〜日本のショートショート作品は?〜
日本のショートショートはどんな特徴があるのでしょう?
阿刀田高と筒井康隆の作品を例にとってみます。
阿刀田高はブラック・ユーモアの作家であり、筒井康隆はSF作家です。
彼らの属するジャンルに他の呼び方も考えられますが、
あえてここではごく一般的な呼び方を使用することにしました。
この二人の作品の特徴は、オチの持つ重みが小さく、
読み手の頭の中にオチを作っているというところです。
それだけに、読み手の心理操作のためのストーリー構成に重点がおかれ、
文章として表面に出て来ない水面下での動きに作品の中心が据えられています。
また、描かれ方は客観的で、一切の感情が取り払われています。
内容の異常さと文章の無感動さとの差異が、
読み手の不安をあおるのに一層の効果をあげているのです。
読み手を驚かせるというよりも読後に味を持たせるというのが、
日本のショートショートに多く見られる特徴になっています。
この味というのは、言い換えると問題を投げかけることによって、
読み手に何かを感じ取らせようとする作者の意図でもあります。
これは、オチの象徴するエンターテインメント性よりも本質追究のほうに
重点が置かれているということを表しているのです。
エンターテインメント性と本質追究を同時に存在させているのが、
日本のショートショートだといえるでしょう。