Little concert 2006

7回を数えるリトルコンサートの録音はここの所の恒例行事。
今年はPCM−D1での録音で纏めたものが紹介のアルバムである。
今年は会場が
長浜ホールになって、とてもライブな空気を聞くことが出来るものと
なった。
録音として特に語るほどのことはないが、このアルバムを製作する過程において
96Khz24bitのフォーマットを、CD−RやDVD−Video盤にもしている。
これは聞き手に合わせるためなのだが、変換は実に簡単にできても肝心の音は
やはり違いがでてくるのである。
D1のマイクは低域がダラ下がりなので、ややオフ気味の録音では低域がチト不足
気味だとな感じる場面は、むしろピアノではなく後半のバンド演奏だった。
ドラムスとのバランスを考えたのだが、96Khzではほぼ狙い通りでもそりままCD−

Rにするとモロに弱点が露呈されてしまう結果。
一方、24bitでも48KhzのDVD−Video盤にはさほど影響が出ないところを考えると、やはりビット数
を変えてしまうことが質をも変えてしまうことのようだ。
そこで、音源をSBM処理してみると、キンキンするところが抑えられて聞きやすくなるという結果に。
なるほど、デジタルをそのまま処理するということは、プロがやっている○○プロセッサーなどの手を使う必要があると言うか、こういう結果になってしまうんだよという今さら復習をした感じ。
D100の時代は、16bit48KhzをCD−Rにしていたが、ビット数は変えていなかったので大きな差を感じなかったが、やは
り究極のダウンコンバートは、そのままでの処理は全くのNGだった。
この意味は、16bitだから悪いということではないが、こういう経験もあり、DATの音源(16bit48Khz)をそのままDVD化
すると質感が蘇るのである。
それだけに、我々には置き換わるフォーマットは非常に大切になり、逆にフォーマットに合わせたサンプリング選択の重要
性をきちんと認識しておく必要があるということになる。
特に、音の風景のような編集なしの製作過程の作品作りでは、あまりにも極端な結果が出てしまったのだ。
こういう事をもっと早く実感していたら、バンド演奏はそれなりの対応も出来たに違いない。
サンプリング周波数の選択は、単に時間への対応だけではなく、その後の処理にも重要であることを痛切に感じた今回の
リトルコンサートは大いに勉強になりました。
音の風景2006

2006年を一枚に纏めたというか、自宅で比較テストするために出来たアルバム。
以下に紹介した作品から聞きたい部分をピックアップ、並べてみると2時間近くに
なってしまったが、F1やぐんま天文台など紹介にない録音も収録している。
さて、ナチュラルサウンドと大迫力サウンドの2部構成からなるこのアルバムだが
ナチュラルサウンドは音場感を聞くもので、野鳥やトンネルの残響が楽しい。
また大迫力サウンドではDレンジを堪能するといった内容で、全般をPCM−D1の
みで行った活動の成果ともいえよう。
とは言ってもバラバラな内容なので、リスナーは聞きたいものを聞けばいい。
ここで新しいのは
「音匠」というディスクで製作していることだろうか。
このディスクにしての違いは見通しが良くなったことで、同じ音源をこれまでのディス
クと比較してみると違いがよく分かる。
レーベル面を緑にすると音が良いというのは何も新しいことはないが、ディスクの印刷が出来ないのは寂しいが、今後は
このディスクがメインになりそうだ。
今年は96Khz24Bitを使えるようになったことで、何が出来るようになるのかを確かめるだけに終わってしまったが、その
差を体感できただけでも良しとしようか。
DVD−Audio(24bit96Khz)を聞けば、やはりCD−Rとは違う世界を感じてもらえるはずだが、肝心の環境がなければ
訴えようがない。
だからと言って、この為だけに機器を導入するというのももったいない話なのと、専用機を持たないDVD−Audioでは音は
良くならないという意見もあれば、兼用機だから生き残れる可能性があるとの見方もある中途半端な世界なのだ。
このままでは、いずれマイナーな世界(すでにマイナーか)になるだろうが、録音機の世界はむしろ活況だから不思議。
すでに携帯型でDSD録音が可能になりつつあるなど、ハードはむしろ更なる夢の実現へ大きく動いているのである。
しかし問題は、本当の実力を聞かせる物に乏しいことで、Dレンジ120dbなんていくら謳っても、それは録音するまでの話
で、編集過程でCD環境に合わせる物づくりでは数字がいくら良くなっても実力を図れないし、せいぜい切れや繊細感が
良くなっただけ、などと部分的な向上に終わってしまうだけだろう。
オーディオでのCDはアナログに劣るが一般的な見方だが、市場で見れば普及範囲はラジカセからオーディオに至る幅の
広さだ。
この世界に単なる音だけの向上だけでは勝ち目がないのは分かるが、実はその前に聞き手側の条件が問題になる。
やってみると、俺自身もここが最大の問題だと感じるようになった。
FIRE POWER 2006 in Fuji

