朝,市電で,桜島桟橋に向かいます。市電の電停から歩いて数分,
桟橋は,頻繁に桜島町営の船舶が発着しています。
船を停めるところが2箇所あり,交互に発着しており,実にスムーズです。
運賃は,下船するときに桜島港で150円支払うことになっており,
逆は,桜島港で150円支払ってから乗るという形で,乗船名簿などは省略されています。
第13桜島丸に乗り込むと,あっという間に桜島。
8年前,友人と来た時はクルマだったのですが、短い航海なので,クルマから外には出ないのです。
車両甲板にすら出ず,車内で過ごすことになっています.
今回は,甲板の上から近づく桜島を見つつ到着。150円払って,ターミナルの外へ出ます。
目の前に,レンタバイクで原付を貸してくれる店があったので,赤い原付を借りて,
まず湯之平展望台へ向かいます。正直なところ,坂道を原付では無理だと思っていたのですが,
店のおじさんが,大丈夫だといってくれたので,行くことにしました。
約5kmで標高差373mですから,途中に急な部分もあって,原付は悲鳴をあげていましたが,
何とか到着。標高373m,北岳の4合目付近に当たり,展望台と売店が設置された場所です。
空気の澄んでいる日なら,遠く開聞岳まで鮮やかに見えるそうですが,この日は残念ながら,
天気はまずまず晴れているものの,空気はいまいちで,遠くは望めません。

湯之平展望台から鹿児島市街地を望む。中央には船が往来している。

さて,桜島は,現在でも活動を続けていて,
南岳火口から2km以内は進入禁止です。
湯之平展望台から港、市街の向きは、
大正の溶岩が土地を作っているところです。
大正の溶岩とは、左図の緑の部分で、
島の反対側が大隅半島と陸続きに
なったときです。
左端が桜島港,鹿児島市街方向
緑色が大正溶岩,
茶色が昭和溶岩です。
大正溶岩の上は、すでに木々が生える場所になっており、クロマツが生えています。
時代の違う溶岩からなる島は、植物の遷移を見るにも好都合な場所です。

湯之平展望台から降りる道は、盛んに工事がおこなわれています。
防災のためのダムなどが建設され、それに伴って道路も拡幅されきれいになっています。
今一番恐いのは、火山の溶岩ではありません。
雨季になると頻繁に起こる土石流です。
土石流は、砂防ダムなどでせき止めるのも難しいでしょうが、
治山によって、その勢いを抑えるとともに,人家の少ない方へ誘導をしていくというのが方針で,
ほとんどの沢沿いで,この誘導ルートが,海まで確立されているようです。
僕が見た工事現場は,最後の1本を海まで誘導する工事のようでした。


海沿いの道を行くと,桜島国際火山砂防センターなる建物があります。
年間20回もの土石流が発生する野尻川の川岸に立てられた新しい建物で,
2年程前に立てられたようです。(上の写真)
1階部分は,土石流の氾濫に備えたピロティーで,
2階が,緊急避難スペース,そのスペースが,普段は展示室となっています。
3階は,一般人が入れない集中監視施設。国土交通省管轄の防災施設のようです。
無料の展示室ですが,まずまず分かりやすい映像と展示で,基礎的な知識を得ることができます。
この2階の窓からも,土石流の時には,大きな岩が野尻川を転がってくるのが見えるとか。
写真で白く見えている平面も,大雨のときは見えなくなるそうで,ここの監視によって,
桜島を周回する道路に設置された遮断機を下ろすようにしているそうです。
なお,さらに上流にも監視施設があり,異変をいち早く伝える役割を持っています。
上流の施設では鳥を飼っていて,人体には分からない異変もキャッチするそうです。
桜島は実際に原付で走ると,思ったより長距離で,
レンタ店のおじさんは,みんな2時間で帰ってくるといっていましたが,僕には難しく,
電話で延長を伝えて,さらに先を急ぐことにしました。
有村展望所は,海沿いの駐車場から遊歩道を歩いていく作りですが,
海のほうを望むと,大隅半島と陸続きになった大正溶岩を見ることができ,
南岳のほうを望むと,昭和溶岩を見ることができます。
売店では,それぞれの溶岩(輝石安山岩)を売っています。
国立公園だから,岩石を個人で採取することができず,工事の際に出たものだけが
売店に出回っているようです。
大隅半島への交差点を曲がらずに,島を周回する道路に出ると,人家もぐっと減った
山間の道路を通って,再び海沿いに出ます。
ここに,かの有名な黒神埋没鳥居があります。
黒神埋没鳥居
これも,大正3年の噴火の産物で,高さ3mの鳥居が,火山灰などで2m埋まったものです。
道端に何気なくあるので,注意しないと見落とします。
この先が,昭和溶岩による殺風景な景色が続きます。
あたりはごつごつとした大きな岩石片ばかりで、所々の川沿いだけが,
治山のため人の手が入っているという感じです。
川には,跨ぐようにロープが張られ(電流が流れている導線かもしれません),
切れるとすぐどこかの防災施設につながるような仕組みのようです。
延々走り抜いて,桜島港に戻ってきました。原付を返却し,
近くのビジターセンターに向かいます。ここも,新しい建物で,入場は無料。
無料にしては,なかなかの展示物と映像で,いい勉強になります。
(できれば展示してある写真がどこで撮った物か書いておいて欲しかった)
再び桜島丸で鹿児島市街に向かい,列車で都城に向かって(肥薩線・吉都線回りを乗り継いで),
都城のホテルに宿泊しました。