谷を見下ろす道で、ひと休み。
01.07
青梅線の電車を撮りに行く
スバル360に乗っていながら、最近は鉄道写真まで撮っている運転手。
<もはや何がなんだかわかりませんな>
キミが言わなくてもいいんだよ、茶色オオカミくん。
今日は青梅線を走る電車を撮りに出かけることにしました。
埼玉県西部の主要道路はもうしっかり頭に入っている運転手。
地図を見なくてもポンポは国道254号で新座を経由して所沢を抜け、青梅に向かいます。
空は冬の乾いた晴れの天気。からっ風がびゅうびゅう吹いていますが、ポンポに乗っているぶんには陽射しが
車内に射し込んで暖かい。エアコンのないポンポのこと。冬場はコートを着たまま運転するのですが、今日は
コートを脱いでしまいました。隣で茶色オオカミが憮然とした表情を浮かべています。
<暖冬はいけませんね。冬は冬らしくびしびし寒くなくちゃ>
そういえば去年は一月に雪が積もったのです。雪と一緒のポンポの写真を撮るべく、おっかなびっくり公園まで
走らせたのを運転手は思い出しました。
いよいよ山道。
青梅の町に入ると、それまで遠くに見えていた山並みがぐっと近づいてきました。
ポンポは奥多摩を抜けて山梨に通じる国道411号線に入ります。
と、道がいきなり細くなり、制限速度も時速30kmになってしまいました。久々の山道にどきどきする運転手。
この日は日曜日なのですが、時折ツーリングらしい二輪が二、三台で固まって通りすぎるばかり。
クルマは少なく、ポンポは快調にコーナーをまわります。
お目当ての青梅線の線路は国道よりも一段高いところを走っています。
山肌にへばりつくようにしてオレンジ色の電車がゆっくりと走ってゆくのが見えました。
今にも何かが落ちてきそうな崖の道。
とつぜん、ばきばきっとタイヤが何かを踏み砕く音が響きました。
<なんです、よそ見しないでくださいよ>
茶色オオカミが文句を言います。
違うんだよ。木の枝が道に転がってるんだ。
山から吹き下ろしてくる風で杉の小枝が折れ、それがばらばらと道路に落ちてくるのです。
音を立ててフロントガラスに当たる枝の先。よけることもできないので、そのまま突っ走ります。
<そのうち、崖から石が落ちてくるんじゃないですかね>
縁起でもないこと言わないでくれよ。
次第に山が高くなり、反比例して谷が深くなっていきます。ちらりと眼下に見えるごつごつした岩だらけの川が、
二子玉川あたりで見る多摩川と同じだとは思えません。
<石が落ちないかわりに、スバルを落とさないでくださいよ>
キミが考えることはロクでもないことばかりだね。
相変わらず風は強く、ときどきハンドルを取られそうになります。
吹き下ろす風ばかりかと思ったら、谷底から吹き上げる風が、木の葉を空中高く舞い上げていくのが見えました。
<いやー、奥多摩ってのはあなどれませんなあ>
白丸トンネルを抜けると、ようやく奥多摩町の中心部。
411号線はさらに山の中へと入ってゆきますが、運転手は行ってみたいとは思いません。
奥多摩駅前で記念撮影だけして、またポンポに乗りました。
さ、帰ろうか、茶色オオカミくん。
<また同じ道を通るんですか!>
決まってるじゃないか。電車に乗って帰るなんて言わせないよ。
来た道をまた、杉の枝をばしばしと踏みつけながらポンポを走らせる運転手。
今度は花粉症の時期を過ぎたころに来ようと思うのでした。 ■
JR青梅線の終点、奥多摩駅。
新緑の時期にまた来よう。