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マロンは忘れてはいませんでした。 マッシューに会うために、姉のプチグラッセの応援を得て住み慣れた自分の部屋に別れを告げたあの日のことを・・・ 「姉さん、想いが叶うと言われる赤い両足のブーツが揃ったわ・・・今こそ願いを込めて! マッシューに会いたい! どうか姉さん守って! 笑顔のマッシューに会わせて!!」 マロンは赤いブーツをシッカリと胸に抱き、天を仰ぎ一心に願いました。 |
すると直ぐ近くの小屋から1頭の馬の嘶きが聞こえたかと思うと、突然「バリッッ!!」という大きな炸裂音とともに馬が小屋を蹴破ってマロンめがけて走ってくるのです。恐怖に慄きながらも目を凝らして見ると、馬の鬣にしがみ付いているのは、先ほど赤いブーツの片方をくれた赤カブでした。 |
「マロン!願いは分かった!!さぁ〜僕と一緒に来るんだ!!!」と赤カブは険しい表情で叫ぶと、今にも泣き出しそうなマロンの腕を掴み、馬の背に引っ張り挙げました。 馬は猛烈なスピードだったので、冬の冷たい風がマロンの耳や手足を千切るのではないかと思うほどでした。 どのくらい時間が経ったのでしょうか、狂ったように走っていた馬のスピードが少し緩やかになりました。恐怖の余り目を固く閉じていたマロンがそぉーと目を開けたその瞬間、「ドドン!!」と強い衝撃があり、マロンを掴まえていた赤カブの手が緩み、そのショックでマロンは空中高く投げ出され気を失ってしまいました。 |
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ガタガタッ、ゴロゴロッッ・・・何かに揺られ、マロンは意識を取り戻すと、誰かの喋る声が聞こえ、マロンは危険を感じてジッと身動きせずに様子をうかがっていました。 「庭の畑で採れた野菜と拾った栗はこれで全部ね。じゃぁ〜茹でましょう♪今夜はご馳走ね。デザートはマロンシャンティーにしようかな♪」 それは聞き慣れない人間の少女の声でした。 そして少女は「あらぁ〜いくつか可愛い栗が♪ そうだ!あとで妹と栗ころがしゲームをしようっと♪」そう言うと、可愛い小粒の栗ばかりをポケットに詰め始めました。マロンも選ばれて他の栗と一緒に少女のポケットに納められました。 |
2002.1.2(水)作