私にとってのきもの



    私にとってきものはファッションのひとつです。
    ですから普通のお出かけに着るのがほとんどなので、出番が多いのはカジュアルなものです。
    いわゆる「上等なきもの」なんて(洋服の場合と同じように)そうそう着る機会がありません。

    豪華なフォーマルドレスで生活はできませんよね?
    街へ行くぐらいでは着ませんよね?

    元々日本人はすべての生活をきものでしていたのだから、ちゃんと用途に合ったものがあるのです。
    なのに呉服屋に置いてあるのはフォーマルや高価で上等過ぎるものばかり。
    いくら「普段着」と銘打った紬が置いてあっても6桁じゃそうそう買えないし、第一もったいなくてとても気軽には
    着られません。

    もちろん、手をかけたものが高価なのは当然です。要は手織りや手染めや手描きだったりするシルクをたっぷり
    使ったオーダーメイドのドレスなんですから。
    私だってそういうものも好きです。その値段を払っても欲しい!と思える程に惚れ込むものに出会った時は何とか
    工面して買って来ました。

    ただ、いいものはちょっと持っていれば十分で沢山はいりません。数欲しいのは手頃で洒落た街着や普段着です。
    洋服ならフォーマルショップより断然カジュアルショップが多いのに、どうしてきものはそうじゃないんでしょう。
    呉服屋が高級品を置くところなら、普段着のきもの屋が別にもっと増えて欲しいと思います。

    呉服業界も「手間のかかった高く売れるいいもの」だけで無く「手間が少ない分割合安く作れるいいもの」をもっと
    世に出してくれたらと思います。(ミョーな柄にするくらいならいっそ縞や格子にするとか。)
    とは言えただ安ければいいワケではないんです。特にポリの場合、いくら値段が安くてもあまりに安っぽいものは
    私は欲しくありません。 ポリこそ品質のいいものが欲しいです。それでもスゴイ値段にはなりませんしね?

    こういうニーズは結構多いようなのにわかっていない呉服業界。がんばれこのままじゃ廃れるぞ!
    浴衣に続くような、気軽でおしゃれなきものをどんどん作らなくちゃ。



    ●発端

    恒例のお正月スタイル
      私は中学生の頃から毎年夏には浴衣、正月にはウールのきものを着せてもらって
      いたのが元できものにハマりました。

      正月はいつもうちに親類が集まるので、私はお年始の客では無くホスト側でした。
      なのでウールのきものでお運びをしていましたし、それしかきものを持っていな
      かったので初詣も同じものです。
      成人式は出なかったので振袖は作ってもらわなかったし、実家で晴れ着を着たのは
      小さな子供の時だけです。

      そのせいか私にとっては今も、「きもの=フォーマル」ではありません。

      ←私のお正月のスタイルはいつもこんな路線です。
       (ウールのきもの、半巾帯、たびっくす、タスキ&白エプロン)



    ●着付け

      母に着せてもらっているうちになんとなく着られるようになったので、後は着付け本を見て確かめ、それで着て
      歩いてました。その後コツを覚えにちょっとだけ着付け教室に行き、必要なだけ覚えたところで予定通り辞め
      ました。着付け師を目指すので無ければ看板を取るまでいる必要は無く、「着られるようになるまでだけ」の
      短期型の教室で十分です。(教室は本だけでは心配なら行けばいい程度のものだと思います。)

      着付け方もいろいろですが、私は衿を鈍角に合わせて後ろをかなり抜き、半衿と帯揚げは多めに出し、帯は半巾
      で片結びor昼夜で引き抜きが好き。お太鼓の場合は下にボリュームを持たせた昔っぽい結び方にします。
      ちなみにきものの時は絶対にノーパンがオススメ!!!(→ きものの時の下着)

      いちばんのお手本は自分が素敵だと思うきもの姿の人。観察して自分なりに取り入れましょう。



    ●着る機会

      「きものを着る機会が無い」なんて言ってる人、結構いるけどすごくフシギです。
      そんなのその人にとって出番が多いものを持っていないだけでしかないのに、「きもの」とひとくくりにされ
      てはたまらない。それは「黒留袖は着る機会が無い」とか具体的に言わないとおかしいのです。
      (あまり着ない洋服があったからって「洋服を着る機会が無い」なんて言わないでしょう?)
      着たいなら用途に合ったものを買う。それがいちばんです。

