| ●境界なきチーム医療を目指して近代医学と伝承医学の統合を |
| 中村 | 第4回量子医学研究会に向けて、大会長の高澤博幸先生と次回の大会長 東藤大輔先生にお話を伺う機会を持つことが出来ました。両先生宜しくお願い致します。 まず、高澤先生に「境界なきチーム医療を目指して」というテーマを掲げた抱負、テーマに込められた意義や研究会の構想についてお話頂けますか? |
| 高澤 | 一言で言うと近代医学と伝承医学の統合でしょうか。近代医学では、齲蝕(虫歯)の原因が細菌である、としています。患者さんは何か訴えがあって、治療家を尋ねて来ますが、症状が出たのは結果であって、多因子・多要素によって結果が生じたとすると、齲蝕(虫歯)一つを例にとっても、原因が歯科だけにあるとは限らないわけです。患者さんはそれに気付いてきていて、来院率が低くなってきています。患者さんの意識が変わってきたと感じます。 そこで、一人の人を診るのであれば、専門分野の境界を外した診査・診断を目指す必要性があるのではないかと考えたのです。そうしないと、ちゃんと患者さんと人として向き合えないのではないかと。ただし、最大公約数的なもの、例えば量子医学的なものがないと"私が治した!"的な自己主張の場になってしまうので注意が必要でしょう。第4回の日本量子医学研究会のテーマとして「境界なきチーム医療を目指して」を幹事会で提案しましたが、全く違和感を感じなかったです。 |
| 中村 | そういう考えに皆共感したし、とても良いテーマだと思います。患者さんが近代医学を施行する病院に行かなくなったのは事実で、その引き金になったのは医療費高騰による保険制度改定が挙げられますが、その根底には病院に行っても治らないじゃないかというのが一番の理由でしょう。お金だけ掛かって、例えば一つの症状が治っても、また別の症状が出ると違う科へ行って、日を違えたり、検査のためだけに行ったりとか、非常に患者負担が大きい。トータルで、親身になって、一人の患者さんを診ることが出来たら、良い医療が出来るんじゃないかと思います。 |
| 高澤 | 近代的な医療では、一人の専門医が現代の疾病を持った方々を、健康に導くサポートをするのが難しくなってきています。國衛先生がよくおっしゃるのですが「近代医療で治療しづらい病気を近代医療の医者に診せるな!伝承医療の療術家に不得意なものを伝承医療の療術家に診せるな!」という言葉を思い出します。患者さんは、もっと楽に、近道して治っていいんじゃないかと思うんです。一人の医師が患者さんの病気に対する責任を全て背負って立つのも重いし難しいんじゃないか。現代の疾病は、案外根が深いように思うのです。 第4回研究会の構想ですが、いろんな分野の方が集まって「健康とは、治療とは」を哲学的な原点から話し合っていくことになると思うんですね。同じ科の方々が集まって、例えば東洋医学のことを話し合う会は多いですけど、異業種の方々が集まる会というのは過去にあまりないので、私自身もワクワクしています。まだ量子医学研究会も始まったばかりですから、皆が討議できるようにしたいですね。例えば、演者の講演内容についてでもいいし、今までにやってきたことや今自分が感じていることを盛り込んで審議を超えたところでの進歩的な話し合いをしたいですね。 |
| 中村 | 是非、そのような会になるように盛り上げていきましょう!これはすごく意味のあることです。なかなかそういう研究会はないし、本当にバラエティーに富んだメンバーなので、皆さん一人一人がどう感じたかを発表してほしいです。 |
| 東藤 | もうすこし詳しく"境界なきチーム医療を目指して"のコンセプトを語っていただきたいのですが。 |
| 高澤 | そうですね、たとえば一般的な歯科治療は、部分の修復と炎症の鎮静が主な仕事になっています。でも、もっと全身的に捉えた口腔の機能回復が出来るんじゃないかなと思うんです。そうすれば、もっと、皆が歯科治療を受けたら、健康になるはずだなって感じたわけです。 歯に問題が出たら歯科医院に行くように、ある部分に症状が出たら多くの人は専門医の所に行くわけです。でも症状が出たのは結果であって、多くの要因は身心的に他の分野から来ている場合も多いと思われます。いろいろなことが重なって症状として出ているというのが多いように感じます。そうすると、ひょっとして、歯が痛いけれども、問題のない歯が痛いのかもしれないじゃないですか。もしかすると行った科で治療を受けない方が、その人がより健康な状態に戻っていくのが早い場合もあるかもしれない。その時、専門家は他に誰を紹介した方がより適切かということを考え付くかというと現状では少ないんですね。何故かというと、学会自体が専門性を帯びた人達の集まりであって、他科のことに踏み入らないし、他科の人も来ない。同業者の大会で終わっているし、それで十分だと感じているからだと思うのです。私としては、全身的、身心的に歯科の問題を捉えるためにも、他分野の方々にも口腔領域と言うものを認識してもらいたいですね。一人の患者さんが、歯が痛いと来院した場合に、もっと色々な面からその症状を認めていきたいと思っています。 |
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