Little concert Vol.8

子供達の演奏も年々上達してくるので、この辺でお父さんも少しばかり欲が出てき
ましたかな。
会場は昨年に引き続き長浜ホールで、丁度良い大きさと響きの良い会場だ。
発表会ということで、当然ながら録音は客席の後方になってしまうので多少響きが
強調されてしまうのは仕方ないところだ。

今回はC4000BとMR−1000を使って指向特性を差を確認してみたりした。
録音レベルも欲張ったものではないので、オーディオで聞くなら高能率のスピーカー
の方が楽な再生が出来るだろう。
C4000Bには指向性は3パターンあるのでリハーサルの際に効果のほどを確認。
この位置では無指向性ではやや定位が不明瞭、ハイパーカーディオイドでは後方な
がら実在感は文句ないが響きが弱くなるのは仕方ないところだろう。
結局のところ無難にカーディオイドを選択したのだが、やはりこの手のマイクロホン
になると室内では空調ノイズには注意が必要だ。
室内にいると気が付かないが、モニターすると結構気にな
る音なのだな。

発表会の後半はピアノ・フルート・クラリネットによる演奏を
鑑賞した。
とても素晴らしい演奏だったが、録音もホールの感じが良く
出て雰囲気よく室内に流れる。
スペアナはその演奏から紹介しているが、レベルもそう欲張った形ではないことは理解できよう。
確かにもう少し上げてもよかったのかもしれないが、この場合はレベルより音源に近づくことの方が良い。
そうすることで、より実在感を得る事が出来るからだが、この辺が生録の醍醐味につながるのである。

しかし、本当にアマチュアの録音機環境は良くなったものだよ。
ただ残念なのは、生録が空前のブームといわれる中においても自ら発言するような機会が全くないことだろう。
ブームと言ったって、オーディオの世界の話ではなく音楽の世界での話だからね。
確かに上手いところに目をつけたものだが、アマチュアにとっての録音は個人で楽しむが前提だから、その続きはプロの
世界でのみ許されるだけ。
写真みたいに撮って雑誌に投稿したら掲載されましたなんて簡単ではない。
こういうような環境は音楽を本格的に親しむ人には楽しみが一つ増え願ってもないことだろうが、当方にはそれだけでは
勿体ない気がしてしまう。

また、アマチュア用にマイクロホンがないことも問題で、自ずと使うものが決まってしまうと言うのも残念だ。
昔に比べればプロ機の敷居も下がったが周辺のWEBなどを見ると、素人には選択が難しいからマイク内臓は必要かつ
十分であるという感じのコメントが目立つ。
確かにそれでバランスしているようにも見えるが、録音機として捉えるとどれも性能を十分に発揮してはいないはずだ。
しかしメーカーはこれで市場が分かったから、PCM−D1を超えるものはもう出ないかもしれないね。
アマチュア天文家の発見ではないけれど、出来ることなら全ての機会は平等であって欲しいものだが、実は機器の問題よ
りも意識という点で、アマとプロの差は格段の開きがあるのであった。
この録音は家族の音の記録とともに、指導されている先生にとっても貴重な教育記録となるでしょう。



                         音の風景2007 会津只見号 秋編

前回7月では緑あふれる季節を力走するSLを紹介したわけであるが、今回は本格
的な紅葉シーズンの中を快走するC11312を追ったアルバムである。
周辺の山はどこを見ても紅葉が美しく、それだけでも訪れる甲斐があると言うもので
あるが、こちトラには忘れてはならない目的がございます。

今回は試運転を含む3日間を現地で過ごしたが、天候もまずまずで録音にも撮影に
も全く支障はなかった。
ここからはPCM−D1とXLR−1を使って、SLの汽笛を思いっきりマイクに吸い込
ませてやろうというのが最大の目的なのであった。
沿線では割と静かな柳津付近と只見駅構内が主な場所になるが、まずはマイクロホ
ンの感触を試しておかなくてはならないが、C4000Bでまずは一通りを流す。
最終的に本番の11月3日の運転では音場感の良いAT4040に替えている。

