| 「ひゃぁ〜重いわ!なんて重い蓋なの!」 マロンはか細い腕で蓋を開け、外に出ようと必死でした。 一時は、この箱の中で生涯暮らそうと気弱な考えが浮かんだマロンでしたが、夢の中でマッシューが怒った顔で言うのです。 「マロンちゃん、変わっちゃったね!そんなマロンちゃんなんか、僕キライだ!」 |
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夢の中のマッシューの声に、ハッッと目覚めたマロンの瞳には涙が光っていました。 考え直したマロンは栗仲間に事情を話しました。 みんな協力して梯子になってくれました。そして、マロンを頭上高く持ち上げてくれたのです。 ガタゴトと蓋を必死に持ち上げていると、突然、ガチャッとドアを開ける音がして人間の少女がスタスタッと部屋に入ってきました。 「さぁ〜ポーちゃんとヨーちゃんは、このお部屋で遊んでてね」 そう呟くと子ウサギ達を置いて、また部屋を出て行ってしまいました。 |
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マロンは箱の隙間から覗いていました。 子ウサギたちは、部屋を縦横無尽に跳ね回り、そしてトコトコッと歩いて来たかと思うと、マロンの居る箱に近づき鼻をクンクン押し当て、マロンたちの息づかいに気づいてしまったのです! 「ねぇねぇ、生き物がいるみたいよ!」とヨーちゃんが言うと、ポーちゃんが後ろ足で箱をキックし始めました。 箱はゆらんゆらん揺れて、今にも引っくり返りそう…箱の中のマロンは心臓が飛び出さんばかり!緊張し震える声を振り絞り、叫びました。 「お願い!蹴らないで!潰さないで!!」 そのマロンの声に子ウサギのポー&ヨーちゃんは驚き、今度は器用に長い耳を使って箱の蓋を開けました。 サッーーと眩しい太陽の光が、箱いっぱいに射し込み、新鮮な空気が流れ込みました。 |
| マロンは子ウサギ達に丁寧にお礼を言い、事情を説明しました。 うさぎのポー&ヨーちゃんはマロンに同情しました。 「この狭いウサギ小屋から出してあげるよ。マロンちゃん、僕の耳の中に隠れて♪」 それからポー&ヨーちゃんは、ドタバタ・ドンドンと滅茶苦茶に跳ね回りました。あまりの大騒ぎに驚いた人間の少女が部屋に戻って来て、マロンが耳の中に隠れているとも知らずに、子ウサギ達を抱き上げ「お外で遊びなさいね」と言って、ポー&ヨーちゃんを何処までも続く広大な畑に放しました。 マロンはウサギのポーちゃんに囁きました。 「出来れば牛小屋まで連れて行って欲しいの」と頼みました。 マロンは牛の乳を甘く固めたミルクキャラメルを作りたかったのです。 それは、マッシューに贈るバレンタインチョコならぬ、バレンタインミルクキャラメルなのです♪ この頃、マッシューはリス宅配便に相談し、意を決してマロンの居るであろう隣町のお屋敷宛ての荷物に紛れ込んで、お屋敷に侵入する計画でいました。 「マロンちゃん、待ってて!明日、会えるからね!」 はてさて、マロンとマッシューは本当に会えるのでしょうか… |
2002.1.30UP