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第二部前半 イエスの裁判

ティントレット(1567年)
ピラトの前のイエス(部分)

15、コラール
キリストは私たちを幸せにし、悪事を犯しませんでした。 それなのに捕らえられ、無実の罪を着せられ、聖書の予言どおりに辱められ唾を吐きかけられました。

16 a、b、c、d、レチタティーヴォと合唱
夜が明けて イエスは総督ピラトの官邸に連れて行かれたが、中へは入らなかったのでピラトが外へ出てきて言った。

ピラト:『この男を何の罪で訴えるのか?』
群 集:『罪が無ければ連れてはきません』
ピラト:『それなら自分たちの法律で裁け』
群 集:『我々の法律では死刑にはできません』

16e、レチタティーヴォ
そこでピラトは官邸に入りイエスを呼び入れて訊ねた。

ピラト:『お前はユダヤの王なのか?』
イエス:『あなたがそう思っているのか、それとも誰かがあなたにそう言ったのか?』
ピラト:『私はユダヤ人か?お前の同胞がお前をここに連れてきたのだ。お前はいったい何をしたのだ?』
イエス:『私の国はこの世には無い。もしそうでないのなら私がユダヤ人に引き渡されないよう戦っただろう。』

17、コラール
すべての時代に偉大なる王よ、この真実をどのようにして広めればいいのでしょう。
人間にはあなたにふさわしい贈り物が思いつきません。

私にはどうしてもあなたの慈悲に追いつきません。
どうすればあなたの愛にこたえられるでしょう。

ニコライヴィッチ 日が差している すでに夜が明けたようだ
真理を問うピラト
ボッシュ(1480年)聖書にはイエスの着衣の記述はほとんど無くて画家の裁量によるが この絵のイエスは緑色のケープを着せられている
この人を見よ

18、レチタティーヴォと合唱
ピラト:『それではやはりお前はユダヤの王なのだな』
イエス:『そのとおり、私は王だ、真理の証を立てるために生まれた。真理から生まれたものは私の声に耳を傾ける』
ピラト:『では真理とは何か?』

そこでピラトは外に出てユダヤ人に言った。
『私にはあの男が罪人だとは思えない。過越祭には罪人を釈放するが、ユダヤの王を釈放して欲しくないのか?』
群 集:『その男ではなくバラバを!』
バラバは人殺しだったが、ピラトはイエスを捕らえムチ打たせた

19、アリオーソ(バ ス)
イエスの苦痛の中にお前の善はある
イエスを刺したトゲに咲くのは天国の扉の鍵の形をした桜草だ
イエスの味わったニガヨモギは甘い実をつける
だからイエスを見つめていなさい

20、アリア(テノール)
血を流すイエスの背はまるで大空のようだ
私たちの罪の洪水が引くと 神の恵みの印として美しい虹がかかるのだ


21、レチタティーヴォと合唱
兵士たちはイエスに茨の冠をかぶせ、赤い衣を着せて言った。
『ようこそ、ユダヤの王』

ピラトはイエスを群集の前に連れ出して言った
『この男を見ろ。何の罪があるのだ?』
群 集:『十字架につけろ!』
ピラト:『自分たちでするがいい。罪人ではないのだ』
群 集:『我われの法律ではこの男は死刑だ! 自分を神の子だと言ったからだ!』

ピラトは恐ろしくなって再びイエスに訊ねた
『お前は何処から来たのか? 私はお前を死刑にすることも、釈放することもできるのだ』
イエス:『私には通用しない。私をあなたに引き渡した者たちの罪はそれほど重いのだ』
これを聞いてピラトはイエスを釈放しようと考えた

22、コラール
あなたが捕らわれられたからこそ 私たちが自由になれたのです
あなたの牢獄は信じる者たちの避難所です
あなたがしもべにならなかったら 私たちも僕のままでしょう

クエンティン・マセイス(1515年)周囲の人々の表情は蔑みに満ちて罵声が聞こえてきそうだ 暴動を恐れ不本意な判決を下したピラトの表情は虚ろだ
この人を見よ

ストーメル(1640年)左後方にゴルゴタの丘に向かうイエスも描かれているが イエスを助けられなかったピラトはその姿を見ることができない
手を洗うピラト

23、レチタティーヴォと合唱
しかしユダヤ人は叫んだ
群 集:『その男を釈放したらあなたは皇帝の友ではない その男は自分を王だと言って皇帝に背いている!』
ピラトはイエスを外に連れ出し裁きの座に着いた 過越祭の前日の正午だった

ピラト:『見ろ これがお前たちの王だ!』
群 集:『十字架につけろ!』
ピラト:『おまえたちの王を十字架につけるのか?』
祭司長:『我われには皇帝のほかに王はいない』

ついにピラトはイエスを磔刑にするため引き渡した  イエスは自分の十字架を背負い ゴルゴダに向かった


24、合唱付きアリア
急げ!悩める魂よ、苦しみの穴から出て 急いで行け ・・・・・何処へ?
ゴルゴダへ、
信仰の翼をはやして逃れよ ・・・・・何処へ?
十字架の丘へ
お前たちの幸せがそこで花開く

25、レチタティーヴォと合唱
大祭司たち:『ユダヤの王 と書かず 私はユダヤの王と言った と書いてくれ』
ピラト:『私が書いたことに文句を言うな』

26、コラール
私の心であなたの名前と十字架が輝いています 姿を現して苦しむ私を慰めてください
主キリストよ、どんなに穏やかに死んでいかれたか示してください

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエーボロ(1738年)イエスは赤い衣を着せられ 2人の盗賊が続く 十字架に手を添えているのはキレネ人シモンだろうか
十字架を担うキリスト
 


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