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ファイナンシャルプランナーの『愚案』

  2007/1/13

最近、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取得する人がやたらと増えています。そして現在、日本FP協会に登録されている会員(CFP、AFP)は14万人弱にのぼっています。特に受験資格に制限がなく原則誰でも受けることができ、取得まで多少期間はかかりますが割りと手軽にとることができます。かく言う私もAFPで日本FP協会にちゃんと登録もしてあります。

さて、そのFPの話ですが、どうも杓子定規の提案をしすぎる傾向があるのではないかと思います。
恐らくですが、きちんと実務を積んでクライアントにその都度適確な提案ができ、かつクライアントを喜ばせられるFPはほんの一握りしかいないのではないでしょうか。

 以前、とあるお客様に『投資物件を買いたい』と相談を受け、都内の駅近で中古ですが手入れもよく満室で利回りも当時としては結構いい優良物件があったので、これはと思いすぐに紹介しました。
そして、現地をご案内したところとても気に入られた様子で『ぜひ欲しい』とその場で決断をされました。翌日、詳細を打合せようとお客様のお宅に伺ったところ、銀行に勤めていてFPでもあるという「Tさん」という30歳前後の男の方がいらっしゃってて、お客様いわくTさんが「一緒に話を聞きたい」と言っているらしく、私は「購入する投資物件の融資の件かな」と思い特に拒む理由もなかったので同席を承諾しました。

 ところがそれは今考えるととんでもない間違いで、私がお客様にひと通り契約の件について話し終えると、Tさん「買うのはやめた方がいい」なんて言い出したんです。私が首を傾げて「えっ?」と言うとTさん「銀行マンの立場で言うと融資の実績も出来るので買ったほうがいいと勧めますが、FPの立場で言うと決してお勧めはしません。なぜならそれがお客様のためだからです」なんて言い出しました。私は訳がわからずさらに「はっ?」と言うと、Tさん「あなたもFPなら”資産の三分法”を習いましたよね」と言い、さらにお客様に向かってこう言いました。「ご自分の財産というものはリスクを回避するために3つの異なる資産に分散させておかなければなりません。一つに集中させてしまいますとなにかあった場合に損害も大きくなってしまいます。ですから、今回不動産に資産を集中させるのは限りなく大きなリスクを伴います」と。

 この時点でこのお客様は完全に買う気が失せています。そして私が何を言おうと無駄です。なぜなら悲しいかな『銀行マン』と『不動産屋』の世間の見る目が違うからです。昔ほどその差はありませんが、それでも抜くことは出来ません。もちろんお客様だって『不動産屋』を信頼してない訳ではありませんが、「どっち?」といわれればそれは誰に聞いても『銀行マン』に軍配が上がります。

 まっ、それは置いときまして、私は不動産のプロを自負しています。その時お客様に紹介した物件だって単に利回りと立地がいいというだけではなく、初めて投資物件を購入するとのことでしたので「買ってすぐ修繕費はかからないだろうか」「空いても入居者はすぐ入るだろうか」「現在の家賃は相場に合ってるだろうか」「境界標は大丈夫だろうか」などいろんな角度から検証してその物件のよさを確認し紹介しました。確かに資産はある程度一つに集中してしまいますがリスクは最小限に抑えられるはずです。万一売却せざるをえなくなっても、立地も道路付けもいいので早期換金も可能です。敢えてそういう物件を探して紹介したんです。そんな優良物件滅多にあるものではありません。

でも、Tさんはそこまでは見抜けません。不動産のプロではないのですから。

 私の考えは何億もの財産があれば”資産の三分法”もいいでしょう。リスクを回避しつつ、それでも額も大きいので少しの金利でもお金はどんどん増えていきます。しかし、財産1000万円の人が同じ理屈で300万円づつに分けて果たしてお金が増えるでしょうか。きっと先のTさんのようなFPであれば3つに分けた上にさらに投資先のリスクをも小さくしようとするので当然リターンの少ない国債などの金融商品を勧めてくると思います。ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンは投資の鉄則ですよね。

 お金持ちは大きな財産を守るのが目的です。それ以外の人は増やすのが目的なんです。年金も貰えないかもしれません。会社もクビになるかもしれません。消費税も上がります。一般人はなんとしても収入を今以上に増やす必要があるんです。その大きな可能性を先のお客様は「買わないのがお客様のため」と言ったファイナンシャルプランナーの杓子定規な愚案によって断ち切られてしまったんです。リスクをとらないとお金は増えないんです。”資産の三分法”なんてクソ食らえ!です。

では、投資物件を買うのはそんなに大きなリスクを伴うのでしょうか?

 さっき説明しましたよね。答えは『NO』です。収入も生まない一戸建てを買うよりよっぽどリスクは低いですし、さらに前述したように考えられるリスクを全て想定し、万一の対策も講じておけばなんにも怖いことはありません。

 皆さん、他のページでも何度も言ってることですが、どんなに偉い人が言ってることでも決して鵜呑みにしてはいけません。ご自分でも調査し確かめることが重要です。最近はネット等で調査しやすくなった反面、情報も氾濫しています。ブレることなく核心に迫るのは大変だと思います。それでもやらなければいけません。自分の大切な財産のため、そして将来のために。

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