貸地が盲点!?
2006/ 9/20
貸地。もしくは「底地」なんて言葉もありますね。
さて、不動産活用においてこの貸地の整理が”鍵”となることが多々あります。
意外とほっとかれがちですが、先代から貸地の権利のついた土地を相続してそのまんまになってたり、逆に借地人の方に相続が発生して代替わりし世代も違うためお互い遠慮がちになり、やはりそのまんまになってたりしませんか?
その弊害と理由についていくつかお話しましょう。
地代が昔から更新されていない
そのまんまになっているということは地代が全く更新されていないということです。もちろん昔よりは物価上昇に伴って地価も上昇してるわけですから当然地代も値上げできるはずですよね。
都内でもいまだ坪当たり数百円、ひょっとしたら100円を切ってる例もあるかもしれません。土地の時価を考えるととんでもなく低い収益率です。
これは相場の地代に値上げするべきです。とはいってもいきなり数百円を数千円というわけにもいきません。法的にはいきなり値上げしても問題はないのですが、いままでほっておいたのに急に相場にすると言われても借地人も困っちゃいますよね。なんらかの反発があると思ったほうがよさそうですね。
でも、契約が2年毎の更新になっているんであればその都度段階的に6〜8年かかってでも借地人に納得してもらったうえで値上げするべきです。
なぜか?
いままであてにしてなかった地代収益があがる。
できれば土地の時価の1〜2%の表面利回りは欲しい。最低でもその土地の固定資産税・都市計画税分は稼ぎたいところ。
次の世代にキチンとした形で引き継げる。
借地人との関係を良好にしておくことは自分ばかりか将来相続する子供たちも安心です。また、ほったらかしになっている貸地はもともと契約書が存在しなかったり、あっても紛失してしまったというようなケースも多いので、これも整備しておけばなお安心ですね。
物納が可能となる。
相続人は相続税が納付できない場合は株式や不動産による現物資産の納付(物納)が認められています。しかし、貸地を物納する場合は地代がある程度相場に近くないと国は受け付けてくれません。もちろん、市場で売却して換金したくても低い収益では買い手もいるはずがありません。
旧借地法による契約となっている
平成4年8月1日施行にされた新・借地借家法より前に契約されたものはその後更新されたとしても全て旧借地法の適用となってしまいます。
何が違うのかというと、新法は契約形態によっては土地が戻ってきます(定期借地)が旧法は1度貸したら戻ってこないものと思ったほうがいいという点です。
もし、上記1のように地代の値上げ交渉が不調となり最悪裁判にまで持ち込まないといけない状況にまでなってしまうと、もうその土地に関わりあうのすら嫌になってしまうでしょう。しかも、「返せ」といっても簡単には戻ってきません。となると、次のステップとして売却を考えなければなりません。やはり、親心としては子供には余計なもの、面倒なものを残したくないと思ってしまうものでしょう。
でもそんな収益の悪い土地をどうやって売る?
まず考えることは借地人に土地を売ること。
ただし、売却価格は時価から路線価の借地権割合を控除し求めた底地権の金額を元に交渉することが多い。要するに土地を売るといってもまっさらな更地を時価で売るということではなく、借地人の権利(借地権)を控除して売るということです。
例えば、時価3000万円の土地だとします。住宅地だと路線価は借地権:底地権をほぼ6:4か7:3の比率に設定しています。よって底地権価格は6:4であれば1200万円、7:3であれば900万円ということになります。ちなみに商業地になるとその比率は8:2か9:1の比率に設定されています。驚くことにほとんどが借地権ということですね。そして立地がよく路線価が高いところほど借地権割合も高いことが分かります。
ん〜、それで売っちゃうと不本意でちょっと損した気分(かなりかな?)になるとは思いますが、それが現実ですし「次世代に面倒なものを残さない!」という本来の目的が達成できればよろしいかと....。
次に考えることは借地人から借地権を買い取ること。
ただし、前述の比率が基本となりますので。念のため。でももしその高い借地権が買えればもう余計な権利は存在しませんから普通の土地として転売出来るし、立地が良ければ貸駐車場なりアパート建てるなりして収益物件にしてしまうのも手です。
ちなみに借地権は建物を建てるために土地を借りるのが前提ですから貸駐車場にしても借地権は発生しませんのでご安心を。
土地を借地権と底地権の割合で分割しそれぞれ所有権とする。
これは土地の大きさや道路付け、形によって物理的に難しい場合の方が多いと思いますが、例えば100坪あり借地権:底地権が6:4の場合、借地人が60坪、地主(底地人)が40坪の土地をそれぞれ所有するということです。もちろん、お互いもう別々の所有権者ですから地主と借地人の関係は終了です。
ちなみに業務上は借地権と地主の土地所有権の一部とを「交換」するという方法をとります。
以上、貸地整理の大事さがお分かりになりましたか?もし、長期間塩漬けになってる貸地があればそれは気持ちのどこかで引っかかってるはずです。ぜひ早く気持ちを楽にしてあげてください。





