第23回 神奈川新聞花火大会

この時期の生録なら花火が一番取り上げやすいかもしれない。
花火で難しいのは音だけではなく臨場感を入れることだろう。
ただ、花火大会に行っても撮影はありでも録音だけというのはマイナーだけどね。

このご時世なので魅力ある花火大会にわざわざ出掛けるわけにもいかないので
近場で見物&録音といたしました。
録音には特別な用意などしていないが、しいて言えば女房を同伴させたことかな。
花火は見に行くものだし、若者のカップルなども多く周囲も暗いので1人では行動し
にくいことも多くなった。

今日はマイクにECM−23F5を使って録音してみたが、買ってからそのままなので
行く前にチェックしてから行った。
PCM−D1にXLR−1を使えばマイクに乾電池は必要なくなるので便利だ。
24bitになると花火のような音源の録音は難しいものではなくなった。
23F5はクリアーな音が特徴だが、花火の音は低域まで良く伸びており豪快な音を
再生する。
打ち上げ場所からは少々離れている為にそれほど高くは定位しないが、もう少し前
進して録音出来たらよかっただろうな。

左はそのスペアナだが、典型的な花火カーブを示しており、大型システムで鳴らした
ら気分いいだろう。
意外だったのは、後方がビルだったりするので以外に響きが良かったりと、後半に
なると更に響きもよくなり聞いていて楽しい。
場所が必ずしも良くないので、前半の打ち上げではあまり歓声も上がらなかったので、アルバムでは後半を20分程度に
短くまとめて完成させた。

ECM−23という形式は、昔オーディオで生録をやったことのある人なら、使ってみたいマイクだったかもしれない。
1970年頃に使っていたECM−270は100hz〜14000hz程度、20hz〜20000hzを求めようなら、ECM−23が登竜
門だった。
当時ECM−270が1本11000円、ECM−23が23000円だったから、俺にとっても憧れだった。
まぁ、生録小僧の昔話になってしまったが、ボディーは安っぽいが往年の実力を今に受け継ぐ確かなものであった。
音の風景には他にもマイクはあるが、面白そうなので色々な場面で話題づくりにでも使ってみよう。



                         日光国立公園

日光を訪れるのは6年ぶりのことである。
前回は2002年に奥日光の光徳辺りにマイクを向けてみたが、この時はキツツキ
のドラミングが見事であった。
さすがに7月ともなれば、賑やかさにも陰りが見え始めるものだがどうだろう。
この日は週末とあって、観光地である日光周辺は早朝からジョギングや散歩する姿
を見かけたりする。

今回は目的が別にあったのだが、出掛ける直前に見た蒲谷鶴彦氏の生前を振り
返るDVDを見て、思い出したこともあったりして寄り道したわけだ。
ここは日光市内から割と近いところだからどうかと思ったが、意外に鳴きがよくて
ビックリ。
午前4時過ぎから短い時間だったが録音してみた。
この日は朝から天気もよく風のない朝で、外に立っていると涼しく気持ちが良い。
これだけの鳴きなら1時間以上は流しておきたかったのだが、翌日の事もあるので
早々に撤収したが、終わってみれば翌日は収穫なしと後悔が残る結果であった。

録音を聞くと日光といった感じの空気で、こちらの方が聞いていて自然な感じだ。
鳴いているのは、この時期ならお馴染みの連中なので、下の八ヶ岳のスペアナと
1khz〜10Khzにくるピークがそっくりだ。
これまでなら、一応を聞いたところで時間的に短いのでお蔵入りとなってしまうところだが、聞いていて楽しいので一工夫してみる。
こういう音源は声のない部分がほぼ一定なので、不要な部分をカットして次のシー
ンを繋いでも極端に目立たない。
最近のソフトウェアはおまけでも優秀なので、このメリットを使ってもう少し長い時間を楽しめるようにしてやるのだ。
20分足らずの録音を5分割にして、賑やかなシーンと穏やかなシーンなどと順番を入れ替えてファイルを結合する。
今回はオリジナルの録音の後に入れ替えたシーンを繋いで、40分程度楽しめるようにしたものが日光国立公園だ。

