| 春のロンバケ |
| 春のロングバケーション! どんなふうに過ごそうかなぁ〜! そうだ、たまには趣向を変えて、貸別荘を借りちゃおう! 思い立ったら早いもので、身の回りの着替えと少々のお金を持って電車に飛び乗った。 貸別荘は意外と混んでいて、お気に入りの小奇麗な別荘は先客で借りられず、仕方がないので、山のてっぺんの買い物は不便だけれど見晴らしの良い貸別荘を借りることにした。 空は蒼く、眼下には大海原が雄大に広がっている。 ウッドデッキに出て、手すりに表示されている地図を見ながら、備え付けの双眼鏡で海の航路を行き交う大小の船を見ていた。 『あれっ・・? 地図にない島が見えるぞ?』 双眼鏡を拡大して見ると、れっきとした島のようである。 『無人島かな? 地図には載っていない島を見つけてしまった? もしかしら、発見者の名前が付くかもしれない? 一躍、時の人?』 そんな妄想が次々に浮かび、わくわくドキドキしながら双眼鏡を覗き続けた。 島は、緑の濃淡が美しい山がぽっこり突き出ていて、白や赤のハナミズキ、コデマリや芝桜などの花々が競演しているようだった。 |
『何か動いている!』 よくよく見れば、小さな島の小さな山から、にっきょり姿を現しているのは、どうにもこうにも、大きな耳を持つウサギと、長い鼻を持つゾウのように見えた 『ウサギ? ゾウ?そんな、嘘だろ・・ゾウと同じ大きさの巨大ウサギなんて存在するはずないよ??』 |
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こうなってしまうと、もう居てもたっても居られない。 双眼鏡では埒が明かない。 いっそのこと、船をチャーターして、あの島に上陸してみようか!! 好奇心とはやっかいなものである。 貸別荘のある山を駆け下り、海岸に居た漁師さんに相談した。 『島? 無人島なんて有ったかな?行ったところで・・・・無駄だと・・・,どうしても行くと言うなら・・、意外と海流がキツイよ・・、手漕ぎ船じゃ日が暮れちまうぞ!』 親切な漁師さんの言葉を笑顔で聞き流して、冒険心の赴くままに小船を借りて漕ぎだした。 |
| 巨大ウサギとゾウが見えた島に辿り着いた頃には、 大空が燃えるような夕暮れに染まり、雲がまるで生き物のように変わりゆく姿を見せてくれた。 そして、とびきりデッカイ太陽が、ずんずんと海面に沈んでいくのを、じっと見ていた。 終わり 2010.5.5 作者 垣根越しの茶の湯&ぷちろーど あき |
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