富士見バイパスを行く。白い雲が浮かんでいいお天気。
04.03
桜を見に行く
「今年は桜の下で『どんちゃん騒ぎ』しなかったねー」
というミチコさん。
『どんちゃん騒ぎ』とは、お花見の席で一発芸をするとか腹芸をするとか
ということではなく、ただ、桜を見ながらお酒を飲むこと、らしいのですが、
こうやってポンポで桜を見にお出かけしているかぎりお酒の出番はありません。
東京の桜はほぼ終わりに近く、すでに葉桜になっている木もあります。
となれば桜を見る(撮る)には咲いている場所まで出かけていく必要があるわけで、
ポンポは新大宮バイパスを北に向かいました。
秩父まで行けば、まだ満開の桜が見られるだろう、と考えてのことですが、
ポンポの足ではおそらく3時間以上はかかりそうな道のりなのに、家を出たのは既に
11時を回っていました。
運転手の頭の中では国道17号線を熊谷まで走り、長瀞から秩父へと通じる
国道140号線に入る予定でしたが、新大宮バイパスが混んでいたので、県道を
乗り継いで富士見バイパス(富士見川越道路)で寄居方面に抜けることにしました。
この富士見バイパス、有料道路(軽・普通車200円)なのですが、信号はあるし、
歩道はあるし、で一向に自動車専用道らしくない。
「おかしいなあ」などと言っているうちに、料金所が現れ、たった一人いた徴収員の
おじいさんにお金を渡すと、また一般道路が続いて、バイパスはいつのまにか終わっていました。
料金所の前後数百メートルだけが専用道のようになっているようでした。
「えー、なんなの、あれ。料金所だけぐるっとまわればお金払わなくてもよかったんじゃない」
ミチコさんが言いますが、バックして、返金してくれというわけにはいきませんね。
川島町のガソリンスタンドで給油していると、運転手は遠くに菜の花畑を見つけました。
桜を見に出かけたはずなのに、菜の花ですが、きれいなものは素通りできません。
さっそくポンポをそちらに向けます、ミチコさんは突然国道から外れたのでびっくり
していましたが、イエローのじゅうたんが見えてくると、歓声を上げました。
ドアを開けると菜の花の湿り気のある匂いがあたりに広がっていました。
空をバックにブルーとイエローのコントラストが鮮やかです。
運転手は昔学校の教科書に載っていた『いちめんのなのはな/いちめんのなのはな』
という詩を思い出しましたが、そんな一面の菜の花畑でした。
菜の花畑のポンポ。
ポンポは寄り道ばかりしながら、ようやく寄居までやってきました。ここは秩父への入口。
荒川を渡ります。
運転手の家の近くを流れる荒川とは違って、川の両側が深く落ち込んでちょっとした
渓流のおもむきがあります。ここは長瀞の出口にあたるのでしょう。橋の上から、河原に
クルマが数台停まっているところを見ると、どこかに降りる道があるのでしょう。
ポンポは回れ右をして、集落の中の細い道へと入って行きました。
『→荒川』という手書きの立て看板を頼りに、河原に降りる道を見つけてそろそろと
下ります。誰かが植えたのか自然に生えたのか、桜の木が河原に数本枝を広げ、その下には
菜の花がちらちらと見えます。
土日ならば人が押し寄せるのかもしれませんが、平日の夕方では釣りをする人が二、三人
いるだけ。山水画のような景色が広がっていました。
運転手が写真を撮っているあいだ、ミチコさんは一人で河原に座り込んでなにやら石を
あれこれと選り分けているようです。
「ほら、クルマの形の石ー。ちゃんとタイヤもあるんだよ」
そう見えないこともありません。石を一個いただくくらいならいいでしょう。お金のかからない
おみやげです。
石に気をつけながら、河原を走るポンポ。
河原の中のポンポ。このあたりまで来ると荒川の水もきれい。
桜と菜の花に囲まれてひと休み。
そうこうしていうちに空の雲が厚くなってきました。ようやく秩父へ向かう国道140号線を
走り始めたときにはすでに午後5時過ぎ。このままでは秩父まで明るいうちにたどりたどり
つけそうにもありません。
「道の駅で野菜買って帰る」
とミチコさんが言い、結局、長瀞の手前の集落で折り返して熊谷に出ることにしました。
あまり桜には出会えなかったけれど、来年までのお楽しみかもしれません。国道17号線を
今度は南下しながら、次は奥多摩にでも行きたいなあ、と考える運転手。新緑に目を奪われる
ことでしょう。
さて、ミチコさんは……?
「おすしにラーメン、ラーメン、やきにくー!!」
はい、道路沿いに続く看板に目を奪われておりました。
桜の木をバックにミチコさんに運転してもらいました。
