![]() |
マロンの心配は的中してしまいました。 マッシューが葡萄のツルでジャンピングしている様子が、夜のムササビ偵察隊に見つかってしまったのです。彼らは大木から大木へ何メートルもの距離を飛来して移動していきます。マッシューの情報はアッという間にキノコのボスの耳に入りました。 |
| 早朝、マッシューはキノコボスに呼ばれ事情を聞かれました。 「マッシュー、いつも模範生のお前が何故夜中に抜け出し、葡萄のツルでジャンピングなど…理由があるなら申すのじゃ。」 「……………………」 マッシューは何も答えられませんでした。その頑ななマッシューの様子に、さすがのボスも業を煮やして語気を強くして言いました。 「理由が言えぬなら、しばらくキノコの里を離れておれっっ!!」 「ま、待ってください。もぉ、決して夜中に行動などいたしません。ですから、キノコの里を離れることだけはお許しください。」 キノコの里を離れてしまったら、もぉ永遠に恋するマロンとは会えなくなってしまうのです。マッシューは必死に頼みました。その様子に、腕を組み顔を歪ませキノコボスは困ってしまいました。 「うぅ〜む、理由も言わずにキノコの里には居たいとな……」 永年生きてきたボスは、若かりし頃の自分を思い出していました。 「うむっ…あれは100年前のことになるか…可愛いドングリ娘がおったなぁ〜〜 ボスは考えあぐねた末に、懇願するマッシューの希望を聞き入れることにしました。 「マッシュー、わしはどのキノコも可愛い。キノコにはキノコの道が、他の者には他の道が決められておる。それがこの世の掟というものじゃ…じゃが何もせずに待つだけのキノコ人生でもいかん!しばしその事を特と考えるのじゃ!10日間の謹慎を言い渡す!イエローカードとしてイチョウの部屋で謹慎しておるがよい!」 |
| こうしてマッシューはキノコの里に止まる事を許されましたが、雨上がりにはギンナンのむせかえる匂いの中、10日間拘束されることになりました。気掛かりなのは恋するマロンに事情を伝えることも出来ないモドカシサと、会えない辛さでした。また、謹慎の10日間のあいだにマロンの歩む道が決まってしまうやもしれず、そうなったら、このまま一生会えない別れとなってしまうのです。 「マロンちゃぁ〜〜ん……」マッシューは心の中で大きく叫びました。 |