第48回 富士総合火力演習の模様を纏めた6年ぶりのアルバムがこれ。
地上最強音源として、音だけだがこれまでにもオーディオで取り上げられている。
録音機の性能を見るうえではチョッピリ過酷ではあるが、一通りを体験してみたいと
訪れた。
何といっても射撃の音を録るなら、朝一が絶好の機会であるのだがこの日はコンデ
ィション不良の幕開けであった。
どの車両も一発目は加減しているのか湿っぽいサウンドだが、すぐに軽快な爆音を
発するようになるのは、こういうのにも一応ウォーミングアップがあるのだろうね。
さて、収録では試射・前段の各展示及び後段の状況など90分に収めている。
やはりメインは74・90式戦車の射撃となるが、D1を使っての感触から射撃に対する進歩が期待出来そうなので、是非実力を聞きたいと思い立った。

まぁ、成功か失敗かではなく、どのような反応になるかが最大の関心事なのだが。
簡単には録音機とマイクの性能が音を全く違う印象にしてしまうからだ。
チェックポイントは戦車・無反動砲・小銃・航空攻撃などだが、戦車に対しては事前にレベルを決めて行っている(現場でレベルを合わせない)。
これは、録音機の性能を見るからだが、最大の関心事は音そのもの。
歪むのか、音は正確なのかを確認できればよろしいが、結果は何もすることなくそのまま合格点、これまでの「バ」「タ」で始まる音ではなく、かなり「パ」の音になっている。
つづく無反動砲も何もすることがないという感じで、コンデンサーマイクである程度満
足するものに出来ること(ATTやPADを使わずに)が何よりも嬉しい。
これは、音場感に大きく作用するから、音ならやはりコンデンサー型を使えるに越したことはないのだ。
他にもコンデンサー型マイクの苦手とするものに小銃があり、立ち上がりが悪いとパチパチとなるが、これも小銃らしく聞こ
えるので会場の雰囲気が損なわれずに聞くことが出来る。
ただ、航空攻撃のシーンはあまりの速さに辛うじてパンパンとはなっても、爆発音も早くて音にできなかったという結果。
この日は視界不良で飛来はなかったが、航空攻撃は機上からの射撃ではなく、航空機の進入に合わせて地上から破裂さ
せるのだが、マイクが鈍感だと今度はババン!と大きくウーファーを動かす音になってしまうのだ。
自衛隊録音の第一歩は、歪ませずに記録すること、次に場内と合わせて音にすること、フィニッシュは生の音を自宅に持ち
帰ることだが、あの音は絶対に無理なので、せめて迫力だけでも「生」を自宅に呼び込みたいとマイクを向けている。
2006 熱海海上花火大会

音の風景での花火は2作目となるが、場所はCDなどでもお馴染み熱海でのもの。
打ち上げ規模は大したことはないが、音の風景としては音の良さが採用理由だ。
ここまで、ナンか使いこなしている感じがしないが、結局のところ3回も録音すること
になった。
デジタルリミッターが上手く使えるなら使ってやりたいと思っていたので、早速実行す
るが、やはり複雑な環境ではダマシが聞かなかったと言うわけ。
全体のバランスは良くても、周囲の様子に欠点が見えてしまうのが残念だった。
ではと、正攻法で実際を行うのであるが、Phase2の時のようなことを考慮する必要
がある。
レベル合わせは過去2回の実績から算出するが、こればかりはDVD−Rにしてみ
るまでは成功か失敗かが分からない。
アルバムではそこいら辺を確認できるように、会場の様子を何時もより長くしておく。

聞いてみると、花火の立ち上がりが非常に早く感じるが、この点は前作との違いに
なる。
会場とのバランスも一応取れている感じではあるが残響はやや大人しくなるといっ
た出来だ。
この録音で肝心なことは、どの程度までレベルコントロールが可能なのかにあった。
結果を振り返れば、D100とはまるで違う世界であったと言うこと。
特にDレンジをフルに使う録音には、D100との差は歴然としてくるようだ。
我家で聞くと、ヘッドホンではまともでもスピーカーからは立ち上がりがやや不安定
となるのは安物のアンプのせいだろうか。
こういう録音は高能率のスピーカーに強力な電源のアンプで、是非とも聞いてみたいところなのである。
地下トンネル JR筒石駅

