一通り今年の兄達の独立祝いは、どこか淋しげな余韻を残したまま幕を閉じました。そしてまた、一週間後には姉達の独立祝いがあるのです。
姉達の独立への道は、焼き栗・ペースト・グラッセの中から希望が叶えられることになっていました。この3種の中から特にお酒の強い栗だけが、“グラッセ”になる栄誉を与えられました。
      
その栄誉ある“グラッセ”の称号を貰った姉のプチグラッセが、我慢の限界とばかりにマロンに小言を言い始めました。
「まったく遅れるなんてぇ〜信じらんないわよぉ〜」と、恋する乙女マロンの頬を軽く突付きながら、さらに言い続けます。

「マロン、言っておくけど、私たちは兄さん達のように遠くへ飛ぶことは許されてないの。だから、遠い地面で暮らしてる他の者達と会うことなど夢の夢なの。だ・か・ら、キノコちゃんのことは、いい加減にしておきなさいよね!」
そんな姉の手厳しい忠告が、マロンの心に暗い影を落しました。
「はふぅ〜〜、ほぉぅ〜〜」とマロンのため息虫が泣き止まない午後。
「マロンちゃん、マロンちゃ〜ん、居るの?」と、恋するマッシュ−の優しい声です。
「ねぇ〜マッシュ−聞いてもいぃい? マッシュ−達は独立したら、どうなるの?」
「僕たち?それは風だけが知ってるよ。嵐にならなければ、この土地で一生を安泰に過し、子供を増やせる。でも、そうでなきゃ何処かに流されて生まれかわるだけさ」
なんだか、ちょっぴり淋しくて涙がこぼれそうなマロンです。
|