Sheila Majid "Legenda" (東芝EMI TOCP-6172)

 "Legenda"は日本盤もかつては出されていて、これは1990年の発売でした。オリジナルも同年だったでしょうか。1973年に亡くなったP.Ramleeの作品を歌うという企画もののアルバムですが、Sheilaのストレートな歌唱が心地良く、彼女の代表的なアルバムといえるものに仕上がりました。

1.D'Legenda…追憶のプレリュード
2.Aduh Sayang…オー!マイ・ラヴ
3.Engkau Laksana Bulan…月の君
4.Larut Malam…真夜中の恋
5.Getaran Jiwa…心のヴァイブレーション
6.Legenda…レジェンダ(伝説)
7.D'Legenda…追憶のプレリュード(short version)
8.Manusia…マヌシア(人々)
9.Jeritan Batinku…涙あふれて
10.Bunyi Gitar (R.A.P. Mix)…ブニ・ギター
11.Tiru Macam Saya…奥さま、ご用心
12.Di manaKan Ku Cari Genti…あなただけを

 1と7は演奏曲で、イントロという趣きでしょう。これと6がオリジナルですが、"Legenda"はSheilaのバラードの中でも上位の作品かと思います。内容的にはP.Ramleeが題材といえますが、それ以上の広がりを持つ歌に仕上げています。
 他の9曲がP.Ramleeの作品ですが、P.Ramleeの特徴としてはマレーシア的でありながら無国籍なところでしょうか。いろいろな音楽のいいところを上手く取り入れているように思います。これは、映画でのマレー人だけではなく華人やインド人でも楽しめるようなエンタティメント性と通じるところがありそうですが、音楽の指向としてはSheilaはポップ指向がSitiより強そうで、それが上手くP.Ramleeのベクトルと重ねられたことが、このアルバムの質を高めたのでしょう。
 個々の作品で見ますと、彼女の場合はバラードよりもテンポのあるものに良さがありますので、"Legenda"以外ではそういったものに目立つものがあります。先ずは2曲目の"Aduh Sayang"でしょうか。ダンサブルな仕上げですが、この乗りが彼女の得意技でしょう。
 5曲目はミディアム~アップといった速さでしょうか。このテンポが余裕を持ってこなせるところに彼女の良さがあります。
 8曲目はアップ系ですが、歌い方はゆったりとしたところを持った作品です。
 P.Ramleeの作品では、この3曲が中でも目立っていると思いますが、中でも表情が豊かなものが"Getaran Jiwa"でしょう。これと"Legenda"がならんでいるのが、このアルバムのハイライトでしょう。
 さて、このアルバム以降のSheilaですが、惜しいことには下降線をたどっているようです。ただ、力が衰えたわけではなく、方向性が混乱してしまったようで、単純でストレートにポップという作品が失われてしまったような感じがします。ですので、そういったものを取り上げられるようになったら、また期待できるかと思います。

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Sheila Majid "Sheila Majid" (EMI 0743-598524-23)

 1980年代から90年代にかけてマレーシアの歌姫だったSheila Majidの、2004年に出されたベスト盤です。

Disc 1
1.Pengemis Muda
2.Datanglah
3.Dia
4.Geremis Semalam
5.Datanglah Ke Dalam Mimpiku
6.Putra
7.Kekasih Baru
8.Berakhir Cintamu
9.Tua Sebelum Waktunya
10.Sinaran
11.Antara Anyir Dan Jakarta
12.Fikirkan Dulu
13.Didalam Emosi Ini
14.Relakan
15.Persis Kekasihku
16.Dihimpit Keraguan
17.Nada

Disc 2
1.Warna
2.Memori
3.Kasih (Melangkan Pergi)
4.Bahagia
5.Hasrat Cinta
6.Gemilang
7.Jelingan Manja
8.Aduh Sayang
9.Engkau Laksana Bulan
10.Getaran Jiwa
11.Legenda
12.Jeritan Batinku
13.Bunyi Gitar
14.Tiru Macam Saya
15.Di manaKan Ku Cari Genti
16.Larut Malam

 1枚目は1986年と1989年の作品からですが、9曲目から16曲目が1986年のもので、最初の8曲と最後の1曲が1989年のものという変わった置き方をしています。しかし、音の嗜好は同じで Philly Sound が好みという作りのバックです。ですから、曲調としてはテンポの速いものが多くなっています。
 1986年の作品で見るならば"Sinaran"あたりが、そういった代表作といえるでしょうか。ただ、彼女の声は癖があるものの軽めですから、バックの音が薄いとヒット狙いにはいいかもしれませんが印象が薄れる気がします。その変わり、ダンサーという作りでないアップテンポでの軽快さは彼女の特質でしょうね。"Relakan"のようなポップなアップテンポは気持ちよく耳に入り込んできます。
 また、バラード系のものでも、まだ声の柔らかさには欠けますが"Dihimpit Keraguan"がよく歌われた作品で、これら2曲が1986年のもので目立ちます。
 1989年の作品では、ダンサーの作品で柔らかさを上手く織り込むことによって深みを与えるように成長していることがいちばんの違いでしょう。冒頭の"Pengemis Muda"がそういいた見本といえるでしょう。バックの音も落ち着いてきています。また、ポップな"Kekasih Baru"も彼女には合っています。
 スローでは"Putra"なども悪くないのですが、"Geremis Semalam"が一段上でしょう。他のスローに比べて、ヴォーカルのコントロールに優れていると思います。それだけ、深みも出せているわけですね。
 2枚目では3曲目の"Kasih"だけが1986年のものです。テンポはさほど速くないので、落ち着いて歌われたポップなダンサーといえるでしょう。悪くありません。
 1・2曲目と7曲目までは1988年の作品になります。1986年に比べて曲作りが明らかにShilaに合ってきていたことがわかる年です。出だしに置かれた"Warna"と"Memori"はかなりコマーシャルな作りをしていますが、それが嫌味にならずに歌われています。スローでも"Gemilang"が彼女らしいスムーズな作品に仕立てられています。この年についてはジャージーな"Jelingan Manja"が落ちますが、他は粒が揃っている気がします。
 残りは1990年のアルバムの"Legenda"での作品からで、ダンサブルな"Aduh Sayang"、ミディアムの"Getaran Jiwa"、それとタイトル曲でもあるスローの"Legenda"とアルバムでも目立った曲は収められていました。

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(C)2006-2009 Solomon Yi