汽笛の響きはこれまでにもいろいろと行っているが、ステージが大きく上がったこともあって何時ものような録音では全く面白くない。
そこで、響きの余韻を余すところなく記録し自宅に持ち帰らないといけない。
基本的には汽笛は合図なので必要がなければ鳴らさないが、音の風景はそういう音を録音するのが目的ではないのだ。
この辺で汽笛ひとつを取り上げても、各ジャンルで求める姿に違いが現れてくるのである。

音の風景が汽笛に求める姿は、環境が創り出す音の響きの美しさを録音で表現することにあるので、鉄道録音ともまたひ
と味違うものなのかもしれない。
だから、まずは響きが美しく流れるあるいは漂う場所や遠近感、そして適当に集まる人々が最も大切な要素なのである。
もちろん静かな環境は大切であるのだが、現行のSL路線にあっても汽笛を鳴らす所は他にもたくさんあるが、このような
条件となると簡単ではないのである。
やはり、16bit時代とは幾分音の出が違
う感じになっており、これはマイクロホンもあ
るが、24bitになった事でスムーズになった
分、不明瞭な部分が改善されたからだろう。

今回何よりも大切にしたかった音の余韻は
AT4040にしたことで、より自然になった印
象となって一応満足しているところだ。
しかしながら、限りあるDレンジをギリギリまで
使い切るというのはリハーサルのない生録の世界では中々難しいものである。
今回は相当に大胆な事をやらかしているので、大音量再生するとやや正体がハッキリ出てしまうシーンもあるが、こんなこ
とをしてもヘコタレないPCM−D1には本当に脱帽いたします。
結果としてみれば、非常にSNが良くなっているし背景も遠くならずに十分な音量を得られるので、もう少し余裕のあるレベ
ル設定でも問題なさそうである。
左のスペアナはC4000から発車の汽笛、右は勾配区間を通過する際のブラストを測ったものである。



                         triangle

ジャケットはなんとも薄気味悪い雰囲気の空間、そしてタイトルがトライアングル?
ジャケで場所を特定できたら大したものだが、ヒントは「モグラ」・「338m/462段」
で答えの判った人は?・・・。
ここは上越国境付近にあるトンネルの施設であるが、アルバムはこのトンネルでの
様子を記録した一枚である。

標高653mから70mの高低差を階段が一直線に地下に伸びているから見下ろし
ても見上げても気が遠くなりそうだ。
トンネルなんて言うと、これまでなら自らの声と素手が音源だったが、今日は強力な
助っ人にご登場いただくことになった。
と、言うことでタイトルのトライアングルを使って澄んだ響きの世界を堪能しました。

たかがトライアングルと言っても材質などにこだわると5000円以上の価格差となる
                       から、お手頃な価格ラインナップの鈴木楽器製の10cm18cmの2種類を用意し
て効果のほどを実際に試してみた。

ただ、今回はトライアングルだけではなく
MR−1000に安物マイクを使えるようにした
ので、そのチェックも兼ねている。
つまり、ステレオミニプラグのマイクロホンを
MR−1000でも使えるようにしたといえば
分かりやすいかな。

SN的には階段での録音が良好だが見学者も適当にいるので、地下水など多少ノイズは多いが自由に振舞えるトンネル内
で家族を演奏者に仕立てて遠ざかったり近寄ったりと響きを記録した。
面白かったのはマンホールのガタを両足で動かすとこれまた低く響きが伸びることで、右がそのマンホールの特性を取った
スペアナで左は10cmのトライアングルでのもの。

一方、18cmのトライアングルでは1.6Khzから倍音が伸びるピークを示しており、音は強く叩かなくても非常に鮮明で空
間の広さをそのまま伝えてくれる。
ステレオでも十分にサラウンドするし、マトリクスでは絶大だが響きが良すぎてやや定位が不明瞭にも聞こえる。
もう少しメロディーを即興できれば更に面白かったのだが、何の打ち合わせも練習もないのだから単調となるのは仕方ない
といったところ。

ここで、ステレオミニプラグからXLRになぜ適合させるかと言えば、MR−1000の長所を生かしてやるために必要である
からで、長時間録音をする音源に好んで使っているマイクロホンを使えるようにしたかったからなのである。
本来と逆になる発想であるし考えもしないだろうが、適当なマイクロホンを探すよりは手っ取り早い措置でもあり録音機の
使い分けがなくなる。
実際の録音では音の揺らぎも鮮明に録れるし、シビアな音源故にウィンドスクリーン装着による差も僅かながら感じ取れる
から単に安物と馬鹿にしたものでもなくMR−1000とも決してアンマッチではない。
こういうことならもっと早い時期に作るべきだったが、面倒くさくて材料を用意しながら完成まで半年近く掛かってしまった。



