〜ロバート・シェクリー〜
ロバート・シェクリーの第三短編集
『地球巡礼』(Pilgrimage to Earth)の作品をみてみましょう。
ここに集められた作品は1955年前後のものになります。
彼の作品に見られる特徴は、ストーリー構成に
重点が置かれているというところです。
例えば、短編集の中の『地球人の善と悪』を読んでみると、
それがよく分かります。登場人物には個性がなく、
ストーリーにも人間間のどろどろしたものは全く描かれていません。
また、オチの持つ意味も、O・ヘンリーやサキの作品とは違っています。
読み手を驚かせるどんでん返しのオチではなく、
ストーリーの解説または教訓に近いもので、
作者が作品から読み取らせたいものを強調させるための
オチになっています。このため、ストーリーにおけるオチの役割は、
それほど大きなものではなく、むしろストーリーそれ自体が
小説の中心となっているのです。
オチや登場人物には特別な注意を払わず、
構成に重きを置いているのが、シェクリーの作品なのです。