2004年2月27日(金)
羽田〜オホーツク紋別
10分ほど遅れて羽田空港の南側の滑走路を飛び立った,
ANKエアーニッポン801便,B737−500(スーパードルフィン)は,
千歳市,旭川市上空を過ぎ,高度を下げて着陸態勢に入っていきます。
いったんオホーツク海に抜けたところで,眼下には海・・・
そう,海の表面は白い塊で埋め尽くされています。
流氷
ワタクシは,じかに流氷を見たことがないので,
この目で流氷を見るために,はるばる紋別にやってきたのです。
気体は流氷の海の真上で右に大きく旋回し,
再び陸に近づいていくと・・・氷が消えて開海面が見えています。
今日は紋別に接岸していない・・・
すっかり白く覆われた北の大地,オホーツク紋別空港に着陸しました。
オホーツク紋別空港は,北海道で最も新しい空港ですが,
1日に,千歳と羽田に1便ずつですから,ターミナルも小さく,
滑走路と誘導路も,必要なところだけ除雪されている感じでした。
到着とすると,なにやら背広の男性たちが,
タラップの下に待ち構えているではないですか。
観光客のお出迎え・・・ではなく,どうやらVIPが乗っていた模様です。
飛行機の外に出ると,キンと張り詰めた,冷たく乾いた空気,
関東の空気とはまったく違う空気が新鮮ですが,何せ寒い。
気温は,マイナス7℃。
あわててターミナルビルに入ると,狭いビル内はえらい混雑で,
パック旅行の団体と,背広の偉い人々,そして取材を受けている子ども。
これは,何かイベントがあるに違いない。
混雑を避けたくて,2階の展望デッキに上がろうとすると,
背広の男性に止められてしまいました。
「殿下がおられますから。」
最初,聞き取れなかったですよ。「殿下」なんて普段使う言葉じゃないし。
殿下って,皇室関係者なんでしょうねえ。(その辺の事情は疎いもので)
外へ出ると,北海道警のパトカーが目の前を走り去っていくし,
いやはや,物々しい日に来てしまったものです。
紋別の市街地に向かうバスは,数人が乗っただけでガラガラ。
幹線道路は除雪されていて,バスはスムーズに走りますが,
川は凍って雪に埋もれてるし,小さな道路の両側は雪の壁だし,
最初から北の国らしい景色が展開されています。
紋別のバスターミナルは,今は旅行会社と観光案内所が入った
新しくてきれいなビルですが,
この付近には,かつて国鉄名寄本線の紋別駅があったはずです。

近くの案内板には,未だに名寄本線と紋別駅が残っている

右手奥が紋別駅のあった辺り。
線路跡は新しい道路となっているうえに,雪に覆われてしまって,
鉄道の痕跡はたどることはできません。
駅跡は,スーパーマーケットと温泉施設になっており,人を集めています。
その一角には,鴻紋軌道の碑が置かれています。
この鉄道は,鴻之舞金山と紋別駅を結んだ28kmの軽便鉄道で,
昭和18年〜昭和25年ごろまで使われていたようです。(鉱山は昭和48年閉山)
鴻之舞で少年期を過ごした作曲家の宮川泰は,この線路をイメージして
昭和41年のヒット曲「銀色の道」をつくったそうです。

国鉄紋別駅跡にあたるスーパーマーケットの脇には
鴻紋軌道の碑も置かれている
さて,荷物をコインロッカーに片付け,来た道をバスで戻った先は,
「海洋交流館」
ここから,砕氷船「ガリンコ号U」に乗ります。

船首の下の2つのドリルで氷を砕きながら進む。
流氷が接岸しているときは,港内から出ることすら難しいといいますが,
今日は,流氷は岸から離れていますので,
流氷と出会うまで,快速を飛ばします・・・が,
甲板にいると,気温の低さだけでなく,吹き付けてくる冷気で
凍えてしまいそうです。
甲板の温度計は−7℃を示す

操舵室の後ろから。まもなく流氷に突っ込みます。
写真を撮りながらも,耳はちぎれそうに痛いし,
涙と鼻水は出てくるし,手や指は感覚がなくなるし,
デジカメを海に落とさないように,紐でくくって,
港を出発して10分とちょっと,5kmほど沖に出たところで
いよいよ流氷に突入です。

流氷に入った直後。左が陸側。
凍てつく寒さで,流氷を実感しました。
写真や映像では分からないですよね,この感覚。
もっとも,時々粉雪が舞うくらいで,海は荒れていないので
今日の海は,おだやかな部類に入るんでしょうね。
もっと寒い日,もっと荒れる日も多いんでしょう。
まさに「ガリガリ」と氷を砕きながら流氷の海に挑みます。
船体のゆれが激しくなります。
大きな氷塊に当たると,いったんはねかえされ,後退してから
勢いをつけて氷を砕きます。

砕氷船と伴走する同行者たち
船のまわりには,カモメが群がってきて,エサを求めてきます。
ある者は,船に止まったり,またあるものは氷に止まったりと,
常時20羽くらいのカモメが,船と併走します。
単にカモメといっても,何種類かいるようで,「カモメ」というのはその総称だそうですが
ワタクシには,どのカモメが何というカモメなのかよく分かりません。
何せ,紋別には,夏も冬も何種類かのカモメがいるそうですが,
その顔ぶれは,夏と冬では違っているそうです。

流氷の海から陸側を望む
さて,陸に戻って,予約したホテルに向かうと,異様な雰囲気。
背広のホテルマンがうろうろしています。
そう,昼間の飛行機で一緒だったVIPが,ここに泊まるんです。
聞いてみると,紋別に来てるのは,秋篠宮さんだそうで,
北方圏国際シンポジウムの一環で,
自ら常任理事を務める「生き物文化誌学会」などが行う行事に
参加するのだそうです。
おかげで,早々に部屋に追い込まれるし,
館内のどこ行っても,ホテルマンが巡回してるし,
ま,いいけど。