                         ふれあいのこみち 掛川花鳥園

これまで鳥に関しては野鳥専門、それもオーディオだから個別の声を鮮明に狙うと
いうよりは周囲で囀る状況を音で聞くという一風変わった事をやっている。
今日は静岡県にある掛川花鳥園から、室内に放し飼いにされている熱帯地域に生
息する鳥達の囀りというよりは鳴き声を音の風景にしようと家族でやって来た。

ざっと見渡しても20種類はいる感じで、鳴き出すと広いとは言っても室内なので
ややうるさくなるが、せっかく来たのに静かでは意味がないというものだ。
さて、実際には開園を待って入場し人気のないうちに楽しもうと思ったんだが、これ
が幸いしてか賑やかな音場を記録する事が出来た。
このために何か特別に意図することはないので、状況を持ち帰れるお手軽な用意で
PCM−D1とAT822を使い手持ち録音で30分ほど我慢してみる。

最初は元気に鳴いたり飛び回っていた鳥達も開園から1時間ほどが経過すると鳴き
が収まってしまうのを見ると、彼らも腹一杯餌を貰ったからなのだろうか。
餌を買って周囲に見せてやると鳥達が寄ってくるのだが、これがけっこう楽しいんだ
よね。
なぜか糞を引っ掛けられることもなく、頭に乗せたり肩や腕に止まらせたりと触れ合
える経験は当方にとっても初めてのことだった。

肝心の録音のほうだが、スペースの中では立ってらんないので隣(網で仕切られて
いる)のスペースからマイクを向けての、やや遠ざかる録音とした。
とは言え、再生して更に遠くなるようなことはなく、その場で聞いていた通りに再現さ
れるので何の違和感も感じない。
ただもう少しステレオ感が付けられれば面白かったかなとも感じるが、時間が限られているからこれくらいなものだろう。

スペアナの低域に出ているピークは、部屋とを仕切る扉の開閉音で、全体には2khz以上が鳥さんたちの声域となる。
しかし、これも20Khz以上には反応がありませんでしたが、もっと近くで鳴いてもらわないと出ない領域のようですな。
参考までに、今回の音源との距離は2m〜18m位の範囲にあり、25khzのピークは2mの距離からの鳴き声に出る反応
であった。



                         拉致問題を考える

この録音は9月6日に地元公会堂で行われたNPO法人七和会の主催による集会
の模様を記録したものである。
この拉致問題は日本にとって対北朝鮮問題の最重要課題だ。
しかしながら、小泉首相の訪朝以来いっこうに進まない拉致問題に関し、登壇した
横田夫妻の言葉にも顕著に現れていた。

この録音だが、纏めはCD−Rにしている。
これは音質を重視している音源ではないことや、横田夫妻は世論からこの問題を
更に盛り上げて欲しいとの訴えを聞くと、この音の風景からも勝手ながらお手伝い
出来ることがあるかもしれないと思うからだ。

さて、今回は珍しくバイノーラル録音なんてのを使ってみた。
録音機はPCM−D1だが、問題は最近の小型マイクロホンの多くはプラグイン
パワー方式なので2ウェイ方式でないと使えないこと。
当方はECM−T150を使って行ったが、体に直接マイクを装着するので、体を自由に動かせないのが難点。
ヘッドホンで聞くと場内の様子はリアル、ステレオ再生でもいいがスピーカーマトリクスにするとリアが賑やかになる。
基本的にはヘッドホン再生を目的としているのだが、録音では話と拍手のバランスを取らないといけない。
一方的に話を優先すると拍手で鼓膜がやられてしまうので、全体をレベルは−12db前後にしておけば失敗はないはず。
これも確かに記録ではあるが、横田夫妻も70歳を超えており、一日でも早い拉致問題の解決を日本政府に訴えなくてはい
けない。
この記録が、早く振り返ることの出来るものとなり、絶対に後悔する記憶となってはならないのである。
このCD−Rと合わせて、この問題に対する即時解決への陳情を内閣総理大臣 安倍晋三殿宛てに送った。

