熱気球のようにリンデを籠に乗せ、括りつけたロープを魔物トリオが咥えて飛行することになりました。行く先は、人魚のショーコちゃんの海です。

大海原は眩しいほど輝き、白い波がしらが生き物のように踊っていました。

上空から目を凝らして観察すると、「わんちゃんスクール」という看板が目に留まりました。魔物トリオに合図して下降してみると、そこは仔犬に泳ぎを教えるスクールのようでした。
砂浜に着陸したリンデは、驚きました。
あのショーコちゃんが額に汗して仔犬たちに泳ぎを教えているのです。

陽が傾き、仔犬たちが家に戻るまで待ってから、ショーコちゃんに声を掛けました。

ショーコちゃんは、意外な反応でした。
まるで、リンデが来るのを待っていたかのようです。


リンデは、菩提樹の葉で作った髪飾りをプレゼントしました。
ショーコちゃんは、砂浜で焚き火をして御馳走を用意してくれて、可愛い仔犬のショーも披露してくれました。
楽しい宴に時を忘れ、夜も白々と明けるころ。

「ねっ、そろそろお節句だわ。
ナオミさんの可愛い少女に、貝殻で雛人形を作って
プレゼントしましょうよ!ね、リンデさん、いいでしょ?!」


この会話を、腕時計を通して聴いていたレナは、特技の文字絵で「レナ風・雛人形」をデッサンし兄へ送信!
すると、デッサンした紙が、リンデの腕時計の隙間から出てきたのです。


「おぉーー我が妹よ!!」  感動する兄。


そのデッサンをよくよく見ると、なんということでしょう・・・
お雛様はナオミ姫の可愛い子供の顔立ちに似ているし、
三人官女と五人囃子は、リンデ、魔女、ナオミ、レナ、ショーコ、さらには遠い遠い国へ留学中の「鈴音」に似た顔立ちをしていたのです。

「やるなぁ〜レナ!!」 またもや感心しきりの兄。


作り終えた雛人形を大事に抱え、
再び魔物トリオの籠に揺られて
ナオミ姫のところへ旅立とうとしたとき、
テントウ虫がリンデの懐に飛び込みました。





  2007.228 創作 ぷちろーど・あき