小比類巻かほる 特集

 小比類巻かほるを知っていますか。30代の方は多分ご存知のことと思います。80年代の終わりから90年代にかけて、
抜群の歌唱力と、洋楽テイストの楽曲で一世を風靡した彼女の名曲について語りたいと思います。

  3rdアルバム 『I'm Here』(1987)
 小比類巻かほるの出世作である『Hold On Me』が収められたこのアルバムは、名作である。アルバムのアレンジは一風堂の土屋昌巳が手がけている。どうでもいいけど、この前「歌の大辞典」に一風堂が映っていて、土屋昌巳と研ナオコは似ているという話が出ていた。うん、確かに似ている!!。2曲目にの『Hold On Me』は、ドラマの主題歌ということもあり大ヒットした。曲は大内義昭によるもので、キャッチーなサビのメロディーが印象的な曲である。この後コンサートではお馴染みの曲となる。このアルバムには入っていないが、アニメ「シティーハンター」の主題歌『City Hunter』も同時期にヒットしている。この曲は私はあまり好きではない。7曲目の『オーロラの瞳』は当時、アイドルなどに曲を提供していた売れっ子作曲家、網倉一也の手によるもので、泣きのメロディーの秀作。そして、なんといってもアルバムのラストを飾る『I'm Here』はラッツ&スターの鈴木雅之作曲の名曲中の名曲。鈴木本人もコーラスに参加しており、二人のソウルフルなボーカルワークは最高。一聴の価値あり。土屋昌巳のアレンジはやっぱりという感じで、一風堂とか知ってる人は、ナルホドと思えるはず。かっこいいですよ。
  4thアルバム 『Hearts on Parade』(1988)
 このアルバム、すごく売れました。巷でかかってました。サウンドプロデュースは前作から続いて土屋昌巳。捨て曲がない、スキのないアルバムになってます。作家人も前作に引き続き、大内義昭、土屋昌巳、鈴木雅之が勤めてます。このアルバムから全曲本人の作詞になった。どの曲も粒ぞろいであるが、自分の趣味でいうと2曲目の『Come On』は大内義昭作曲で、シングルでも発売され大ヒットしている。キャッチーなメロディーで、なんかのCMソングだったような気がする。コンサートではお決まりの曲であった。6曲目のタイトルチューン『ハートのパレード』は、土屋昌巳作曲・編曲のいかにもという感じの曲で、これもコンサート向きの曲であった。ラストの8、9、10曲目は全部好き。8曲目『MY SWEET ANGEL』は鈴木雅之によるポップチューン。9曲目の『MERCY ME』も鈴木による曲で、前作『I'm Here』路線の名作。マービンゲイ追悼の曲で、心に染みます。ラストの『TIME FLIES』は大内による曲で、メロディーの美しいミディアムチューンである。ラストを飾るにふさわしい曲。
  11thシングル 『TOGETHER』(1988)

 この曲はTDKのCMソングとして、大ヒットしました。小比類巻かほる本人が出演し、ライブ会場を写しているカメラがひいていくと、そこは高層ビルの上だったという感じの映像でした。華原朋美の『I'm Proud』のPVみたいな感じ。これも、大内義昭による曲です。