      私は自宅仕事なので家にいる事が多いのですが、狭くてノブだの何だのあちこちひっかかるので今のところ家で
      までは着ていません。着て行くのは主に遊びに行く時か仕事の打ち合わせ。 私にとってきものを着る事は
      「お出かけ!」って気分になれる、気分転換なのかも…。

      私のきもののカジュアル化に更に拍車がかかったのは、1999年春に会津木綿を手に入れてからです。
      会津木綿は洋服で言えばジーンズのような存在で、気軽に着られ且つお洒落な気分も十分味わえるので出番が
      多くとても重宝。何より洗えるのがポイントですが、ポリには無い天然繊維ならではの味があります。
      いつもの生活の中で洋服と同じようにきものを着たい人にはいちばんに木綿がオススメ。洋服の素材も木綿が
      断然多いですものね?



    ●素材

      私が特に愛用しているのは木綿や麻やウール等の自分で洗えるきものと銘仙です。
      ですが木綿は手頃で素敵なものがあっても手に入りにくい状態。今手に入れるにはデパートの物産展か浅草か
      銀座かネットショップでしょうか。(→ 洗えるきものの扱い店)
      きもの用反物に頼らず洋服生地で誂えるのも手です。

      洗えるきものだったら帯さえ厚手のハンカチや雨コート等でガードしておけば宴会だろうが焼肉屋だろうが
      雨だろうが雪だろうが全然平気、ホントに気軽です。
      紬類もモノによっては自分で洗える仕様にできるらしいので、いつか洗い張りして仕立て直しする際にはその
      分野の権威(一衣舎)に相談する予定。実現すれば高価でビビっていたものも着やすくなるでしょう。

      そして最後に、私がいちばん愛するキッチュでカワイイお出かけ着の銘仙。
      銘仙は昨今ほとんど製作されていませんでしたが、ぼちぼちと復刻され始め今後が楽しみになって来ました。
      普通の紬とは違う独特のセンスを再現し、いずれまた普通に出回るようになって欲しいものです。

      素材とはちょっと外れますが、ガード加工(パールトーン・スコッチガード他)に関してはこちらをどうぞ。



    ●柄

      「無難」や「上品」は自分のキャラじゃないから興味ありません。好きな動物や模様等のトレードマーク的な
      柄、特に帯は帯幅いっぱいのでかくてインパクトある柄が好き。
      後はそれに合わせるためのシンプルなもの。 きものなら縞やギンガムチェック、帯なら半巾の博多。
      半巾帯は結びが華やかで好き。普段着用はもちろん、訪問着に合わせる豪華なものだってあります。
      (→ 半巾好きVSでかい柄好きの葛藤)



    ●小物

      根付や帯留が好きで、特に根付はほとんどいつも(女物は小さ過ぎるので)男物を懐中時計に着けて提げて
      います。 そして(年中着けっぱなしの)小さなピアスと、きものに負けないインパクトある幅広の指輪。
      カジュアルなきものならこういうのが合うんじゃないかと。

      その他、印傳やユーカラ織りの小物等もオススメです。



    ●半衿・足袋

      市販の半衿や足袋は白がほとんど。それじゃ平凡なので(特に白が合う時以外は)柄入りや色物にしたいのが
      ヲトメゴコロ。みんなと同じじゃつまらない。
      半衿はサイズが足りてきものに合えばどんな生地でも構わないので、洋服地や古着のはぎれも使えます。

      自分で染めた足袋の他、カジュアルきものの時は足袋型ソックスも愛用しています。
      呉服屋やおばあちゃん用洋品店にある本家本元の「たびっくす」は作りも長さもいいけどジミな色ばかりなので
      不満でしたが、最近は靴下専門店にイイ色の無地やキッチュでカワイイ和風柄の足袋ソックスがある事も♪
      スニーカーソックス系で丈が短いものが多いけれど、長めのが断然オススメなのでこまめに探してみて下さい。



