小さな物語表紙  T  U  V  W  X  Y  Z  [



Y.酔った魔女
魔女は不意をつかれ、瞬く間に竜巻に巻き込まれて、グルグル回転したまま上へ下への大騒ぎ!

「うぅ〜息が出来ない… く、苦しい… ゴクッ、ゴホッゴホッ…」


10分ほど経った頃、竜巻の嵐も静まり、そっと目を開けて見ると、魔女が倒れて………
いえいえ、魔女はワイン混じりの竜巻に飲まれている間に、口の中にワインが入り、酔っぱらって眠ってしまったのです。


エルちゃんとニジちゃんが凍りついた池にワインを注ぐと、45℃のちょっと熱い温泉になりました。そこに魔女を担いで入れると温泉が突然吹き上がり、魔女は頭からワイン温泉を浴びました。

「ワァチッチッ…」と魔女も思わず叫びました。

         


凍りついた魔女の心も衣類も緩やかに解け始め、暫くすると巾着型の小袋がプッカリ浮かんできたのです。
急いでニジちゃんが拾いました。
頑丈な紐を解くと、中からたくさんのタネが出てきました。
二人の目は輝きました!

「エルちゃん、これよ、このタネに間違いないわ!!」

そう言うと、ニジちゃんとエルちゃんは、そのタネを持って駆け足で山の頂上に登り、タネを空中高くばら撒きました。

                  


爽やかな風に乗って舞い上がったタネは、遠く遠く飛んでいきます。

祈りながらタネの行方を目で追っていると、いつしか厚い雲間から太陽が眩しく射し、見る見るうちに凍てつく空気は暖かくなり、木々は芽吹き、小鳥はさえずり、ミツバチも飛び始めました。



写真、表示されてるかしら?
    



魔女はと言うと…すっかり上機嫌で鼻歌まじり。
魔法を掛けられた白いふくろう達も、すっかり元気になり森の番人を務めています。

エルちゃんとニジちゃんは、微笑みながらスキップして山を降り、リンデさん、レナさん、ジュン君の所へと急ぎました。