狂
「今ねェ、鶯▲のホテル街に居るみたい。」と●●子は言った。
「大丈夫かぁー!傷は浅いぞー!気をシッカリ持てーーー!
………で、大丈夫???何かされなかった???」
「うん、ホテルに連れ込まれたけど、3人とも出払った隙に逃げてきちゃった。
だけど、お金あまり持ってないんでタクシー乗れないから迎えに来てくれない?」
「速攻行かせて頂きます…」
車に飛び乗り一路鶯▲へ…と言いたいが、俺は地理に異様なほど疎い。
まぁ、上■と■暮里の間だから何とか解るだろう。
そして、上■、■暮里近辺をウロウロする事数時間…
ピッチも携帯も無かった時代なので、連絡取れない見つからない。
仕方が無いので公衆電話から自宅へ連絡した所…
「ああ、●●子なら、着払いでタクシー乗って帰ったよ?
さっき自宅に着いたって。」と妹は言う。
「●●子にガソリン持って鶯▲まで来るように言ってくれ。」
それからも2〜3度、テルから連絡が入り、その度に彼女は呼び出された。
前回の教訓を生かし、俺はピッタリ離れずについて居たのが災いしてか、
テルは全く現れず待ちぼうけばかり。
そして数日後にまた彼女から連絡が入った。
「あ、今回の事は何とか収まりそうなのよ、今までありがとうね。」
彼女の話によると、こう言う事らしい。
俺は面が割れてしまっていると思われたため、
友達の知り合いをツテに頼んだ人達にボディーガードになってもらい、
見事、テル捕獲に成功したらしい。
「もう、アナタに迷惑は掛からないと思います、今まですいませんでした。」
と言い残し、テルを引きずってその人達は去って行ったと言う事だが…
結局、俺は何の役にも立たなかった上、
テルとの対面も果たせずっつーのが心残りだったんで、
テルの連絡先は掴めなかった物の、その友達をツテに、
捕獲に成功したボディーガードの連絡先を突き止め、電話をしてみた。
「どーも、今回の事は色々とお世話になりまして…
んで、よろしければテル君と会って一度お話してみたいんですが…」
「うーん、残念ですが、それはちょっと…」
「もしや、彼は警察にでも捕まっているとか?
よろしければ、現在の彼の詳細だけでも知りたいんですが…」
「すいませんねぇ…それは私の一存ではちょっと…
まぁ、世の中には知らない方が良いって事もあるでしょうし…」
「え?そーなんですか?うーん…
てゆーか、イキナリ電話して失礼でしたが、
そちら様はテル君とどう言うご関係で?」
「はい、ヤツはウチから金を盗んで逃げたんですよ。
だからコチラもヤツを探してたものでして。」
「金盗んで逃げたって…もしや、そちら様は…」
「こちらは▲■組事務所ですが?
アナタはヤツとどう言うご関係なんですか?」
「無関係です…会った事もありません。」
BACK