こういうことを以前は考えたことがなかったのだが、つなぎ目が目立たなくなったことで自然な感じを楽しめるようになった
のが実現の切っ掛けとなった。
時間が短く一枚に出来そうもないときに、このような一工夫が出来れば後悔しなくて済むかもしれないね。



                         Mt,Yatugatake 2008

野鳥録音で目指す事と言えば、音の風景にとってはその場の臨場感と時間の流れ
を囀りと共に記録するということだろう。
臨場感については、これまでにも頒布を含めてこのページで紹介してきたが、時間
経過をそのまま1枚に纏めることは出来なかった。
理由は簡単で、静かな空間だけに遠くからの音のノイズが意外に雰囲気を壊すか
らで、30分以上を連続で聞くことが難しかったのである。
原因のひとつは車のノイズで、たった一台の通過でも数分を我慢することになった
りするので、どうしてもカットするしかなくなる。
他にも航空機や雨粒、林のざわめきやハルゼミなんてのもこの手の録音には少々
邪魔になるのだ。

このアルバムは、時間経過を聞かせるものとして初の成功例になるかな。
別に狙ったわけではないのだが、5月から始めて4回目にして今年の八ヶ岳から
1枚完成したという非常に歩留まりの悪い活動である。
結果から見れば、録音機を代えとけばもっと長大な記録になったはずだが後悔して
も仕方なね。
こういう録音が簡単に出来ればDVDメディアの良さが本当に生かせるようになるの
だが中々難しい。
収録時間は110分で、96Khz24bit録音が程よく1枚になっているが、聞き手がこ
れを楽しめるかどうかは全くの未知数。
これまではCD−Rで1枚ソコソコの内容、それも目立つシーンを繋いだものなので
我慢できたかもしれないが、今度は全くの自然環境を聞くわけなので耐えられないかもしれない。
逆に言えば、ありのままに近い八ヶ岳山麓での様子が聞けるということでもあり
貴重と言われればそうなのかもしれない。
ただ、2時間を絶え間ない囀りで聞くなんてのはこの辺では不可能に近いので、時間と共に騒いだり静まり返ったりの繰り
返しの中で徐々に声が消えてゆくのが現実なのである。
収録は6トラックでの構成で、各トラックの区切りはノイズをカットした部分で主に雨粒であるが、スペアナの低域ノイズも
同様のものだが破損するようなノイズではない。
このグラフのバーのレベルは声が無いときの周辺のレベルで−60db辺りで終始推移していた。

このアルバムは48khz版も参考までに作ってみたが、3Khz以上に出る囀りにやや違いが感じられる。
この音源との距離は半径2.5mの範囲におり、用意していても全く動くことはなかった。
比べなければ分からないレベルだが、やや輝きを失うような鳴き方に聞こえるのだが、近くで鳴くことがなかったら48khzも
96Khzも今回の録音では差なんか出なかっただろう。
なぜ48Khzを試すのかと言えば、やはり記録できる時間を長く出来るからで、その時に必要なくても同じ音源で試して質を
落とさないかどうか確認しているのである。
実は今回、2時間後にPCM−D1のメモリーを切り替えて更に1時間粘ってみたが完全に失敗だった。
理由は雨粒を避ける位置に移動したため、近くの囀りから遠くなってしまったこと、また時間的に人が入り込むこと自体が
野鳥を遠ざける結果にもなったようだ。
将来、このような録音が複数回できれば、48Khzで3時間程度の収録とすれば更に長時間再生が可能になる。

このアルバムをスペアナで確認すると、800Hzから2Khz付近のピークはウグイス、3Khz以上はセンダイムシクイや
アカハラ、カッコウは400hzと600Hz付近となる。
面白かったのはウグイスで、場所が一定だと「ホー」が800hzから2Khzまで1/3オクターブ間隔で鳴き分けており、非常
にシットリとした美しい鳴き声であったことで、適度な距離が大切であるようだ。
カッコウが近づけばホトトギスが追っ払い、アカゲラが近づくと周辺が一斉に騒ぎ出す、そんな八ヶ岳の一瞬である。
音の風景にとっては非常にありがたいDVDメディアであるが、録音機は充実しても纏めがCD−Rではつまらない。
コイツを聞いていると退屈ではないが、どうしても途中で眠くなってしまうのだが、ヤッパ年かねぇ・・・。



                         音の風景 ヤホッ!

