300メートル先、右折、利根川橋。
01.31
利根川の夕陽を見に行く
タイトルには『夕陽を見に行く』なんて書いてありますが、実際は利根川目指して走ったら日が暮れたというのが
正解なのでしょう。
ふだんは荒川専門の運転手。今日は足を伸ばして利根川まで行ってみることにしました。地図を見ると国道4号線を
栗橋まで行くと、利根川にぶつかるようです。川の向こうは、ポンポにとって初めての栃木県です。
お昼前、ミチコさんを乗せて出発しました。戸田には中山道が通り、高崎、群馬方面へ行くのは便利なのですが、
筋違いの日光街道へ回ると遠回りになってしまうので、狭い浦和の町を抜け、埼玉県を斜めに走る県道を通ることに
しました。これだと大宮から栗橋まで一本道です。
冬晴れのお天気。ポンポの中はガラスの温室のように暖かくなります。
「ポンポ、今日のお昼は何を食べようか。おにぎりおにぎり」
何を食べようかと言いながら、おにぎりが好きなミチコさん。運転手におにぎりを食わせろ、と要求しているよう
なものです。
鷲宮町まで来て、そろそろお昼ごはんにしようかと思ったとき、見慣れた黄色いMの文字が近づいてきました。
「あ、まっくんぴーだ! メガマック食べたいな」
それはここに停めろという指示なのでしょう。ポンポはウィンカーを出して駐車場に入りました。
今、マクドナルドではメガマックを売り出し中。ロードサイドのお店では特大のバナーを出しています。ところが
このメガマックとやら、かなりの人気らしく、毎日限定数量しか売っていないのですね。売り切れると外のバナーを
たたんでしまうのです。
ところが、この店では大きなバナーがポンポからよく見えました。これにミチコさんが目ざとく反応したのです。
喜びいさんでポンポを降りると、お昼どきだというのにのんびりした雰囲気のお店に入っていきました。これは期
待できそう。さあ、いよいよメガマックとご対面か、と思いきや、カウンターの上には『本日メガマックは売り切れ
となりました』という張り紙。
「ぷんすかぷんぷん!」
じゃあ、チーズバーガーでも食べたら、という運転手の言葉など耳に入りません。ミチコさんはさっさと回れ右を
するとお店を出てしまいました。メガマック食べたさに行列するほどの熱心さはこれっぽっちも持ち合わせていない
のですが、食べられないとなると、かえってその想いはつのるものらしい。
しかし結局、お向かいのコンビニでおにぎりを買ってぱくつくミチコさんです。「おにぎり、おいしーねえ」。
なんだ、やっぱりおにぎりでよかったんじゃないか。
栗橋に入り、せっかくなので国道4号線の利根川橋を渡って栃木県古河市へ。
川の写真を撮ろうかと思いましたが、市街地に近いせいか景色があまりよくありません。
ポンポは地図をたよりにぐるりとまわりこんで、北川辺町に入りました。
北川辺町、田んぼの中の道を走るポンポ。道の向こうに大きな土手、その向こうに利根川。
白鷺の親子?
川の向こうに落ちる夕陽
振り返れば月
すでに冬の陽射しは傾いて夕暮れが始まりかけています。国道を外れると、一気に広い田んぼが広がりました。
夏や秋に来れば、緑や金色の稲穂が波打っているはずです。白鷺が二羽、枯れた草の上にすっと立っていました。
通るクルマもない田んぼの中の道の端にポンポを停め、三、四階建てのビルくらいの高さの土手に上ります。
まわりに広告看板も何もない広い広い河原の向こうに利根川のゆったりした流れ。
その川の向こう岸へと、ガラス玉を熱したようなぽってりと赤い太陽が沈んでゆきます。
いいときに来たものです。この夕陽をポンポにも見せられればよいのですが、あいにく土手にクルマが上れる道は
見当たりませんでした。
橙色から、桃色、茜、と空の色の変化を眺めていたミチコさん、
「寒ーい!! もう行こう、温泉に入ってあったまるんだ」
つまり、運転手にスーパー銭湯を探せと言っています。
かすかに赤味の残る空を見上げながら、ポンポは再び橋を渡って埼玉県へ。まったく計画性のない二人組です。
来た道で見かけた『ゆ』の看板がどこだったか必死に思い出そうとする運転手なのでした。 ■
埼玉大橋を渡る。