川島町へと続く土手の上の県道は何度通っても好きな道。
ホンダエアポートのポンポ。
04.29
ホンダエアポートフェスティバルを見に行く
五月晴れとはこういう空だったかと思うような青空です。
<まだ四月なんですけどね>
ポンポの助手席で茶色オオカミが言いました。
いいんだよ、気分の問題なんだから。運転手は鼻歌でも歌いたいような気分で
ハンドルを動かしました。
ポンポは新大宮バイパスを一週間前にも行ったホンダエアポートを目指して走っています。
今日は、ホンダエアポートの主、本田航空が主催するファン感謝デーのような
イベントがあるのです。お目当てだった飛行船は結局機材整備ということで飛ばないようですが、
航空ショーのようなイベントには行ってみたかった運転手。家から一番近い飛行場ならば
行かないわけにはいきません。
<飛行船が飛ばないんだったら帰りましょうよ。ブルーインパルスが見られるわけじゃないんですから>
血も涙もないこというね君は。
ポンポは新大宮バイパスから県道に入ります。指扇駅を過ぎて、開平橋を渡ると
青空と河原の緑が美しい。河原の一角ではモトクロスの大会が行われているようで、
もうもうと砂塵が上がっています。あわてて窓を閉める運転手。
土手の上を走る県道はいつにも増して気持ちよく思えるのはこのお天気のおかげでしょう。
このままずっとまっすぐ走ってゆきたいのですが、道はカーブして土手を降り、川島町の中へと
入って行きます。
県道からさらに農道のような道へと入るとホンダエアポートはもうすぐ。菜の花の残る
土手を上がると、いつもは誰もいない原っぱにたくさんのクルマが止まっています。
小さい子どもを連れたお父さんや、大きな望遠レンズつきのカメラを持ったおじさんが
ぞろぞろ歩いています。
<鉄道でもそうなんですが、乗り物のマニアってえのは独特の空気を発散してますな>
しっ、そんなこと言うもんじゃないよ。
運転手だって、そんなに変わりはないのですから。
いつもの場所にポンポを停めて写真を撮っていると、飛行機を見に来たらしい人が
ポンポのドアを開けようとしています。茶色オオカミが運転手の肩を叩いて、
<ドロボウが来ましたよ>
違うってば。
運転手がその人に声をかけると、「ああ、展示してあるのかと思った!」とのこと。さもありなん。
ドアを開けて、ついでに運転席にも座らせてあげて、たっぷりスバルを堪能してもらいました。
<一人百円ずつ徴収すればけっこう儲かるかもしれませんぜ>
と、茶色オオカミ。
そのヨコシマな考え方、どうにかしたほうがいいよ。
ポンポへようこそ! 後ろは今日はお休みのツェッペリンNT号。
自衛隊や米軍基地でやるようなものとは違って、ローカルな飛行場のお祭りは、
カントリームードがただよっています。
<日本語に訳せば『田舎くさい』、で……>
あわてて茶色オオカミの口を押さえる運転手。
その商業化されてないところがいいのです!
草の上では家族連れがのんびりレジャーシートを広げてお弁当を食べていたり、
やきそばやかき氷を売る屋台が出ていたりと、どこか縁日のよう。
飛行場らしいことといえば、セスナ機による遊覧飛行(約7分のフライトで7800円)、
ヘリコプターの体験飛行(約2分半で3000円)などが行われていて、どちらも順番待ちの
長い列ができています。
<世の中には金持ちが多いのか、モノズキが多いのかわかりませんね>
いいんだよ。めったにできない体験なんだから。
運転手だってお金持ちなら乗ってみたいものです。お客さんを乗せたセスナ機は
わずかな助走で軽々と空へ飛びあがり、青空の中へあっという間に小さくなっていきます。
それを見ながら、空を気ままに飛ぶのはさぞかし気持ちのよいことだろう、と想像する運転手。
茶色オオカミも一緒に空を見上げながら、
<飛行機の免許取ったらどうです>
ん、そうだね……と言いかけて、運転手は思いとどまりました。いくらなんでもそんな余裕は
ありません。
いや、やっぱりいいよ。だってポンポの形は飛行機そのものだからね。だってほら、と指差す先に
空から一機の飛行機が飛んできました。
富士重工のFA-200です。愛称は、『エアロスバル』。 ■
富士重工FA-200、エアロスバル。側面の窓の形がスバル360に似ているような。
ホンダエアポート
ビーチクラフトA-36
これもエアロスバル。
空中風船割りのデモンストレーション飛行。(赤い点は風船)
帰り道。もうすぐ田植えの田んぼには水が張られて池のようになっていました。
