1980年代前半、ニコンEM向けに「廉価版」「小型軽量」をコンセプトに開発されたシリーズE系列の1本です。ニコンEM向けと言ってもデザイン上の話、他の機種にも問題なく使えます。
連動爪がなくまた改造も出来ないので旧連動方式のボディーで絞り込み測光になりますが、それを除けばAiーS相当品です。旧連動方式のボディーは持っていないのですが、連動爪はレンズ装着の際どっちが上なのか確認するのに使っているので、ないとちょっと不便です。
1980年代の日本光学工業の製品だけに非常に性能が高く、作例E75〜150/3.5(△11の趣味生活日記)に見るようにびっくりするほど良く写ります。強いて言えば色再現が少し軽薄でしょうか。それから当時以前のニッコール直進ズームに共通の悩みですが、ピントリング兼ズームリングが非常にスカスカです。

望遠ズームはニコン Aiニッコール80〜200/4.5、ニコン AiAFEDズームニッコール80〜200/2.8Dと遍歴しましたが、結局これに落ち着きました。ポートレート以外の望遠はこれ1本で済んでしまいしかも小型軽量です。
シリーズEには他に35/2.5、100/2.8、ニコン シリーズE36〜72/3.5、70〜210/4、そして日本では発売されなかった28/2.8、50/1.8、135/2.8があります。このうちシリーズE75〜150/3.5のみAi−Sで類似スペックの製品がなくまた便利なスペックなので、その意味でも積極的に使いたいレンズです。
欲を言えば、△11はレンズ脱着の時レンズの向きを確認するのに連動爪を目印にしているので、光学系はそのままAiズームニッコール75〜150/3.5Sを出して欲しかったですね。「シリーズEのコンセプトは廉価軽量、その設計をAi−Sに持ち込むとAi−Sシリーズの品位を害する」という意見もありましょうが、例えばAi35〜70/3.3〜4.5やニコン Aiズームニッコール28〜50/3.5Sなどのように元々はシリーズE用に設計されたのではと思わされるほど小型軽量&廉価、格としては完全にシリーズEである例もあるわけですから、、、って今さら言ってもしょうがないですが。
中古相場は「ニッコール」銘が入ってないためでしょうが非常に安価、△11は¥9.8kで新同を買っています。また2004年09月に旧型箱付新同を¥3kで旧型を予備として買い足しました。旧型は一部パーツの色が違うくらいでほとんど同じです。
写真を見て訝しく思った人もいるかも知れませんが、△11はフッドにAiマイクロニッコール105/2.8S用のHSー14を装着しています。逆装着で小型になる上に非常に深くて効果も期待できます。シリーズEのコンセプトの1つが「廉価版」であるためかフッド指定はネジ込みのHNー21のみでHSの指定はないのですが、これが短くて効果が期待できない上に結構かさ張ります。せっかく性能は良いのですからHSで小型軽量と高性能を両立させてあげたいところです。
昔、AiEDズームニッコール80〜200/2.8Sという製品がありました。アタッチメントφ95という巨大レンズです。お値段も約400kと巨大でした。それに触発されてなのか偶然なのか直後にトキナーがATX828(80〜200/2.8)を作ってベストセラーとなりました。友人がそのトキナーATX828を持っていて、ファインダーを覗かせてもらったことがあります。当時ニコン Aiズームニッコール80〜200/4.5を使っていた△11から見るととても明るく魅力的でしたが、△11はすでに純正主義に傾いていたので、このクラスとは一生縁がなかろうと思ったものでした。
ミノルタαー7000に始まる本格AF化とともに各メーカーが同等スペックのレンズを¥200kほどでラインナップするようになり、このスペックが一般化しました。ニコンはこのスペックを先導しながらオートフォーカス時代には出遅れた感があり、シリーズEの焼き直しと思われるAiAFズームニッコール70〜210/4Sでお茶を濁していましたが、後にAiAFEDズームニッコール80〜200/2.8Sが発売された時はそれはそれは衝撃的でした。価格は想定していた1/3でミノルタやキャノンといった競合メーカー品より安価、従前の操作に慣れた人を重視した直進式ズーム。アタッチメントφ77に関しては、もっと昔からの日本光学ファンは「もうひと頑張りしてφ72で作れよ、、、」と思っているかもしれませんが、マミヤ RB67プロフェッショナルSを並行して運用していた△11としてはφ77はドンピシャの理想どおりでまさに信じられない思いでした。
その後レンズ前端が回転しないAiAFED80〜200/2.8Dに改良され、それが中古で出た時に購入しました。
実際手にしてみると、フッドこそバヨネットで逆装着できるものの焼け石に水、重くて大きくて持ち歩けません。
正確に言えばもちろん物理的には持ち歩けますが、例えばそもそもニコン Aiズームニッコール80〜200/4.5すらフッド装着状態では縦入れ出来ず困っていたビリンガム S335の中で場所を取りすぎて収納システムをめちゃめちゃにしてしまい、これを入れるなら入れ方を1から考えなければなりません。また△11の撮影は一日中歩き続けるような状況が多いので、明るい大きい重いズームレンズ1本持つより色々な焦点距離のレンズを持ちたかったのです。結局例えば舞台写真とか、このレンズに向いた目的が決まっている場合にしか使わなくなってしまいました。
その後ニコン レンズシリーズE75〜150/3.5(New)購入で「明るい望遠ズームを持ち歩きたい」という思いも叶いました。
しかし、AiEDズームニッコール80〜200/2.8Sの時代からカタログを見て来た者の1人として、このスペックの先駆者ニコンがこのレンズをAFの時代になって直進式ズームで作ってくれたことを覚えておきたいと思います。
従来連動式のカメラを一台も持っていないくせに、東京在住時「聖地」大森サービスステーションまで行って爪付け改造をしてきましたですよ(^o^)
描写も無論問題ありません。作例はAiAFED80〜200/2.8D(△11の趣味生活日記)。

次のモデルAiAFEDズームニッコール80〜200/2.8D(New)からは個人的には残念ながら回転式ズームになっています。ただAiAFEDズームニッコール80〜2002.8Dまで存在しなかった三脚座は魅力的ですね。
Aiズームニッコール80〜200/4Sはアタッチメント径がφ62なので、アタッチメント径をφ52に揃えるべくわざわざ旧型であったこれを探して買ったものです。光学系は旧連動時代からのロングセラーで、まぁまぁ優秀な描写をします。
しかしニコン レンズシリーズE75〜150/3.5(New)と比較すると色再現が陰気な印象があります。また純正指定のHNー7装着時、長過ぎてビリンガム S335に縦入れできません。広角端と望遠端とでピント位置が微妙に違い、ピントを合わせてからズームすると少しピントがずれてしまいます。それから当時のニッコール直進ズームに共通の悩みですが、ピントリング兼ズームリングがスカスカです。
作例はAi80〜200/4.5(△11の趣味生活日記)を御覧下さい。

欠点ばかり挙がってしまいましたが、高校時代にわずかな小遣いを溜めて中古で買った最初のニッコール、そして気に入った写真をたくさん撮影して来たレンズでもあり、大切に手許に置いておきたいと思っています。