  「Cause we are together together  いつも 永遠でいたい
   悲しみよりも遠く 愛することを」

 というサビのメロディーが印象的でした。
  6thアルバム 『TIME THE MOTION』(1989)
 このアルバムは、プリンスがプロデュースした曲が2曲入ってるというのが一番の売りだったのですが、私はその2曲以外の曲が好きでした。2曲目の『DREAMER』は先行シングルとして発売されヒットしました。PVも凝っていて印象的なものでした。「夢を乗せてDREAMER〜」というサビが心象的でした。3曲目の『いい子を抱いて眠りなよ』もヒットしました。確かシングルも出たと思う。ライブの定番。このアルバムから、本人が作曲にも携わっている。上の2曲は大内によるものであったが、4,7,8,9,10,11曲目の6曲は本人の手によるものである。大内義昭がプロの作曲家として、きっちりとした曲を書き、それがアルバム1〜3曲目にあり、5,6曲目がプリンスによるもの。それ以降が本人による曲ということで、最初はピントが絞れないアルバムという印象を受けた。というのも、Kohhy(愛称)の曲は、悪く言えばまとまりが悪いというか、どういう風にメロディーが終わるのだろう??と思うようなところがある。返せば、型にはまっていないよさがあり、かえって新鮮に思えてきたから不思議だ。今聞いてもなかなかの秀作ぞろいである。Kohhyの曲はバラードがなかなかよい。これは次作にもいえることである。8曲目『アスファルトの帰り道』、11曲目の『Silent Blue』バラードの名曲。10曲目の『リバーサイドパーク』は、初期のアルバムから組んでいる大内義昭のソングライティングを学んだというようなさわやかな曲である。杉山清隆がプロの作家林哲司に学び、TUBEがプロの織田哲郎に学んだ構図と似ている。7曲目『Everything's All Right』、9曲目『TIME THE MOTION』は、プロの作曲家はあまり書きそうにない曲であるが、それが新鮮な勢いを感じさせる。当時、大学生であった私は作曲に凝っており、「こんなまとまりのない曲はダメだ。」とか思ったものだ。今聞くと、このメロディーや展開の意外さがたまらない。Kohhyの曲はギターやピアノを弾きながら作っていたら出てこない気がする。当時のKohhyは、鼻歌みたいな感じで、メロディーだけで曲を作っていたのではないだろうか?。そのようにして作られた曲は、名曲が多いんだよね。
 余談になるが、このアルバムからKohhyはエピックSONYからTDKにレコード会社を移籍している。どのアーティストも、年月を経るとセールスのパワーが落ちてくることは仕方ないことだが、Kohhyの場合、ベスト盤の5thに続くこのアルバムであるが、内容はさらによくなっていると思うのに、セールスの落ち込みは激しいものがある。これには、レコード会社の業界におけるプロモーションの力というものを考えずにはいられない。どういう事情で、レコード会社を移籍したのかは定かではないが、レコード会社の力によって、アーティストのセールスに大きな差が出てしまうのは残念なことである。まあ、音楽自体を聴くことが好きな私にとっては新作が出さえすればよいのだが、セールスが落ちるということは、そのアーティストの新作が出にくくなるということでもあるからである。
  7thアルバム DISTANCE(1990)
 前作からKohhy本人が作曲に携わっているが、このアルバムでは、本人が6曲の作っており、ソングライティングも板についてきたという感じを受ける。どの曲もクオリティーが高く素晴らしい。自分の趣味では、5曲目の『LIKE A FACTORY』が好きだ。
「Life is like a factory ひとつずつ 積み上げるスリルの向こうは ほら しなやかな喜びが 目覚めはじめてる・・・」と歌う詩に勇気づけられたような気がする。最後にゴスベル隊のコーラスが入ってくるのも最高!。大学4年の卒論に四苦八苦してたときに、この曲をよく聞いていたような気がする。(T^T)ウルウル。
 それから、なんといっても8曲目の『E+CLOUDS(八つの雲たち)』です。Kohhyの曲らしい、カチッとした曲ではないのだけれど、それがせつなさを増幅させるようなミディアムテンポのバラード。しかし、この曲は歌唱力がないと、何を歌ってるのかよくわからなくなるような曲だ。歌いこなすのは難しいが、名曲である。10曲目、ラストを飾るのは大内義昭作曲の『TWILIGHT AVENUE』である。これが大内らしい、カチッとしたさわやかなナンバーである。イントロのゴスベル隊のコーラスから始まり、つかみはOK!という感じ。あとはさわやか路線で最後までダーっといってしまいます。このさわやかさとせつなさ、優しさはどう表現したらよいのだろう・・・。ウーン、名曲!!。
  8thアルバム 『silent』(1991)
 Kohhyもずーっと聞いてきたし、そろそろファンをやめようかなと思ってたときに出たアルバム。離れそうな私の手をググーっと引っ張られた感じのするアルバムでした。なんといっても1曲目の『MIRAGE MIRROR』が最高。本人に作詞作曲であるが。Kohhyのソングライティングはこの曲で究められたと私は勝手に断言します。山下達郎の『メリー・ゴー・ラウンド』を連想させるようなイントロのチョッパーベースからくぎ付けにされました。学生時代、ジャズ研に属していた私は、フュージョンばかり聞いていて、チョッパーベースが大好きだったのでした。2曲目の『グロリア』はロックテイスト溢れるナンバー。ディストーションギターがかっこいいなぁ、と思ったら、アレンジに久しぶりに土屋昌巳さんが戻ってきてます。当時、Kohhyはデーモン小暮と深夜の音楽番組をやってて、その中でこの曲をライブで歌ってて、「かっこえーなー」と思ったものでした。これもKohhy本人による作曲です。7曲目『オリオンのように』、8曲目『TIME GOES BY』は大内義昭によるせつない名バラード。どちらも、数多いKohhyのバラードの中でも、ベスト5に入る曲だと思います。『TIME GOES BY』はシングルとしてもスマッシュヒットしました。シングルバージョンとアルバムバージョンがありますが、私はシンプルなアルバムバージョンの方が好き。「いつからか 全てわかる時が いつの日か全てになると そう残してく言葉の意味 ずっと抱いていたい・・・』せつなさがつのります。毎度毎度、アルバムのクオリティーの高さにまいります。
  9thアルバム 『FRONTIER』(1992)
 6thアルバム『TIME THE MOTION』はプリンスのプロデュースした曲が入っているのが売りであったが、このアルバムの売りはアースウィンド&ファイアーのモーリスホワイトである。モーリスホワイトプロデュースの曲は2曲あるが、私の好みは9曲目のタイトルチューン『Frontier』である。イントロからそれは洋楽そのもの。日本語のロックは可能かという議論がもてはやされたのは、もう過去のことかもしれないが、この曲は英語で歌ってほしかったという感は否めない。しかしながら、Kohhyの歌唱力はこのような曲を表現してあまりあるものがある。英語バージョンが聞きたい!!。そして、なんといっても私のオススメは5曲目『Good-bye Kiss』である。上野史彦氏の曲であるが、Kohhyが得意としている、すっきりさわやか、アップテンポ、ダンサブルな曲である。7thアルバム『DISTANCE』のラストに収められていた『TWILIGHT AVENUE』にも通じる曲である。1曲目の『コントロール』は、シングルとしても発売されているが大内義昭による、ダンサブルでキャッチーな曲。2曲目の『Let's Share Love』も大内によるものであるが、EWFを彷彿させるミディアムテンポのダンサブルな曲である。