいかがでしょうか。 ま、何はともあれ自由です。あなたに合った姿でお遍路を楽しんで下さい。

納経帳・御影帳

 お寺に行くと、お参りした証(記念?本当は違うと思うが・・)に納経(御朱印)をもらいます。 納経は「納経軸」(約20,000円程度)、「納経帳」(約3,000円程度)、「御朱印用白衣」(約3,000円程度) のいずれかを購入し、それに記載(押印)してもらいます。どれを選ぶかは、後々のことと購入時の手持ち金額によります。(多分)
 納経(御朱印)は1回300円です。私の場合「納経帳」を選んだので、88カ所を回るとこれだけで、ウーンと29、400円になります。
 また、お寺では御影をもらえますので、その保存用に「御影保存帳」(約2,000円)があり、合わせると31,400円になります。

 これは納経帳です。
 お寺で拝んだ後に納経をしてもらいます。
 納経をしてもらうときには「お願いします」の一言と、該当するお寺のページを広げて渡すのがマナーです。 たまに、違うページを広げ、違うお寺の所に書いてもらってしまった御仁もいますので、注意した方がよいでしょう。
 納経の記載は筆で行われますので、納経軸用にドライヤーが用意されている所があります。また、納経帳の場合は、お寺の方が新聞をあてがってくれます。

 納経帳へは、このように納経(御朱印)されます。一頁分が一つのお寺のものです。(写真は両開きで二頁です。)
 なお、2回目からは御朱印のみが押されますので、同じお寺に何回も参拝されると、ページが真っ赤になります。

 これは御影保存帳です。

 御影保存帳の中身です。
 御影保存帳には、もともとお寺の名前や本尊等がフリガナ付きで書かれていますので、とっても親切です。
 写真の本尊の札が御影で、お寺からもらいます。
 御影は通常、納経する場所に置いてあり、無料ですので「頂きます」と言ってもらいましょう。(当然一人1枚です。) なお、たまに表に置いていないお寺もありますので、その場合は「御影を下さい」と言って必ずもらいましょう。

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