アーティザンカシャーサとは何か 

カシャーサとは?

カシャーサとはブラジルで産出されたサトウキビの蒸留酒の呼称であり、摂氏20度の環境下で製品量に対し38度から54度のアルコール度数をもつサトウキビ(汁)を醗酵させた蒸留酒 "である。ブラジルの地酒であるカシャーサは うまい.安い.すぐ酔える という酒の3大長所をもって語られ、生産量は15億リットル《2004年》、消費量は実に世界で2番目にランクされている。ほとんどが国内消費であり、輸出は全生産量の1.5%《2004》にしか満たない。
ブラジルに初めてサトウキビの苗が持ち込まれたのは1532年、ポルトガルの探検隊隊長Martim Affonso de Souzaにより、サンヴィセンチ(サンパウロ州サントス港近辺)に最初のサトウキビプランテーションが始められた。カシャーサは交易用砂糖造りの副産物であり、工場で働かされる奴隷によって実に偶然に生まれ、見つけられた。ある砂糖工場で奴隷がサトウキビの絞り汁を煮ている間に上ってくる泡が、見た目に汚らしいのですくい上げ、木製の桶に一昼夜うちすてておいたが、翌朝には液体になった。家畜たちが見つけたその液体は、醗酵したサトウキビ汁でアルコール分を含んでいたため奴隷たちはそれを飲むと機嫌がよくなり、食事もそれほど欲しがらなくなったという。監視役にとっても、過酷な生活環境に耐える黒人奴隷にとっても、この酒はなくてはならないものとなった。しかしこれが現在のカシャーサと同一品であるかどうかは不明である。


ピンガとの違いは?

ピンガもカシャーサも同義語だ。近年カシャーサと呼ぶことでメージチェンジを計ろうという動きがあるが、もともとは田舎の家内蒸留でつくられた酒はみな一様にピンガと呼ばれた。
 現在ではその中でもブランド的カシャーサ、定められた製法により各州の機関をパスしたカシャーサを区別してピンガと呼ばないでと言う。実にカシャーサの呼称は500にも上る。ピンガもそのうちのひとつであり、すべての呼称にストーリがあるのが面白い。(*カシャーサはカシャッサと呼ぶのが正しいという説もある)

 

 

 

アーティザンカシャーサの定義

さてカシャーサというと、大きく分けて2種あり、工場によって工業的に作られる酒と家内蒸留所でハンドメイドされる酒とである。後者をアーティザンカシャーサと私たちは定義している。
このアーティザンカシャーサを作る家内蒸留所は実にブラジル国中に40000件あるとも言われているが、その最も多い地域がブラジル内陸部にあるミナスジェライス州(以後MG州)《8000件》であり、近年、州をあげて生産力をのばし品質改善に力をいれている。というのも雨後のたけのこのように増えた家内蒸留所はこれまでどこも管轄/統制されたことがなく、したがって酒の品質も種々雑多であった。現在でさえ州内でレジスターされている蒸留所は1000余と聞いている。国がカシャーサを有力な輸出商品のひとつに育てようという動きの陰でMG州は土地に根付いたアーティザンカシャーサを州独自で主要な輸出産品に育てようとしている。そのため、蒸留所、製法などに厳しい基準を設けて州法として定め、数々の機関によって統制させている。そのひとつの例だが、国は、カシャーサをサトウキビ(汁)単独の蒸留あるいはさとうきび(汁)を醗酵させた蒸留酒でその製品の1Lに対し、6gまで加糖したものもふくめる"としているが、州ではア-ティザンカシャ-サを区別して"現行の法律ではカシャ-サを劣勢製品として述べたようで正当な定義つけをしていないが、ミナスジェライス州のア-ティザンカシャ-サは原料として砂糖をその製造工程に用いたり、また加糖して甘味をつけたものでは決してない"と反論している。
MG州の動きを真似て各州も同様の対策にのりだした。このようにアーティザンカシャーサのムーブメントは緒についたばかりである。

禁無断転載(著作権はRITUKOMORITOが所有)

TOPへ戻る