釧路。寝坊。
今朝は、釧路駅で、友人と待ち合わせることになっていました。
僕の旅先で、たまに登場する「カメさん」という、会社の同僚で、男性です。
いつも思います。女性が良かったなあと。
この「カメさん」は、無類の鉄道好きで、僕もその影響を受けつつあります。
この「カメさん」は、無類のモーニング娘。好きで、今年の紅白に出場するか、一番の関心のようです。
(後日:この年、モーニング娘。は、紅白出場を果たし、赤組のトップをつとめました。)
ただし、野郎2人で、旅の最初から最後まで一緒にいるのは、さすがに我慢がならないので、
だいたい、旅先で待ち合わせて、旅先で別れることにしています。
彼が登場したからには、普通の観光旅行とはいきません。
寝坊した僕が、釧路駅に着いたときは、すでに朝イチの花咲線は出ており、
まあ、どっちみち不通だったからと諦めて、帯広方面に向かうことにしました。
しかあし、ここは釧路。さすがに何も喰わずに行くわけにはいかない。
(その前に、幣舞橋も、湿原も見物していないのですが、とりあえず喰うことから)
で、和商市場に行きます。ほかにも通な美味い市場があるそうですが、閉まっているようで、
有名な和商市場に入ります。まだ人も少なく、威勢がいいというわけではなかったのですが、
まず、ご飯を丼に貰って、あとは各店で色々買って、乗っけてもらうのですが、
店のニイチャンから、シシャモの正しい見分け方を教わったりしつつ、
ウニ、イクラがご飯の上に乗ってゆき、海鮮丼の出来上がり。
僕はどっちかというと、ナマモノや海の幸は、あまり得意ではないのですが、
いやあ、これはさすがに美味いと思いました。本場だから食えるというものです。
さて、帯広方面の特急スーパーおおぞら2号に乗ると、ときどき車窓に荒涼とした風景が展開し、
北海道の広さが、嫌でも印象に残ります。そうこうしているうちに、帯広に到着。
ホームの隣を見ると、「快速狩勝」、狩勝峠を越えて、遠く滝川まで走る快速です。
何をするか決めていなかった僕らは、すぐに乗り込みました。
帯広を出て、新得から狩勝峠を経て、幾寅から富良野に向かいます。
今でこそ、本線筋から外れた妙なルートをたどりますが、これこそ正式な根室本線で、
石勝線が開通するまでは、幹線だったわけです。
などなど、「カメさん」と鉄道談義をしていくうちにも、列車は高度を上げていきます。
車窓の向こうには、冠雪した十勝岳が見えるはずですが、それより列車の両側の森の黄緑色が
印象に残っています。何度かトンネルに入ったりしており、次の駅が恐ろしく遠かったのですが、
気付くと山を降り、高原のようなところを走ってゆくと、富良野でした。
富良野。頭の中は、さだまさしの「北の国から」。またさだまさしかい!
降りてみたい気はするのですが、野郎2人で降りるところでもないかと思いまして、
再び、ラベンダーの咲く7月の季節にでも(今度は女性と!)来ることを願って、今回は下車しません。
富良野を素通り。
北海道に観光旅行にきた人間のすることでしょうか。いやあ、後々考えると、我ながら暴挙です。
そして、12:15 滝川駅到着。小雨。ここから、勝負です。
滝川から岩見沢を経て札幌に向けた線路は、札幌と旭川を結ぶ大動脈で、
1時間に2本の特急が高速で走っています。
ところが、石狩川を挟んで反対側にも、地図で見るといかにもひ弱な鉄道線が、札幌へ向けて、
ずっと平行しているのではありませんか。これが、JR札沼線です。
その札沼線は、1日にった4本しか、終点の新十津川までやって来ません。
その中の1本、12:43新十津川発の列車に乗れるか。
28分後の発車までに、隣村に行かなければなりません。
しかし、これは意外とあっけなく解決しました。駅前から、JR北海道バスが出ていて、
15分もかからず新十津川駅前に行くのです。
小雨の中、石狩川を渡り、空知国道に触れたところで街中に入り込み、新十津川駅前に到着しました。
何人かの客が降りましたが、列車に乗るのは、我ら2人だけでした。
新十津川村は、もともと、奈良県の十津川村からの移住によって出来た村だそうです。
1日4本の駅前とは、どんなところかと思っていると、なんと駅前には、農協の建物をはじめ、
住宅や商店があり、わりと街中にあることが分かります。なのに、なぜ1日4本か。
それは、この辺の人が札幌に所用があるとき、札沼線を使わないからだそうです。
滝川まで出て、特急を使った方が、断然便利なのです。
1日3本の新十津川駅の駅舎
