マロンは姉のプチグラッセに言いました。

お姉さん、今度のお姉さんたちの独立記念日に、私は弾けます。そしてマッシュ―に会います。

弾けるって…兄さんたちと違って弾ける訓練をしていない私たちが、闇雲に飛んでも良いことはないわよ。ましてや無傷でマッシュ―に会えるかなんて分からないじゃない。止めておきなさい。悪いことは言わないから…ね?マロン?

あのね、いいアイデアがあるのよ。毎日窓から舞い込んでくる枯葉で栗のイガに似せた服を作っているのよ。それを着て飛べば、もし着地に失敗しても枯葉が守ってくれるし、きっと巧くいくわ♪心配しないで。


マロンは一度言い出したら忠告を聞き入れない頑固さがありました。そして衣装ケースから、途中まで仕上がった手縫いの枯葉の服を取り出し、姉のプチグラッセに見せました。
それを見た姉は、「
ここまで決心している妹に、もはや説得の余地はなさそう」と諦め、「それなら思い切って妹を応援してやろう」と気っ風の良い姉のプチグラッセでした。

マロン、よくお聞きなさい。地上には天敵もたくさん居るわ!でも忘れないで…あなたに優しくて、心温かい人も大勢いることを!!一週間後の独立記念日、成功を祈っているわ!!

そう言うと、おもむろに縫い掛けの枯葉の服を手にとり、縫い始めてくれました。マロンは嬉しさのあまり言葉もなく、姉を見詰めました。



瞬く間に一週間が過ぎ、大きな大きな鐘の音が早朝から響き渡っていました。そう!今日は姉たちの独立記念日。今日は一日中、盛大な花火の音や賑やかな音楽が鳴り響くお祭りです。
マロンは自分の部屋の小窓を開け放し、枯葉の服に身をまとい、ヒヨドリの背中に飛び乗るつもりで構えていました。

うぅ〜ん、待ってると中々大きなヒヨドリが来ないわ。巧く飛び乗れるかなぁ〜コワイなぁ〜……。ヤダッ、私ったら弱気になってる!できるわよ! うん、大丈夫!!


そう何度も呟いていると、遠くから3羽のヒヨドリがキーキー戯れながら飛んできました。チャンスです!!

それぇぇっ〜 ジャァーンプッ!!ポコン…コロコロ…うわぁ〜とっとっとぉ〜〜

マロンは運良く3羽のうちの最後に飛んで来たヒヨドリの背中に転がるように飛び乗りましたが、想像以上に3羽のヒヨドリはスピードがあり、上下に動きながら激しく飛ぶのです。
マロンはまるでジェットコースターに乗っているようで目が周りそうでした。それに、ヒヨドリが何処まで飛んで行くのか不安になりました。

あまりマッシュ―から遠くならない地面近くに降りてくれないかしら…」とヒヨドリに気づかれないように、振り落とされないように、羽をギュッと握り願うマロンでした。