精も根も尽き果てたマロンは、大木の根元の窪みでいつしか深い眠りへと誘われてしまいましたが、不意に誰かに揺り動かされました。
眠い目をこすり見上げると、そこには真っ白な大きな袋を抱えた一匹の猫が座っていました。

あぁ〜やっと気がついたね。
あのさぁ〜この白い袋の中、なんだと思う?青いリボンと赤いリボンの小袋がたくさん入ってるんだ。 この小袋を撒いて、夢のある夜を作るのは僕の仕事なんだぁ。なのに、君のいびきで…ムードが台無し!! だから起きてよね。 そうだ!ひとつ秘密を教えてあげるよ! 赤いリボンの小袋の中に一組の真っ赤なブーツが 入っていたら、ひとつだけ願い事が叶うんだ! 片方しか入ってなかったら、もぉ片方を探さなきゃ願いは叶わないんだよ。ねぇ〜聞いてる??


そういうとマロンの返事を聞かないうちに、空へ昇って行き、袋を逆さにして小袋をパラパラと撒き始めました。

わぁ〜〜可愛くて綺麗ぃ〜〜真っ赤なブーツ入り小袋がマロンの手の中に落ちてきますように…

マロンは思わず小さな両手を合わせて空に向かって願いました。
小袋撒き猫ちゃんの仕事を邪魔しないように、マロンは眠い目を必死にこらえていましたが…
いつしか陽は昇り、輝く朝陽が優しくマロンに微笑みました。

ふわぁ〜〜よく眠ったぁ!」と両手を伸ばして伸びをすると、コツンと右手に当たるものがあります。
あらっっっ!赤いリボンの小袋だわ! でもぉ〜真っ赤なブーツが片方だけ? …ッて言うことはぁ〜〜もぉ片方を探さなきゃ願いは叶わないの?えぇ〜、失くさないように、ネックレスにして首から下げていよう…いい事あるかも♪
」と呟きながら、首に掛けようとした時一羽の雛鳥がブーツの先から出ていた糸を咥えたままチョコチョコ歩き出しました。 見る見るうちに解けていくブーツ…全部解けてしまう前に雛鳥を捕まえなきゃと、雛鳥を追いかけるマロンでした。