          ※その後、数日してから総務省から張り紙を貼り付けられて戻ってきてしまった
            それだけではなく、郵政省でも金属探知機での検査で反応したとの張り紙付き
            何をやっているのか、とんだお騒がせとなってしまったようだ



                         FIRE POWER 2007 in Fuji

昨年に引き続きの陸上自衛隊の演習の模様を、東富士演習場の畑岡会場で
収録したものである。
昨年はPCM−D1を持ち込んでの6年ぶりの自衛隊録音だったが、前作を一歩進
められたことは記憶に新しい。
そこで、今年はMR−1000に登場してもらっての演習風景をスケッチしてみた。
最近の自衛隊録音は、もっぱら機器の実力を測るために出掛けているという感じ。
そこで、MR−1000を使って実際を最新のサンプリングを試してみるが、当方は流
行の1bitDSDではなく24bit192Khzで作業した。
理由については、数少ない経験からだがDSDには不向きとの判断がある。

今年は広い会場の中でも最前列にマイクを置いて演習の模様を録るのだが、最前
列は実に9年ぶりのこと。
当時はD100だったが、音は「ボボン!・ババン!」と全くのお手上げ状態で、翌年
からは会場の後方から行うようになったが、昨年の経験を踏まえると出来そうな雰
囲気なので試してみる価値はありだ。
8月25日は朝からお天気最高で風がない。
至近距離の戦車の射撃は、周囲から漏れる声が正直だねぇ。
スタンド席との大きな違いは、射撃すると空気を切る音がハッキリと出ることで、音そのものもエネルギー感がまるで違う体感が全身を包む。
録音として試すとは言っても、特に何か用意したということでもなく半分以上は演習
を楽しんでしまったので、自宅で再生するまでは何がどうなっているのか分からなか
った。

実際にはレベルを合わせて射撃をモニター、歪んでなさそうなら後はそのままにしておくだけだったので全くの期待なし。
しかし聞いて驚愕、まるでそこに居ると錯覚するほどに自然な音場感、射撃から着弾までが直線的に伸びる定位感はこれ
まで体験した事が無かったことである。
昨年の録音とを比較すると射撃の瞬間にやや怖さを感じたが、今回は現地で体験する驚きと同じ体感を再生でも得られる
のである。
また、この定位感もこれまで体験した事が無かったことで、空気を切る音と共に着弾の方向が手に取るように見えてくる。
何でこういう事になっちゃうんだと、しばらく考えてみたがやはり24bit192Khzはダテではなかったのだということか。
こういう事が出来るようになると、これからは場所を選ばずに活動できるということになるだけでもエライ進歩ダゼ。
MR−1000はハッキリ言ってチャチイ録音機だが、肝心な部分にまでは手を抜いていなかったと少しばかり見直しました。
メモリーレコーダーでの192Khzサンプリングは1時間程度である事を考えれば、MR−1000の長時間録音というメリット
は非常に有意義なものとなるはずだ。

以上は、DVD−audioにして聞いた印象だが、これをDVD−videoにして聞くと全く世界を変えてしまうのである。
音そのものには大差がないものの、音場感と定位感が前後に詰まった感じになり距離感を大きく損ねる結果になってしま
い、聞いていてチトつまらない感じに。
やはり、サンプリングが同じでもFレンジを2段階以上落とすということは音の風景のようなスタイルではどうしようもないこと
なのだろうな。
我が家では思っていた以上の結果をもたらしてくれたが、この音源を「箱船」・「はこぶね」両派の大本山に持ち込んで
聞ければ、また違う印象を味わえるかもしれないね。

このほか、8月23日にも行っており、この日は雨と霧の最悪のコンディション。
仕方ないのでLP「日本の自衛隊」をパクル録音をしてやろうという企画を現場で実行してみることにした。
何のコッチャって?、それはナレーションである。
LPでは展示を紹介する喧しいナレーションが入るが、これがマニアには不評であり、機器の破損を予防するための製作者
側の配慮とする意見が、マニアの間では体勢だ。
なら、コイツを生録で実現してしまおうというのが狙いだが、肝心の録音では対戦車ヘリコプター・戦車・地雷原処理車の
みと間が大きく、聞いているとただ喧しい場内放送だけが流れる展開と、企画としては成功でも内容は大失敗。
この日はPCM−D1だったが、随分と雰囲気が違うと感じるのはマイクだけではなく、位置との関係も大きいようだ。

