けげんそうな面持ちでNさんが見つめている。 それもそのはず、突如としてクリスマスに舞い込んだ一通の招待状。 差出人はユミコ・・・ もと同僚で今は遠くから、折に触れて近況メールをくれるあのユミッペ? それにしては、 「12月26日午後6時 森のメモワール亭でパーティーを開きます。 なんて書き方しないだろうし。 普段なら、こんな得体の知れない招待状はとっととゴミ箱行きの運命。 でもでも、何か不思議な誘惑に駆られて、まあいいか、秘密めいたパーティーとやらを見届けてやろうと・・・ 定刻に玄関のチャイムが鳴り、お迎えのタクシーが到着。 さぁ〜て何から聞き出そうかと戸惑っている内に、どうやら森のメモワール亭の看板が目に入り、車が止まる。 オウムさんに「あっという間につきましたね。さあどうぞ、こちらから、ご主人さまがお待ちかねです」とうながされて、中へ。 ログハウス風のしゃれた喫茶店を思わせる亭内の、予約テーブル席から、控えめな笑顔で手招きする小柄な女性。 「Nさん、やぶからスティックに、こんなお呼びたてしてごめんなさい。 「も、もしかして、猫かまど小学校で2年のとき、よく帰り道を一緒にした、 転校生のユミコちゃんじゃ?」 「ピンポ〜ン!もう感激! 「実はね、好きなコと並べるクラスの席替えがあったじゃない。 「そっか、ユミコちゃんも。 おあいこなんだから、これで長い胸のわだかまりもすっかり溶けてホツとしたよ。」 「見て見て、Nちゃんのためにバースデーケーキを用意してもらったの!」 「Nちゃん、そこのワイングラスをとりあげて。 「ありがとう、ユミコちゃん、これって、どうしても探し出だせなかった わたしの宝物!」 昔なじみの二人の話に真っ赤なポインセチアの花が咲き、ゆるやかな時の風がふわりふわりとメモワール亭を包んでいく。
12月生まれの人に捧げる「クリスマスに舞い込んだ招待状」 |
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