毎年5月頃からが活動の期間になってくるが、今年はこんなアルバムからスタート。
所は和歌山県日高川町にある椿山ダム付近に位置するヤッホーポイントである。
ヤッホーなんて聞くと、登山して頂上から周辺に大声で叫ぶなんて想像するかも
しれないが、実際に登山してもそんな人は見かけないし返事もないよね。

さて、日本一の山彦と自慢するこの町のヤッホーポイントを訪ねる音の風景を紹介
したのが「音の風景 ヤホッ!」である。
内容と言っても大したことではないが、家族で山彦を楽しんでいる様子が記録され
ているものである。
収録は12分程度の短いものであるが「ヤホッ!」もあれば「勉強しろ!」など、今を
叫んだ記録は、後に聞くと当時の気持ちが再び思い出されてくるのかもしれない。

そんな短編アルバムだが、和歌山県内にはヤッホーポイントは数多いらしい。
それを自ら発掘した人がヤッホーおじさんでみずから録音もしているという。
興味などあったら、詳しくはホームページをご覧いただきたいと思います。

ところで今回は、椿山ダム周辺で確認された4ヶ所の中から2つのポイントに立ち、夜明けを待って楽しむことにした。
最初は1のポイントからだが、路面に立ち位置が指定してあるのでそこで試してみると、これがまた驚きで対岸から本当に
叫んでいるかのようである。
それも、あそこに居るぞと指差せるほど鮮明に跳ね返ってくる声は全くの予想外のことであった。
一方、2のポイントでは普通といいましょうか対岸から声が返ってくるという感じに変化する。
ここで、ハタト気が付いたのは山彦のからくりというか正体である。

山彦は当然ながら音の反射なので、反射が少なくなれば音が小さいとか聞こえないということになるが、この2つのポイント
には違いがあった。
ダム湖を挟んだ対岸は国道で見渡すと、クネクネ道の斜面はコンクリートで覆われ壁のように補強されており、何も珍しい
ことのない風景である。
しかし、1のポイントは正面に大きなコンクリートの斜面があるが、2のポイントに立つと同じような斜面がいつくもあるのだ。
どうも適度に必要な距離に加え、この辺の違いが山彦の質に大きく影響しているようなのである。
1のポイントにも左右に壁はあるが微妙に向きが違い、2のポイントは分かりやすく言えば扇型に壁が囲んで見えるのだ。
したがって、2のポイントでは壁との距離が反射に影響してややエコーがかったように聞こえるのだろう。
だから、この辺で叫べば山彦はどこでも返ってくるが、やはり1のポイントは別格というか特別な位置なのでありました。

実際の録音は、指定の位置の後方に5m位の高さでマイクを設置して、定位をセンターにくるようにする。
やや左右に分かれて声を発すると、前方遥か彼方から声が返ってくるという具合なのであった。
2のポイントでは場所を示す看板の前にマイクを置いて、声は階段をやや下りた位置から正面に叫んでみた。
録音としてのポイントは、掛け声と反射音(山彦)のコントラストを取ることが大切。
したがって、今回は山彦が返ってくる様子をセンターに定位するようにしたり、広々とした空間を山彦から楽しむというような
選択をしたわけだ。
更に発見したのは単に声を出したときだけではなく、周囲にある音を山彦させていることで、静かに耳を傾けていると野鳥
の囀りまでも山彦しているのである。
それほど環境SNも良いということなので、再生を考えるとマイクもSNが良くないとガッカリする出来になるかもしれない。




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