けげんそうな面持ちでNさんが見つめている。

それもそのはず、突如としてクリスマスに舞い込んだ一通の招待状。

差出人はユミコ・・・

もと同僚で今は遠くから、折に触れて近況メールをくれるあのユミッペ?

それにしては、

1226日午後6時 森のメモワール亭でパーティーを開きます。
きっと来てくれますよね!
5時半には案内人がお迎えにあがります。」

なんて書き方しないだろうし。

普段なら、こんな得体の知れない招待状はとっととゴミ箱行きの運命。

でもでも、何か不思議な誘惑に駆られて、まあいいか、秘密めいたパーティーとやらを見届けてやろうと・・・

定刻に玄関のチャイムが鳴り、お迎えのタクシーが到着。

さあどうぞ!といわれて乗り込むと、
キレイな羽のオウムさんが、

「コンバンハ、ボクが案内役です、ご心配はいりません。
とうかリラックスして、ぼくの好きないつもの笑顔にお戻りください。」
と歌いだす。

さぁ〜て何から聞き出そうかと戸惑っている内に、どうやら森のメモワール亭の看板が目に入り、車が止まる。

オウムさんに「あっという間につきましたね。さあどうぞ、こちらから、ご主人さまがお待ちかねです」とうながされて、中へ。

ログハウス風のしゃれた喫茶店を思わせる亭内の、予約テーブル席から、控えめな笑顔で手招きする小柄な女性。

Nさん、やぶからスティックに、こんなお呼びたてしてごめんなさい。
わたしの名はユミコ。
 覚えてらっしゃる?」

「も、もしかして、猫かまど小学校で2年のとき、よく帰り道を一緒にした、 転校生のユミコちゃんじゃ?」

「ピンポ〜ン!もう感激!
Nちゃんの記憶から削除されてたらどうしょうかと悩んだりしてたの。」

「実はね、好きなコと並べるクラスの席替えがあったじゃない。
あのとき、わたしは、よそもの
転校生と真っ先に仲良くしてくれたNちゃんをさしおいて、学園のアイドルKちゃんの隣をと高望みしたの。
でも殺到するライバルの勢いに恐れをなして思いとどまったのよ。
もちろん、Nちゃんもダッシュして、振り落とされバツの悪そうな顔のまま、わたしの隣に来てくれたわよね。

だ・か・ら、あぶれ組同士がもとのサヤに納まったってワケ。

Nちゃんだけに後味の悪い思いをさせて、いいコのふりをつづけたわたしが許せなかったの・・・あれから・ずっと・・ごめんなさい。」


「そっか、ユミコちゃんも。
おあいこなんだから、これで長い胸のわだかまりもすっかり溶けて
ホツとしたよ。」


「見て見て、Nちゃんのためにバースデーケーキを用意してもらったの!」

Nちゃん、そこのワイングラスをとりあげて。
ハッピーバースデーNちゃん♪
そして極めつけは、Nちゃんへのバースデープレゼント。
金ぴかケースの絵本童話全集!」


「ありがとう、ユミコちゃん、これって、どうしても探し出だせなかった
わたしの宝物!」



昔なじみの二人の話に真っ赤なポインセチアの花が咲き、ゆるやかな時の風がふわりふわりとメモワール亭を包んでいく。

                  

12月生まれの人に捧げる「クリスマスに舞い込んだ招待状」
 リンデ 2007.12.20




















森のメモワール亭






































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