しかし、炎天下の環境は俺にとっては厳しいものとなっていた。
なんと熱中症のような状態に陥り、バスを待つ列で倒れそうになり死にそうになった。
連れには1時間以上も炎天下の中を立たせることになってしまい申し訳なかったが、昨年2時間以上待たされたパネル橋
の下に避難、今度はオイラが橋に助けられることになってしまった。
心臓バクバク、気持ち悪くて立ってられないし、喉も渇くしお茶なんか飲んでみても全く効果なし、ペットボトルを首や脇の下
にあてがったりして涼んでいるうちに連れが並ぶバスの順番に何とか乗り込む事が出来たが・・・・・・。
そんな中にあっても元気な連れの飲み物はアルカリイオン飲料だったなと、こんなところで命がけの学習をしてしまうとは。
その前にもいやな夢を見ており気にはしていたが、まさか俺が死んじまいそうになるなんて。
こんな所で死んでたまるか!本当に思いましたよ。



                         熱海海上花火大会 2007

昨年に引き続きの熱海での花火大会であったが、思いも寄らぬ邪魔が入り録音とし
ては失敗作になってしまった。
まぁ、内容が悪いと言うのが正直なところだが「こういうのもあるよ」という紹介でも
しておこうか。

MR−1000を使った感じから少ない経験だが正確に拾うという部分を花火でも試し
てみたかったわけだが、どうだろう。
確かに花火を録音してみると、これまでは音として聞いた通りに出ない事があった。
主に早く連続する音で感じるのであったが、今回を聞くと確かに聞いた感じになるの
で不自然さを感じることはなかったが、マイクの特性が出た録音にもなっているね。

昨年の録音と比べると、エネルギーというかスピード感に多少の違いが現れる。
D1の時はスピード感のある破裂音だったが、もう少し低音が欲しいという感じだっ
たが、こちらは逆でもう少し芯のある音であって欲しいと思えるのであった。
まぁ、どちらがお好みかと言われれば今回の録音の方がオーディオとして楽しめそ
うなのだが、MR−1000はややDレンジが狭いと言うか制約があるというか、使いにくい。
これは、やはり生録機というよりスタジオをベースに設計されているという事なの
か、レスポンスの良さが返って俺には使いにくいと感じてしまうのだ。
ここまで、MR−1000を1bitで使ってきた印象としては、マルチビットとはやはり
フォーマットの差はあるとなと感じる。
これは優劣を区別することではなく、使い手がどのように使えばよいかを考えれば
よい訳だから、現状で使いやすい物を選択すればよいこと。
確かに16bitと24bitでは大きく差が生まれるが、24bit96Khzで不満がないのも事実なのである。
ただ、性能を追ってしまうと24bit192Khzがあるので96khzじゃぁツマラナイ気もするし、1bitDSDは今旬な話題だから
どうしても傾くのだが、将来にどのようなフォーマットにしておく事が最善なのかとなると、結局は自分以外の環境で聞かせ
られるようになるのかが一番に重要なのである。
これまでなら、マルチビットの世界で進歩していたから16bit48khzで録音しておき、まずCD−R、さらにDVD−Audioと
フォーマットの進化で将来に期待できたが、1bitDSDはある意味完結されているのでマルチビットのような将来像がどうも
見えないし、肝心のSACDでさえパッとしない。
さて、これからPCの世界で発展してゆくのか、ハタマタPS3が起爆剤になるのか、いやいや専用機が登場するのか。
SACDのようなセキュリティーで固められた規格に変わるDSFファイルであっても、ファイルを直再生する考え方はチト首を
傾げたくなる。
それは、録音した元のファイルとを区別する事が出来なくなるからで、あくまでも個人で楽しむ分にはそれでよいが、何か別
に書き込むフォーマットと再生する道具が整備されてこそDSDに対する信用を得られると言うものではなかろうか。
やはりユーザーにとって非常に重要な部分が不明確なのは、実はこれでお仕舞いなのよね、という本音が見えるようで?