    ●履物

      私はカジュアルなきものが好きなので、履物はどちらかと言えば草履より下駄が好き。夏以外も足袋を履いて
      塗りか白木の下駄の場合が多いです。ただ焼き杉の下駄は見た目が好きだけど足袋が汚れるので、洗えば落ちる
      裸足の時だけにしています。夏はずっと派手なペディキュアをしっ放しですが、カジュアルなら全然問題無し。

      草履はミョーにフォーマルっぽいイメージのものは興味無いのですが、はぎれや洋服地で作ったものや昔ながら
      の履物屋にあるような普段履きにはぐっと来るカワイイものも。



    ●バッグ

      バッグはいわゆる「和装バッグ」がタイプじゃないので木綿やナイロンのトートバッグを持つ事が多いです。
      巾着はカワイイから好きですが、量が入らないので結局別にトートを持ってしまいます。
      風呂敷も愛用中。中でも木綿で薄手の大きめなのがいいのですが、残念ながら現在はあまり見かけないので
      母にもらった古いものを大事に使っています。
      良くある厚手でゴツイのは結び目も大きくなるし重いし、キライ。



    ●メイク

      私は洋服の時とまず同じです。要は全体のバランスとコーディネートのモンダイ。(→ きものに合うメイク)



    ●割烹着・前掛

      私にとっての割烹着の理想は膝下丈(110〜120cmくらい)でフリル無しで自然な白。
      衿は四角開きでもV開きでもU開きでも何でもいいけれど、レースがついていないもの。

      残念ながらデパート等で市販されているのは条件に満たないものばかり。
      身丈が短いものは座った時に膝が汚れるし、安っぽいレースやフリルは無い方がずっとマシ。なのにどうして
      メーカーはそれがわからないんだろう??(…と、こんな事まで → 割烹着改造報告)

      その後見つけた、ほぼ希望通りの希少な割烹着はこちら。↓

    店名 商品名 商品情報 備考
    きものやさん 着物の割烹着 白 ・身丈120cm
    ・レースもフリルも無しで四角衿
    ・ポリ65%・綿35%混紡、蛍光白
    ・\3900
    ・水色・黄色・ピンクもあり
    ニッセン
    (和装カタログ)
    きもの用割烹着Y ・身丈120cm
    ・レースもフリルも無しで四角衿
    ・ポリ65%・綿35%混紡、蛍光白
    ・\3980
    ・和装カタログは要取り寄せ
    ・黒・格子もあり
    → 画像

      前掛の場合も膝下が実用的。普段家ではまずきものは着ないのですが、出先で前掛を使う場合に愛用して
      いるのは会津木綿の長前掛です。(恒例のお正月時の短いエプロンは実用よりファッション優先。)



    ●各きもの雑誌の感想

    雑誌名 感想
    KIMONO道 ワクワクできる、ファッションとしてのきもの。
    写真のコーディネートはショー的でそのまま実践するのは難しいものもあるが、ポイントで
    取り入れれば街でもOK。手作り小物のアイデア等非常に参考になるページも。
    ※現在は「KIMONO姫」に改名。
    きものサロン おハイソ系ではあるが、特集が濃く楽しめる部分も多い。
    きものの基本を知りたければムックの「保存版きものに強くなるシリーズ」がオススメ。
    美しいキモノ 完全におハイソ系。八掛特集や襦袢特集等参考になる時もありたまには買うが、欲しいと
    思うような商品はほとんど載っていない。
    世間の「現代のきもののイメージ」が凝り固まっているような雑誌。
    季刊ki-mono 呉服業界誌。業界の今を覗けて興味深い。


    最後に。
    「きものは年配の人もの」ではありません。

    おしゃれな若いコが洋服感覚で自由に着るきものもカワイイし、年齢を重ねればまた似合うものが出て来るし。
    きものにもいろんな路線があり、ひとくくりにはできません。
    何が好きか、何が似合うかは人それぞれ。自分なりに楽しみましょう。



    ★TOP   ★ぷりこれINDEX   ★洗えるきもの