| 日刊建設工業新聞 (平成14年11月12日付5ページ) かわさき起業家選抜で協会賞に「川崎駅東口LRT」 /川崎市ら主催 |
| 川崎市、川崎市産業振興財団共催の第10回かわさき起業家選抜で、民間非営利団体(NPO)の交通ビジネス研究会(理事長・鈴木一夫全国鉄道利用者会議事務局長)が提案した「川崎駅東口地区での路面電車運行」が日本起業家協会賞を受賞した。 川崎駅東口に延長約4・1キロの環状ルートで、路面電車(LRT)の運行事業を行う提案。同市内でのLRT導入はこれまで川崎商工会議所や、川崎市議会神奈川ネットワーク運動会派が川崎縦貫高速鉄道の代替案として、各者独自の案をそれぞれ示した経緯がある。NPO法人は受賞を機に、事業化に向けベンチャーキャピタル(VC)を含む投資家からの資金を今後募りたい考えだ。 かわさき起業家選抜の最終選考は9日に行った。日本起業家協会賞は、市内企業を対象にしたかわさき起業家賞に準じた位置づけとなる。審査員からは、川崎駅東口地区での路面電車運行事業について、「官・民・市民が携わる価値ある提案。環境、サービス、街づくり、商店街活性化のすべてを含むプランで収益性も高い」との評を得た。プランをメーンで作成したのはNPO法人の副理事長で、JR東日本東京支社勤務の阿部等氏。同法人は近く東京都から認可を受ける見通しだ。 川崎駅東口地区での路面電車運行事業では、適正な地代の負担と設備の自己投資に重点を置いた純民営の『上下分離方式』を提案しているのが特徴。当初はバス事業からスタートし、LRT事業に段階的に移行することにより、20%前後のシェア獲得が可能とした。またパーク&ライドやサイクル&ライドにより商圏が広がり、収益性を改善できるとしている。 具体的には市役所通りを川崎駅東口から労働会館前の交差点に向かって進み、労働会館前交差点を右折して追分交差点まで直進。追分交差点を右折して新川通りを直進、川崎駅東口に戻るルートで、内・外回り路線を設ける。道路の歩道寄り車線を路面電車の通行帯として活用する。200メートル間隔で計20駅を設け、約15分(表定速度毎時16キロ)で1周できる利便性の高い交通サービスを提供する。 また自動改札や遠隔監視カメラなど、情報技術(IT)設備を活用して停車時間の最小化を図るとともに、交差点での優先信号や利用者数に応じたきめ細かな運行パターンの採用する案を示した。運行間隔は、朝夕のラッシュ時で1・5分、昼間で3分、早朝深夜で6分とそれぞれ設定した。 路面電車を運行する際の初期投資は計130億円で内訳は▽地上設備=82億円▽駅設備=8億円▽車両新造=17億円▽基地設備=12億円▽その他=11億円。その他の部分は地代を想定している。損益分岐点は1日当たり700万円とした。 利用を促す方策としては個人・法人会員制の導入を提案。個人会員の場合は、月会費4000円で1回ごとの料金を半額、1万円で無料とした。法人会員の場合は駅周辺や沿線の商店・企業を想定し、会員になると割引券や無料券を配布でき、駐車場なしで来店客を獲得できるメリットを付与するビジネスモデルを提示している。 |
| (横浜支社 鳥海光夫記者) |
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