                         音の風景2007 会津只見号C11325

音の風景2007待望のアルバムは、SLからの最新録音である。
このカテゴリー最大の魅力はDレンジを上手く使って環境録音を録ることにある。
音の風景は単に発車や通過だけでは面白くないと謳っているが、マイクの向け方は
様々なのでこの辺が当方の「こだわり」となるのだね。

さて、収録の方だが7月8日の運行から全般を楽しむ内容になっている。
会津若松から只見駅を一往復するC11325は真岡鐵道所属だが、この路線では
お馴染みの機関車である。
JRのメジャーなSLは豪華なエアコンなどが装備されたりして観光列車に徹している
が、この只見線はレトロな客車なので当然この季節は窓全開である。
今回は「MR−1000が録るSLサウンドを聴く」と大袈裟なタイトルを自らに科して
魅力を探ってみるのであった。
この路線を狙うなら、塔寺から先がよく当方は柳津辺りから只見までを追いかける。
ここからでも一往復で5ポイント以上は移動できるが、工事とギャラリーに大きく左右
されるため移動しながらの判断になる。

マイクロホンはC4000Bを使って指向性は無指向にしているが、使ってみるとこれがけっこうデカイ!
左のスペアナは若松行きを柳津辺りで迎えたときのものだが、ややオーバー気味で
あっても再生では思ったほど見苦しい感じではなかった。
この録音でこれまでの印象を新たにする出来事として、非常に音源に正確な反応を
示すことで実に雰囲気ある音場を再現してくれるということだろうか。
ある長さで鳴る汽笛というのはDレンジが物を言うが、瞬間的に出す汽笛を聴くとその差が見えてくる。
ただ聞いたただけでは分からないだろうが、これまでの経験や現場の状況とを比較することでこの違いに気づくのである。
残念ながら16bitではこの表現は無理という感じで、瞬間的に大きな音に隠れることがないので実に自然な響きとして周囲
の様子を音で伝えられるようになるというのは、大きな進歩といえるだろう。

また、前作で気になった見通しの悪い部分だが、これはかなり改善された感じで距離感も定位も気にならないレベルになっ
て安心した。
この点を比較する意味で7月7日の録音から最後2トラックはボーナストラックとして収録してある。
答えはスペアナをチェックすれば一目瞭然としてしまうが、この辺は音源に合わせて使い分けることが最善だが、俺には
必要ないといった感じがする。
最後に、このアルバムには磐越西線のC57180の発車も収録しているが、駅で録音しているといった雰囲気を作っている
が、これも実は1bit録音の実力の証でもあるのです。



                         音の風景2007 八ヶ岳

昨年はPCM-D1で一通りの音源を録り歩いたところで、今年は何かマイクロホンでも
買って本格的にでもと思っていたら、音の風景に更なる録音機が登場してしまった。
どうしても1bit録音を体験してみたかったからだが、その仲間はMR−1000。
このMR−1000は、1bit録音でも2倍のサンプリングで記録が出来るというのが
売りで、屋外でも使用可能な最先端機器であるが、実力のほどはどうなのだろう。

8年以上使った16bitからやっと24bitへ発展できたと思ったら、一気に1bitDSDに
ジャンプアップするのは音の風景には少々早すぎる気がしないでもない。
せめて今年1年はPCM−D1で過ごしたかったのだが、MR−1000を手にした以
上、まずこの録音機のポテンシャルを試す事が先決と大幅な軌道修正となった。

このアルバムは6月の録音から纏めたもので、1bit5.6MhzDSFでの収録。
当然だがDVD−AudioにするにはAudioGateというソフトを使って、フォーマットを
24bit96Khzに置き換えるのだが、これがまた予想に反して差をほとんど感じないレベルで変換してくるのには驚いてしまった。
肝心の1bitによる録音の音質に関しては、使用しているAT−4040が全くの不調でノイズだらけなので、この録音だけではチト評価を断定するのは難しい。
八ヶ岳へは都合4回出掛けているが、全体を通した印象は2khz辺りから上に出る囀りな
ど実に自然に聞こえるという感じは、1bit録音の特徴とされる再現性の高さを感じる一方、何か薄化粧されているといった
感じで見通しがよろしくない音でもある。
この音はデジタルでもなく、またアナログとも違う音の印象で、概して大人しいサウンドになってくるのだった。
このフォーマットを使うSACDは一枚も所有していないので分からないが、やはり傾向は同じらしいと聞いている。
このデジタルとアナログの中間的音に関しては、どうやら1bit録音の特徴のようだが、それ以外の部分は回を重ねると
印象が変わるかもしれない。

