1999年5月1日(火)  角館〜阿仁合〜大館


横手を出て、大曲駅。

新幹線「こまち」は、北側からこの駅に突っ込んで、進行方向を変えて出て行くためか、

上下列車は、この駅で行き違うことが多いようです。

新幹線が単線行き違い待ちというのも、また不思議なものです。

 

角館到着。言わずと知れた、東北の小京都です。

今年は桜が全国的に早かったので、もう散っているだろうなと、あまり期待せずに歩き始めます。

駅からまっすぐの道は、充分に広く、のんびり歩くのにはいい道です。

駅通りの左右には、いろいろ見るものは多そうですが、まずは、桜の名所

国の名勝指定を受けている桧木内川沿いの桜のトンネルに向かいます。

街中のゴチャゴチャした路地を曲がりつつ横町橋にたどり着くと、

なるほど川の東岸(町側)に、延々ソメイヨシノが並んでいます。

この堤防そのものは、昭和8年救農土木事業で造られたそうですが、桜はその翌年、

現天皇の誕生記念のために植樹されたそうです。

葉桜の桧木内川だが人は多い

さて、そのソメイヨシノですが、さすがに満開の時期からはだいぶ経ったようで、

葉桜になっていました。まあ、桜色に若葉の緑が混ざって、それなりにきれいですし、

桜のトンネルを歩くと、サクラの花弁が散ってきて、風流です。

で、屋台も出て、家族連れも多く、まだまだ地元では、サクラの季節は終わらせないようです。

 

北側の古城橋まで歩き、こんどは町中の武家屋敷の通りに入ります。

歩行者天国の如く、のんびり歩けるようになっていますが、それ以上に観光客の多いこと。

多くは、ツアー客だと思われます。添乗員が大忙しで動いています。老人の団体は大変だ。

こっちはタダで、漏れ聞こえてくる説明を聞けるのでお得です。

それぞれの屋敷は、深い木立に囲まれており、堂々としています。

無料公開されている屋敷と、有料のところがあるようで、無料のところだけかいつまんで見ました。

南へ歩いてゆくと、役場や図書館のあたりが広場になっていて、さっき通った道に出ます。

ここから北が町並み保存されているようです。

というか、ここから北が武家町南が商人町だったそうで、この広場は火除けだそうです。

納得。

 

駅に戻る(これがかなり長い距離!!100円バスでも走らせたらいいのに!)。

ここから、秋田内陸縦貫鉄道という、ごつい名前の鉄道に乗ります。

武家屋敷をイメージしたと思われるJRの駅舎の左側に、山小屋風の駅舎があります。

駅を抜けて、ホームに行くと、1両きりのディーゼル車。客はわりと多いようです。

車内は、地元の中高生の川柳のようなものが掲示されていて、好感を持ちます。

発車して、だんだん山間に入っていきます。

八津駅周辺は、カタクリが群生しているようですが、時期的に、そろそろ終わりくらいか。

阿仁マタギなる駅があって、マタギ資料館があって,マタギたちの暮らしが分かるそうですが、

駅からの足がないのでパス。送迎バスには予約が必要だそうです。

で、同じ阿仁町の、阿仁合駅に下車。

阿仁町は、スキー、キャンプなどのアウトドアから、ペンション、温泉、熊牧場と、

かなり積極的に観光客を呼び込んでいるようです。

特産品も、マタタビ、マタタビワイン、ゼンマイやフキなどの山菜など豊富で、

マタギの文化も、観光資源としています。徹底しています。

その中で、駅から近かったので訪れたのが、「伝承館」「異人館」

駅を出て右方向に歩いても5分くらいでした。

伝承館の側に入り口があり,中のほとんどを使って,阿仁鉱山についての展示がなされています。

享保の頃は銅の産出で日本一になったところですが,1970年に閉山になりました。

いろいろな鉱物や,鉱山の立体模型,古文書,異人の肖像画などが豊富に並べられており,

館内もわりと新しく,丁寧に並べられていますから,なかなか見やすく面白い資料です。

しかし,説明が無かったり,あっても小難しい用語を注釈無く使っていたりと,

もう少し敷居を下げた展示をしてあってもいいと思いました。できれば映像も欲しかった。

でも,地方の町の資料館としては,わりとレベルは高いように思います。

観光客誘致にかなり力を入れていることが分かります。

鉱山の展示室が目立ちますが,教え屏風や能の面など,阿仁の文化が紹介されています。

さすがに,「マタギ」については,マタギ資料館に譲ったのか,詳しいものはありませんでした。

伝承館の廊下を突き当たると,怪しげな狭い階段があって,地下に下りていくことになります。

すぐに上ると,そこは「異人館」=旧阿仁鉱山外国人官舎です。

異人館には,伝承館を通らないと入れない造りになっています。

一体としてみてもらおうということでしょうが,共通にすることで係員を減らせる意図もあるのでしょう。

パンフレットによると,明治8年に政府直営となった鉱山は,ドイツ人のアドロフメッケル他4人の

外国人技師を招いたとあります。その官舎が,このレンガ造りの洋館のようです。

ひんやりとした建物の中ですが,レンガ造りといっても,内装に白が目立ち,明るいいい建物です。

各地に残る洋館は,大規模なものが主に保存されていますが,

このような個人宅の小規模な建物も,また味があるものです。

 

再び伝承館を通って外へ出て,近くを散歩するのですが,天気は良く,人影もまばらで,

のどかな昼下がりです。桜は,この阿仁でも,もう葉桜になってしまっています。

阿仁の桜ももう葉桜。三角屋根は阿仁合駅。

再び,秋田内陸縦貫鉄道に乗って,鷹巣に達します。

そして,鷹巣から大館へ。

大館の駅前にはもう一つの大館駅。そのすぐ向こうには,今日泊まるホテル。

ですが,もう一つの大館駅が邪魔をしていて,ホテルまではかなりの距離を迂回しなければなりません。

もう一つの大館駅には,小坂精錬と書いてあり,これも鉱山が絡む鉄道ですが,

今は旅客は運んでおらず,貨物だけのようです。

 

この日は大館泊。