目的とは全く関係ない所に来てしまったというのが、JR筒石駅だった。
今日は只見線のSLだったのだが、大雨の影響で始発から運休で走りそうもないの
で、訪れたのは
上越市立水族館の立つアザラシ「ジョーくん」。
しかしながら、これでは物足りないと筒石駅に寄ってみた。
頸城トンネル内にある
JR筒石駅は、駅舎からトンネルを歩いて40mも潜ったところ
にホームがある。
トンネルはおよそ80mの長さがあり、残響が非常に面白いのだが・・・。
で、さっそく家族をダシにして音の風景を創ってみたのがこのアルバム。
ソフト紹介での収録時間では最短の11分という、チョー!いい加減な作品の出来
上がりだ。
家族が会話しながら通り過ぎると、駅員に忘れ物だよと声を掛けられる、慌てて

走って取りにゆくと、トンネル内を風のノイズが埋め尽くす・・・。
駅員はハプニングだが、面白かったのは通り過ぎる足音だった。
友達から「これはホラーだね」と言われて大爆笑だったが、足音がなんともリアルな
のが良いね。
スペアナはトンネル内で手を叩いた時の様子だが、かなり伸びているのが分かるだ
ろう。
こういう残響を混濁無く記録するにはマイクを置く位置がポイントになる。
でもこういう時のために、もう少し家族に芸があれば、旅も一層楽しいと言うものな
のだろうが、仕方ない・・・。
Phase2

このアルバムは、友達との会話から誕生したものだが、前作と内容は変わらない。
96Khz24bitでの録音であるが、これがまた苦労が多かった。
いつものように録音するのであるが、録音機からモニターしている分には異常が
ないのだが、PCにファイルを落とすと途端に歪っぽくなるのである。
歪むのだからレベルを下げてやるしかないのだが、どうも地に足が就かない感じ。
約1時間ほどの内容だが、まずは前方から、後半は後方からの通過を聞くが、2分
間隔での通過にも少しずつだが通過位置が違っている。
特に後方からの通過の際には、位置関係が微妙に違うのがよく判る。
こういうのはCD−Rと比較しても、極端な差になって現れるわけではないが、やはり
レンジが広いので大音量にすると迫力は満点である。
一定間隔の単調なものだが、ステレオの楽しさを味わうことが出来るかもしれない。

スペアナは逆噴射の部分を見ているが、距離は3000mほどだろうか。
前作との差は、降下する際の微妙な推進力の加減がクリアになったことだろう。
うるさくなる感じがないので、スムーズに頭上を通過してゆくのが「生」を感じさせて
くれるのが嬉しい。
ただ、それだけの作品なのだが、24bitの録音は細かい部分を損なわずに記録
出来る点が16bitとは明らかな差になっている感じ。
まだまだ手探りといった感が残るが、久しぶりにメーターを確認しながら録音してしまいましたな。
八ヶ岳 2006

PCM−D1を昨年末に導入しておきながら、これまでほとんど使っていなかったが
4月に入ってようやく始動開始となった。
2005年版の後半からDVDメディアでの製作を始めていたが、2006年度版から
は全てDVD−audio盤に一新する。
ソフトの紹介としては第一弾になるのが、この八ヶ岳 2006というアルバム。
野鳥録音としては、これまでにもお馴染みなので内容を今更紹介することもなかろ
う。
音場録音を楽しむ当方にとっての八ヶ岳は、長年通いなれた場所だが適度な距離
が、夜明けを迎える高原来たなという充実感を与えてくれるのだ。
さて、今年の八ヶ岳はスッカリ夏鳥の装いとなっていた。
今回から96Khzでの録音となるのだが、何かを狙うというより馴染みの場所で実力

のほどを試してみると言った方が正しいだろう。
適当にレベルを設定して後は出来を待つばかりといったいつものパターンだ。
録音機の特徴として、SNが良いことはこの手の音源には大変有効である。
実際を聞いても良さは実感できるのだが、驚いたのは全体の質感だった。
特にCD−R時代にはなかった微小な音源に対しても響きが質感とともに再現され
るから、再生しても実に自然な印象を与えるのである。
試しに48Kz盤とCD−R盤にして聞いてみるたが、やはりCD−Rにすると肝心な
質感の部分が消えて、ただの声だけになってしまった。
もちろん、それだけを聞けば分からないが、96Khz盤を聞くと差は歴然である。
もう一つの特徴は、20Khz以上の領域にも反応があることだろう。
すべてがオフなら、こういう特徴は出なかったと思うが、至近距離でのさえずりがこのような結果を生んでいるようだ。
その時のスペアナは
「録音日記」をご覧頂くとして、この部分を実際に聞いてみても歪っぽさもなく違和感がなかった。
この日は風が全く無いという気象条件だったが、コイツも成果に大きく貢献していることは間違いないだろう。