〜勝手にパターン分けしてみた〜
星新一の数多くのショートショート作品を
そのパターンによって分類してみました。
まず、オチの有無によって作品を大きく二つに分けることにします。
さすがにショートショートの三原則を踏まえているだけに、
オチの有るものが圧倒的に多く、
オチ無し作品は10作中1作あるかないか、という程度。
しかし、全てがオチの有る作品であるわけではないということは、
注意すべき点でしょう。
<オチ有り作品>
オチ有り作品の方を、その結末によって5つのパターンに
分けることにします。
●オチ有りパターンその1「アンハッピーエンド」●
このパターンは全作品中群を抜いて多い。
約半数がこれに属します。これをさらに細かく4つに分類しましょう。
その一つは『ボッコちゃん』や『鏡』に代表される
はっきりした結果としてのアンハッピー作品です。
二つめは『おーいでてこーい』に代表される
未来に対する恐怖や不安を暗示したもので、
読み手の想像にオチをまかせるものです。
三つめは『不眠症』や『なぞの青年』に代表される
意外な事実や種明かしを示したもので、
明かされた結果がアンハッピーであるというものです。
四つめは『生活維持省』に代表される、
やり切れない結末のもので読み手にとって
読後の後味の悪いものです。
●オチ有りパターンその2「ハッピーエンド」●
ハッピーエンドになる作品は、かなり少なく、
存在する割合はオチ無し作品と同程度になります。
こちらもさらに三つに分類します。
一つめは、『デラックスな金庫』に代表される
意外な事実や種明かしを示したもので、
ハッピーエンド作品のなかでは、これが最も多いパターンです。
二つめは、『ねらわれた星』にみられる
勘違いによるものですが、このパターンはほとんどみあたりません。
三つめは『愛の鍵』に代表される
ロマンチックなストーリー展開のものです。
●オチ有りパターンその3「皮肉や寓話的なもの」●
これは『おみやげ』や『雄大な計画』などが例として挙げられますが、
結果的にはアンハッピーであるので、
アンハッピーの分類に入れてしまってもかまわないでしょう。
ただ、アンハッピー的な要素よりも皮肉や寓話的要素の方が
強く表れている作品なので、ここでは分けて考えました。
●オチ有りパターンその4「意外な事実や種明かし」●
『白い記憶』や『親善キッス』のような結末のものです。
これに属する作品は、本来のショートショートに近く、
オチに重点が置かれており、エンターテインメント性が強いといえます。
●オチ有りパターンその5「その他・複合型」●
これは上記の四つのどれにも属さないか、
幾つかのパターンが複合しているものです。
『程度の問題』のように、アンハッピーではありますが、
その色合いが濃くなく、皮肉性もあるけど、
それもあまり表れていないような作品をここに属するものとします。
<オチ無し作品>
オチ無し作品の方はその結末によって
四つに分けることにします。
●オチ無しパターンその1「アンハッピーエンド」●
これをさらに二つに分けます。
『月の光』のようにロマンチックなストーリー展開のものと、
『冬の蝶』のように恐怖や不安を暗示するものがあります。
●オチ無しパターンその2「皮肉的」●
『肩の上の秘書』や『マネー・エイジ』のように
ストーリー自体に皮肉性が強く表れているもので、
オチはありませんが、作品のインパクトはかなりあるといえます。
オチ無し作品の中では、このパターンが多く見られます。
●オチ無しパターンその3「神話的・伝説的」●
『旅の人』に代表されるものです。
星作品の後期に多く見られるパターンです。
このパターンでは、社会風刺性よりも哲学的な思考に近いものが
用いられているため、ショートショート作品の中では
かなり異質な存在であるといえるでしょう。
●オチ無しパターンその4「その他・複合型」●
今まであげた三つのどれにも属さないか、
幾つかのパターンが複合しているものです。
皮肉性もあるけど結末がハッピーに近い
『ねむりウサギ』のような作品をこのパターンに入れることにします。