新十津川を出た列車は、小雨の中、ディーゼルの音をうならせて、南へ出発するのですが、
田畑以外には、見事に何もないところを走ります。近くに空知国道が走っていて、
町は道路沿いにあるのかとも思いましたが、それらしいものも見えず、
たぶん人の流れは、石狩川の向こうの中央国道沿いにあるのだろうと思いました。
札沼線と石狩川の間には、地図で見ると、石狩川の蛇行で出来た三日月湖がいくつかあるのですが、
列車も、さほど高いところを走るわけではないので、全く分かりませんでした。
しかし、三日月湖が自然の形を残しているところなど、さすが北海道。人の手が加わっていないのですね。
だいぶ走ったでしょうか、ちらちらと付近に人家が見え出して、石狩当別まで来ると、
このえきは、狭いながら都会の風の吹く駅。ここからは、ぐんぐん都市圏に入ってゆき、
高架の工事を横に見ながら、札幌駅にたどり着きました。
新十津川から2時間ちょっと。そんな場所にも、原野は広がっているものです。
さて、ここから、特急とかち7号で、帯広へ。ちょっと古い車体ながら、快適な車内。
石勝線に入ると、わりと飛ばすのだが、さたにはしゃいでいるのが、小学生の団体。
修学旅行か何か知らないが、列車の前から後ろから走り回り、グリーン車の車内も平気で入っていく。
もう、一般の客の静寂感なんてほったらかしです。先生は何をしてるんでしょうね。車掌も。
まあ、ここは北海道。札幌などの都市圏に行くこと以外に、日常で列車に乗ることの少ない小学生でしょうし、
ひょっとすると、一生のうちにも、列車に乗る機会は少ないかもしれません。
はしゃぐ気持ちはわかるのですがねえ。
何か、日本三大車窓といわれる山の下りも、ゆっくり見れませんでした。
途中、どこかの駅で臨時停車して、小学生を吐き出したあと、しばしの静けさ。
で、実は今朝、快速で通った道のりを逆に向かっているのです。
そして、帯広到着。
もう夕方なので、銭湯に行きます。
帯広市内の銭湯は、温泉の湯を使っているそうです。
「十勝川温泉」と同じ泉質で、大昔の植物が地中に堆積し、地熱によって温められて
発酵熱を伴って湧出した、と、観光ガイドにあります。
こんな市内にいて、温泉に入れるとは、なんと贅沢ではないですか。
駅から近そうな「たぬきの里」という銭湯に向けて歩き始めました。
が、が、地図で見ると近いこの銭湯に、歩いても歩いてもたどり着かない。
決して、方向音痴ではないのですが、この帯広駅前の道路には、完敗です。
開拓時の名残か、帯広市内は、南北の碁盤目の道路で町が出来ているのですが、
JRの線路は、そのど真ん中を、北西から南東に向けて45度の角度で入ってきます。
すると、駅前の一部の通りだけが、その線路に直角な、−45度の角度になります。
そこで、帯広駅前からたぬきの里までには、45度、90度、135度という交差点ができるのです。
上から見れば、どうということはないのですが、薄暗い中を歩くと、方向感覚が麻痺します。
五稜郭と同じで、人間は、交差点が90度だと錯覚してしまうようで、
さらに長崎屋の大型ショッピングセンターがさらに錯覚を大きくしているようです。
散々歩き回って、やっとたどり着きました。何か、迷路で歩き回るハムスターのようでした。
温泉はいい湯。旅行客が多いせいでしょうか、コインランドリーもあって便利。もちろん洗濯を済ませて、
駅前に戻りました。今度は、もう45度の道路を頭にインプットしたので迷いません。
こんなに近かったんだと、再確認しました。しかし、このときすでに20時。
経度の大きい北海道では、20時には店も閉まっています。
十勝の中心、帯広では、美味いものがいっぱいあるぞと楽しみだったのですが、
駅近くには、開いてそうな店はすぐには見当たらず(北口が工事中だったせいもある)、
北口の向こうの、ファミリーレストラン風の店に入りました。
そこのメニューに見つけたのが「豚丼」。
そういえば、豚丼という言い方は、他ではあまり聞かないなあと思っていたら、
帯広の代表料理だということなので(知らなかった・・・)、さっそく食べてみることにしました。
ご飯の上に、豚ロースを焼いたものが乗って、タレがかけてあるものですが、
なかなか美味いものでした。豚丼、覚えておこう。でも、なぜ帯広は豚丼なのかな。
この日は、夜行の特急おおぞら14号で、翌日の朝、札幌に到着の予定です。
しっかし、今日の動き、道東〜道央〜札幌〜道央〜札幌。
一体、何の目的なのかさっぱり分からん。昨日までの旅行とは違いますな。
これもまた良しと。
朝は海鮮丼、夜は豚丼食ったし。