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この世界には、もはや神々はいない。光の大神クウィルも、闇の主神ゲンラルも。
人々は、喜び、悲しみ、怒り、祝い......そして、呪うときに神の御名を唱えるが、それを聞き届けるものは、すでに存在しなかった。かれらは遠い昔に、この天地から去っていった。ただ、あまたの伝説と、光と闇の戦いだけを残して。
天秤は、光に闇に、かしぐかに見えても微妙な均衡をたもちつづける。そうして、時がその果てにたどりつき、双方が力尽きるまで、人も、魔も、互いと世界の生命力をけずりつつ、ひたすらに闘いつづける。それがここ、神に見捨てられた世界ヴァンゴル。
だが、伝説はわずかに灯る希望の光を告げる。世界が破滅に瀕したとき再臨するという〈光の使徒〉と、その祝福をうけた〈彗星の子ら〉の誕生を――。
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