「遠くまで頑張って来た優しい坊やに、少し早いがX'masプレゼントをあげよう……可愛いソリだろう? このソリに一度だけ使える魔法を掛けておこう。いいかい、一度だけの魔法だよ。坊やが一番欲しい物が分かったら願いを掛けてごらん。いいね。さぁ、分かったらこのソリに乗ってお帰り…。」 サンタから貰ったソリに乗り、揺られながらポン太は考えました。 「一度だけの魔法かぁ…僕の一番欲しい物ねぇ…どんな魔法なんだろう?」 サンタのくれたソリのお陰で迷うことなく無事に帰り着いたポン太は、早速、パン屋を覗きに行きました。 すると…少年が血相を変えて大慌てしています。 「生クリームが足りないよ!!お店のケーキで全部使っちゃった!あぁーーーどうしよう! あんなに楽しみにしているサクラのX'masケーキの生クリームがない…どうしよう…」 パン屋の少年の悲痛な叫びを聞いたポン太は居ても立っても居られません。 どうしたら良いのやら…。 サンタから貰ったソリに乗り、「生クリーム、生クリーム」と唱えながら厚い雪雲の中を行ったり来たりしていました。 すると、甘〜〜い香りがポン太の鼻をくすぐり、振り返るとソリの中いっぱいに真っ白なクリームが山盛りになっていたのです。 「ウッワァーーー、雪雲が生クリームになってるぅ! 本物の生クリームだ〜!!」 その頃、パン屋の少年は連日のX'masケーキ作りに疲れ果て、倒れ込むように暖炉の前で眠っていました。 ポン太は、ソリにたっぷり山盛りの生クリームをのせて、パン屋の煙突めがけて急降下していきました。
「ドスン!!」 その大きな音に驚いて目を覚ました少年は、我が目を疑いました。 あかあかと燃える暖炉の前に、ソリを引く可愛い空色の子象と、山盛りの生クリームがあったからです。 それにも増して驚いたのは、子象が喋ったからです。 「メリークリスマス!! 僕、ポン太! 生クリームを届けに来たよ!」
そして…… |