1998年10月6日 函館〜長万部〜小樽〜札幌


朝、函館駅を出て、特急北斗3号に乗ります。

わりと混んでいて、窓側の座席でなかったのが、しばらくしてかなり後悔しました。

大沼公園の湖のすぐそばを走るんですね。北海道の車窓の風景は、本州とは全く違うでしょう。

 

で、長万部でさっそく降りてしまいます。

長万部から、特急は室蘭線に入って一路札幌を目指しますが、

僕は、ニセコ・倶知安経由の、正真正銘の函館線で、小樽を目指します。

 

だいぶ時間があったので、駅前の蕎麦屋でそばを食べました。なかなかの名物だそうです。

で、駅に戻るのですが、駅の案内が不親切で、この駅から3方向に列車が出ているのに、

電光掲示板は2つだけ。室蘭線回りと函館線回りの北行きが、同じところに並んでいる。

これでは分かりにくい。もう少しどうにかならないものか。

さて、ニセコ・倶知安廻りの小樽行き普通列車に乗って、出発です。

 

しばらく行くと、もう本州とは違った風景が流れていきます。目名駅を過ぎると、

北海道の秋ってこういうものかなあと思わせるような人気のない森の中を、軽快に進んでいきます。

 

時折り、あれがニセコアンヌプリかなと思われる山が、はじめ右手前方から、左手へ見え、

森の途切れたときには、右手に羊蹄山がその威風堂々たる・・・・・・とまで書きたかったのですが、

さすがに、天候が最良ではなかったので、羊蹄山の方は、見ることが出来た、とそのレベルでした。

ニセコ付近から、所々にスキー場やその施設の建造物が見えてきて、人里になったことを思わせます。

倶知安駅停車。ここでは、長時間停車するので、ホームに降りて、

パチンコ屋の黄色い建物の向こうに見える羊蹄山を眺めましたが、さすがに駅のホームからでは

障害物が多すぎます。と、ホームに駅そば発見。ホームの駅そばに期待していなかっただけに、

さっき長万部で食ったのも忘れて、スタンドに行きました。

極寒の北海道では、駅そばはホームにはないと聞いたことがあったのですが、

ここは吹きっさらしが気持ちいい、本州と同様のスタンドで、味は濃く美味いものでした。

 

満足して車内に戻り、列車は小樽へ向けて出発します。

隣に座った、初老の感じのいい夫婦が話し掛けてくれました。

聞けば、愛知県に在住の方で、時々こうして、日本全国の鉄道で旅をされるということ。

僕のことを、長万部から函館線に乗るのは、鉄道旅行を愛するものに違いないと睨んで、話し掛けたとのこと。

もう定年退職されたのか、はたまた優雅に休暇を過ごされているのかは分からなかったのですが、

男性の方の道楽から、奥さんも一緒に付いてくるようになったようです。旅慣れた様子でした。

お二人で、宮脇俊三の著作の鉄道紀行を愛読して、時刻表と首っ丈で旅行されているようです。

て、また、奥さんも詳しいの何の。「何々線はもう乗ったの?」とか、あちこちのローカル線談義

「あの線はねえ、・・・・」と、旦那さん顔負けの経験を語ってくれました。僕より乗ってる。年の功だ。

今回のルートはびっしりと紙に書いてあり、細かい乗り継ぎをしたあと、温泉地も巡る旅のようです。

旦那さんの計画。「どこか1箇所遅れると、本数の少ないバスと接続できないから冷や冷やだ」と、

さほど冷や冷やしていないような、おだやかな顔で話しておられました。

 

そうこうしているうちに、列車は余市を過ぎて、小樽駅に到着しました。

奥さんから「良い旅を!」と言って頂き、挨拶をして別れました。

また日本のどこかで会うかもしれません。ちょいと羨ましく思いました。

自分の40年後に、ああいう、ささやかで優雅な旅が出来れば幸せだろうにと。

(でも、ささやかなりに、カネはかかるのが現実ですね)

そのためには、働いてゼニこさえることと、理解のある嫁さんを見つけることですな。

まだまだ、どちらも道ははるか遠い・・・。

 

小樽

駅前でしばし雰囲気を眺めたあと、駅前のバス乗り場で、市内の地図をもらい、

さっそくバスで動き始める。20分間隔で観光地を回るバスが運行されており、

なかなか便利なのだが、多客期は増発してくれるとありがたい。

で、何だかなあ、勝手に足が向くのね。小樽交通記念館

鉄道、クルマを中心に、色々な現物を展示してあり、

屋外には、往年の道内の急行列車などが、そのまま見ることが出来ます。

市内に残る国鉄手宮線の跡。

市街地に戻り,うろうろすると,線路の跡があり,人々が自由に通っています。

旧国鉄の手宮線の跡地で,港まで続き,北海道の産業を支えたものです。

線路も完全に残っていて,将来の活用を模索しているようです。

観光スポットの近くを走っているのですから,長崎の市内電車のような活用ができればいいのでしょうが。

写真の踏切跡の道路には,「この踏切で一時停止の必要はありません」との表示がありました。

 

あとは、市内あちこちの建物を覗くのですが、どこも、古い建物を利用しつつも、

洗練されたセンスで、客をひきつけていて、数日間滞在しても、飽きないです。

運河プラザと,その横の目立たない博物館。北一硝子の店の数限りないきれいな品物。

たぶん、今後、何度となくこの町には足を運ぶことになりそうです。

小樽市博物館(旧小樽倉庫)の中庭。

 

そうこうしているうちに、日も暮れ、町中の建物はライトアップされて、街中を飾ります。

そして、この時間帯に忘れてならないのが、小樽運河と倉庫群

倉庫も運河もライトアップされ、倉庫の一部は、飲食店として客を集めて賑わっています。

運河沿いの遊歩道にも、人々が集まり、賑わっています。

これが祭りではなく、小樽の日常だというのが、羨ましいものです。

(まあ、観光地はこうなのでしょう。以前、京都に住んでいて羨ましがられましたが、

実際に住むと、関係なく日常は流れていくものですね。)

夕刻の小樽運河

駅前の長崎屋で服と本を買い、快速電車で札幌を目指します。

都会の電車ですが、寒冷地のためデッキがあり、ちょっとした特急の雰囲気です。

でも、よく見ると、やっぱり都会の電車です。

札幌着。

さすがに、夜も遅く、市内に出ることはしませんでした。

この夜は、札幌から、石北線の夜行特急オホーツク9号に乗る。

 

 

寝台車の上段に乗ると、下段のおばちゃん2人組が、僕に話し掛けてきて、

しばらく話したら、天ぷらを1枚くれた。

天ぷらを食べていたら、眠くなって、旭川に着いたのは、もう記憶になかった。

 

明日の朝には網走