第3回 リトルコンサート

 今年で3回目となるピアノの発表会は、我が家の子供達が習い始めて迎える
 最初の発表会である。
 このアルバムは、そんなひと時を「ひまわりの郷」音楽ルームでの模様を記録
 したもの。
 機会を頂いて録音させていただいたこのアルバムは、希望者に差し上げること
 となった。
 アットホームな雰囲気の中での発表会は、時間を忘れさせてくれる内容。
 いつもは、いい加減な弾き方しか聞いたことの無かった自分にとっても、子供
 の成長ぶりを実感できるものであった。
 録音は、後方から場内の様子を入れるものとした。
 それぞれの紹介にはPAを使わず、大きな声で紹介するが、これがまた聞いて
 みると会場の雰囲気がよく伝わってくる。
単なる発表に終わらず、楽器を使った演奏や会場の皆さんを巻き込んでの歌を入れるなど、進行も見事であった。
短期間で子供達の能力を見事に引き出す先生の指導力には驚いた。
この日は、寒い小雨模様のあいにくの天気であったが、子供達の満足げな顔を見ると、寒さもいつしか忘れていた。
録音のポイントは、近くで拍手する人の音をうまく抑えて室内の反射を上手く使うことが求められるが、結果はまあ
まあというところ。もう少し場所を煮詰めたかったというのが反省だ。
ただ、当初からCD−R製作を前提としているので、撮影など完成までのシナリオを瞬時にイメージできないと喜んで
もらえる作品に出来ないから、これも仕方あるまい。
                        Indy Japan 公開テスト第1日

 Indyといえばインディー500と、馴染みのない人でも想像できそうなくらい歴史
 と伝統のあるモータースポーツの代名詞。
 その歴史は日本の明治44年に始まるというから、これまた驚きなのである。
 来年4月にもてぎにやって来るのは、IRLシリーズを走るマシンである。
 IRLとは、Indy Racing Leagueの略で、Indy500をその頂点にオーバルコース
 を中心に年16戦が行われている。
 Indyという冠は一度日本を走ったことがある。日本インディーとして富士で開催
 された。
 当時は左回り4.359Kmで争われたが、オーバルでないコースに全く面白みがなく
 一度だけの開催に終わってしまった。
 本来なら、日本Indyと大々的にPRしたいところだろうが、Indy Japanと銘打つ
 背景には、過去の歴史が見え隠れしているようなのである。
さて、2日間で行われる今回のテストは、CART日本上陸の際にも行われた。
ドライバーは、サム・ホーニッシュJr。2002年のシリーズチャンピオンである。
今回は、全くのデータ取りに終止する走りであった。
数周走っては暫くピットストップと、この日はタイヤ・サスペンション・燃費などを中心にメニューをこなしていたようだ。

録音は、第一ターン辺りにマイクを置き午前中は正攻法で、午後は再生を考慮した録音にした。
まず、2シーターの調整不足の音を聞いてから、V8 3.5のサウンドをベストラップの走行で聞く。
後半は、コースを一周するマシンの音が伝える場内を大音量で楽しむといった内容だ。
実際の音は、70年代に聞いたF1の音を思わせる音だった。
ターボのような刺激ある音ではないが、思ったほど音は悪くなかったと言うより、これが本当だろう。

もてぎには、この日の感想や思ったことを書いて送ったら、早速返事が返ってきた。
やはり、日本におけるIRLの知名度を気にしているようだ。CARTの成功から、新たな方向を模索しているもてぎの
オーパルコース。
とにかく、この大会を成功させたいという関係者の願いがIndy Japanから日本indyへと成長して行くことを願わずに
はいられないのである。
               日本SL紀行 奥会津

