1983年/14分55秒/モノクロ
監督・脚本・デザイン: ヤン・シュヴァンクマイエル
原案: エドガー・アラン・ポー『陥穽と振子』、ヴィリエ・ド・リラダン『希望』
美術: エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー
アニメーション: ベドジフ・グラセル
撮影: ミロスラフ・シュパーラ
編集: ヘレナ・レブドゥシュコヴァー
音響: イヴォ・シュパリ
出演: ヤン・ジャーチェク
プロデューサー: M・クブリフト、クラーラ・ストクラソヴァー
製作: クラートキー・フィルム・プラハ、イジー・トルンカ・スタジオ
異端審問官から死の宣告を受けた男は、処刑台に縛りつけられていた。天井には骸骨が描かれ、その口に空いた穴から丸い刃の振り子がぶら下がっている。やがて振り子は左右に揺れながら下がっていき、男の体を切り裂こうとする。彼はネズミに紐をかじらせて縛めを解き、迫りくる刃から逃れた。
場面が変わると、男は鉄の壁に囲まれていた。壁は機械仕掛けで動く悪魔の絵で、裏側では火が焚かれ、炎に包まれた刀が突き出される。壁の内側は狭められ、男を中心の穴に追い落とそうとする。彼は落ちていた皿を壁の車輪とレールの間にはさんで壁の動きを止め、隙間から抜け出した。
男は出口を求めて、地下道をさまよう。他の部屋からは、拷問を受ける他の囚人の悲鳴が聞こえてくる。男は地上に通じる穴を見つけ、土を掘り崩して外に出た。だが、そこには僧衣をまとった審問官が待ち構えていた…
エドガー・アラン・ポーの『陥穽と振子』からの引用で始まり、ヴィリエ・ド・リラダンの『希望』からの引用で終わるこの作品は、スペインの異端審問裁判を題材にしている。
1480年、スペインに異端審問所が設立され、カトリック以外の宗教を厳しく弾圧した。異教徒たちは残虐な拷問をされ、処刑された。審問官たちは様々な拷問や処刑の方法を考案し、そのための器具を作り出した。
初めに登場する「振り子」は、半円形の刃が振り子のように揺れながら少しずつ下がっていき、犠牲者に恐怖を与えながら体を切断する。また、主人公が覗いた部屋にある「引き伸ばし器」は、犠牲者の手足を縛って身体を引っ張る拷問器具である。
振り子や悪魔の壁を動かす機械には、『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』のエドガル氏の頭の中や、『棺の家』の玩具、そして「自慰機械」と同じように、シュヴァンクマイエルの機械類に対する好奇心が感じられる。また、ポーは『メルツェルの将棋差し』、リラダンは『未来のイヴ』と、それぞれ機械への興味を示す作品を書いている。
しかし、機械といっても、この作品に登場するのは、人を悦ばせる機械玩具ではなく、人を苦しめる殺人機械である。それでも、歯車、滑車、はずみ車が緻密に結びついた複雑な機構を見ると、人間の好奇心と創造性の豊かさに感心せずにはいられない。
『陥穽と振子』を原作とした映画には、 ロジャー・コーマン の『恐怖の振り子』(1961)と、スチュアート・ゴードンの『ペンデュラム 悪魔のふりこ』(1991)がある。
収録作品:
『自然の歴史(組曲)』
『部屋』
『地下室の怪』
『陥し穴と振り子』
『男のゲーム』
『闇・光・闇』
『対話の可能性』
収録時間: 86分
音声: オリジナル/モノラル
字幕: 日本語(ON/OFF撰択不可)
画面: スタンダード (4:3)
品番: DAD99001 DAD05012
定価: 6,090円 4,935円
発売日: 1999年12月20日 2005年2月23日
発売元: ダゲレオ出版