上の左右に分かれるスペアナはアルバム内容を代表するシーンからだが、左の1Khzを中心に分布するバーはキツツキ
のドラミングでざっと40m先の正面から、右は近くを鳴きながら飛び去るホトトギスの部分で2khz辺りのピークがそれ。
冒頭では夜明けから木材の運搬を始めるトラックの音が少々喧しかったり、思いっきり楽器を吹く音が遠くから響いてくる。
また、右のスペアナの500hz以下にあるピーク値はマイクロホンのノイズで、発生源をいち早く特定できなかった事が悔や
まれる。

しかし、このスペアナにはもうひとつ特徴があり、20Khz以上に反応がないことに気が付くことだろう。
これは何を意味するのかといえば、音源の近くで囀る鳥が居なかった証拠なのであるが、近くに来ようが遠くに居ようが、こ
の手の音源はマイクロホン側も高感度でありたいもの。
やはり録音機側だけの操作では思い描いた構図には至らなかった結果で、再生では一応音量不足を感じない程度のレベ
ルは確保しているものの、やはりもう少し録音で稼いでおきたいね。

今回使ったAT4040は、まず試すという意味で使っているが、音の良し悪しではなくSNが良いから何とかなるものの、決し
てこの手の音源に向いているから使っているわけではない。
何でもフラットな音の良いマイクロホンを使えば良いとは限らないし、ファンタムを使うマイクだから全てに良いとも言えない
のだ。
やはり使い方には一考の余地がありそうなので、次回以降でまた確認したいと思っている。
何か期待していたものとは違う世界を覗いてしまったようだが、しばらくは二通りのサウンドが音の風景を彩りそうな気配で
ある。



                         Response 2007

いつもこの時期はOFFシーズンなのだが、この時期お馴染みの梵鐘を取り上げて
みた。
昔懐かしい音源なのだが、現在を記録するのは初めてになる音源である。
ジャケットは我家のシステムからタッチをアレンジしたもので、システムの反応を
楽しむというかチェックするといった意味を込めてResponse 2007とした。

内容は、昨年の録音から自衛隊の部分と今回の梵鐘を取り上げている。
自衛隊についてはこれまでに語っているので省略するが、今回は東大寺の梵鐘を
取り上げることにした。
何といっても響きが長く独特な音を響かせる東大寺の梵鐘は、個人的にも一度聞い
て見たかった音でもあるのであった。
収録は、音源から2.5mの地点から収録したもので、かなりダイナミックな音だ。
除夜の鐘であるので、余韻を楽しむまもなく打たれてしまうのが少々残念だが、本
物の音はCDでは味わえないものがある。

実際の録音はマイクをC−355にして行い、MONOに近い録音をしている。
これは移動感のない音源の余韻を出来る限り録っておきたいということからなので
ある。
録音する位置を3箇所を設定したが、何しろ回転が早いので7mほど離れた場所と2.5m付近の2箇所だけでタイムアップと想定外の展開だ。

梵鐘と一口に言っても、やはり叩き方ひとつで音も変化するという感じだが、ほとん
どが思いっきり打っているものの、時々打ちそこなう場面がある。
聞いていると、目一杯振るよりも多少手加減する格好になる方が、むしろ余韻を美しく響かせるようである。
やはり、力一杯振れば大きい音(良い音)が出ると考えがちだが、程々にしておく方が全体としてバランスするようだ。

再生では、ウラヌス程度でも再生可能であるが、十分な音量を出そうとするとサテライトが悲鳴を上げてしまう。
また、メインで聞くと今度は部屋が鳴ってしまうので困ったものであるが、久しぶりのことなので最初は何が起きたのかと
スピーカーを確認してしまったほどだ。
日本の伝統文化の象徴のひとつの梵鐘だが、海外の鐘にはない雰囲気は除夜の鐘だけにしないで欲しいがなぁ。




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