Timi Yuro "The Best Of Timi Yuro"

(EMI E2-80182)

 1961年にLibertyからデビューしたTimi Yuroは、ゴスペル的な唱法を持った特異なポップ・シンガーだったといえますが、これは彼女の少女期のベビー・シッターだった黒人女性が教会に連れていったりしたために、自然に身に着けた唱法でした。Libertyには1961~1964年の期間と、その後にMercuryを経て1968年に所属していましたが、1964年までの時期が彼女の人気が高かった時期といえるでしょう。

1.Hurt
2.I Apologize
3.For You
4.Smile
5.She Really Loves You
6.You Belong To My Heart
7.Let Me Call You Sweetheart
8.Count Everything
9.I Know (I Love You)
10.All My Love Belongs To You
11.What's A Matter Baby (Is It Hurting You)
12.Thirteenth Hurt
13.Only Love Me
14.That's Right, Walk On By
15.The Love Of A Boy
16.I Ain't Gonna Cry No More
17.Insult To Injury
18.If I Never Get To Love You
19.Make The World Go Away
20.Look Down
21.She's Get You
22.Are You Sure
23.Call Me
24.I'm Movin' On (Part 1 & 2)
25.Something Bad On My Mind

 25曲目が1968年のロンドン録音の作品ですが、他は1961~1964年間の作品です。
 ベスト盤といいますとシングル曲が中心になりますが、このアルバムでは何曲かアルバムのみに収められていた作品も収録しているのが特徴でしょう。
 1961年に発表された作品は1~5までですが、ここでは3曲目がアルバムのみの作品でした。デビュー・ヒットの"Hurt"がスタンダード・ナンバーでしたから、そういった雰囲気の作品が多いのですが、バラード系の曲ではR&B的雰囲気が濃いのが特徴でしょう。そして、5曲目の"She Really Loves You"では彼女自身もライターに加わっているのですが、この作品がいちばんR&B色が強いということが、彼女の特徴を示しているようです。
 1962年に発表されたものが6~16まであり、この年のものがアルバムの中心ですが、粒も揃っているようです。とくに目立つのが11曲目のミディアム~アップの"What's A Matter Baby (Is It Hurting You)"でしょうか。この位の速さがいちばんR&Bっぽいのですが、シングル化されなかった14曲目の"That's Right, Walk On By"も同じ系譜の作品といえるでしょう。そして11曲目をタイトルとしたアルバムに11~14が収められているのですが、バラード系の12・13も出来がよく、このアルバムの中でも目立つ時期だったという印象を与えられます。それ以外にも7の"Let Me Call You Sweetheart"がスタンダード的な進行で進みながら、少しずつR&B的になっていくウォーキング・テンポの佳曲ですし、8はベース・パターンが"Stand By Me"を意識していますが、この速さは彼女いちばん乗りやすい速さということで使っているでしょう。また、16の"I Ain't Gonna Cry No More"は少し展開に凝ったところもありますが、少し抑えた唱法ながらディープな感覚を感じさせる作品に仕上がっています。
 1963年発表の17~22になりますと、曲の展開を考えすぎたような作品も若干あるようです。とはいえ、素直なポップスといった感じの18曲目でBurt BacharachとHal Davidのコンビによる"If I Never Get To Love You"あたりはいい出来でしょうし、19は後年にはRay Priceがカントリー・スタイルでヒットさせた作品ですが、Timiのヴァージョンもカントリー系といえ、悪くありません。さらに、Willie Nelsonの"Are You Sure"はよりストレートなカントリー・バラードに仕上がっています。彼女らしいR&B系統のバラードでは、"She's Get You"がよく歌われていると思います。
 1964年発表のものが23・24ですが、23は少しポップの色を強めたようです。一方、24はブルース系といえるでしょう。オリジナルのHank Snowの雰囲気は全くなく、とくに後半のパート2はTimiのハードな面がいちばん出ている作品となっています。
 25曲目は時期が離れますから、曲にはNorther Soul的なアレンジも施されますが、出来はアヴェレージでしょう。ただ、力量は衰えていません。しかし、これ以降はオールディーズ・ショウなどには出るものの音楽がメインの生活からは離れています。そして、2004年3月30日に63歳でラス・ヴェガスで亡くなっています。

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(C)2005 Solomon Yi