  昨年、27年振りに只見線に復活したSL運転は大きな話題を生んだ。
 撮影ポイントが多いことでも知られているこの只見線に、それもC11がその主役と
 あって、地元でもこの復活運転には大きな期待が寄せられた。
 今年も昨年に続いての運行となったが、ファンを一喜一憂させたようである。
 補機を付けずに運行されるということで、黒い煙を期待したファンの前に姿を
 現したC11の煙は白かったのだ。
 あちらこちらで溜息が漏れていたが、録音には補機のない録音は大いに結構!
 沿線には、地元の人々も多数詰め掛けて凄い人出になってしまった。
 この只見線は、録音する場所がそう多くない。
 ましてや、どこにでも人やカメラマンの姿があるので、範囲を広く置く。
 特に、重点を置きたかったのは、「らしさ」の追求だ。
 これまでのSL録音は、Dレンジを最大限に使うことを目的としてきたが、
今回はこれに「質感」を加えることで、「らしさ」を引き出したかった。
マイク2本では大変難しいのだが、多少オーバー気味になるかもしれないが、是非チャレンジしてみよう。
当初、アルバムなどを意識していなかったのだが、今回は話し声が「らしさ」に一役買ってくれた。
カメラマンの大声で叫ぶ声に始まり、通過を待ち望む人の話し声、そしてSLの絶叫とそれぞれに質感を感じる。
中々、すべてに上手くは行かないが、良い経験になったと思っている。
このC11325は、真岡鐵道を走る機関車だが、こんな実力を秘めているとは知らなかった。
通過一回に、約10分の録音が可能な路線は本州では只見線以外にはない。
このアルバムは、関係する機関にお送りすることにしよう。

               2002 ゴロワーズ パシフィックグランプリもてぎ

  モータースポーツから2輪を取り上げるのは初めてだ。
 今年から大幅なレギュレーションの変更で4サイクルマシンが再び脚光を浴びる
 こととなった。
 今大会の注目は、KAWASAKIのグランプリ復帰である。
 20年振りにライムグリーンがサーキットに姿を現した。
 すでに総合チャンピオンはバレンティーノ・ロッシに決定しているが、この新たな
 歴史の始まりのを、音で楽しもうとCARTでもお馴染みのツインリンクもてぎの
 ロードコースへとやってきた。
 CARTと違い、予選は時間内でラップタイムを競うので、常にマシンがローリング
 している為に録音だけて゛聞くと、何が何だかわからなくなる。
 今回のアルバムは、その点を考慮して出来るだけマシンの音に動きのある場所
 での録音を心掛けた。
最初のシーンは、急減速から立ち上がるヘアピンカーブの模様を、午前中のフリー走行から聴く。
最初のうちは、路面を確かめるようにコーナリングして行く様子が音からも伝わってくる。
後半は、公式予選の開始と終盤の様子を伝えている。
V字コーナーを立ち上がるマシンの悲鳴とダウンヒルストレートを駆け下りるマシンのサウンドの違いはリアルだ。
中でも、トラック12に収められている加藤大治郎の操るHONDA RC211Vの1分49秒02はコースレコードだ。
2サイクルそして4サイクルエンジンの音の差や、4サイクル3・4・5気筒の音の差も聞くことができるので、違いを聞くだ
けでも楽しめる内容だ。
来シーズンは4サイクルマシンが主流になるグランプリが予想されているので、2サイクルマシンのサウンドは貴重な
音の資料になるに違いない。
 
          
                        北八ヶ岳 八千穂高原

  ここ数年は山梨県側をベースに自然を音で楽しんできたが、八ヶ岳周辺には
 他にもいくつか楽しめるところが存在する。
 その一つが長野県側に位置する八千穂高原だ。
 周辺は、標高1200m〜1500mの範囲に広くポイントが存在するので、比較的
 長期間にわたり野鳥録音が楽しめる。
 この日一番のポイントは、標高1500m付近の林に集まっていたようだ。
 そんな夜明けからの数時間を聞かせるのがこのアルバム。
 出来ることならドラマやハプニングでもあれば楽しいのだが、実に静かな朝で
 あった。
 これまでなら、CD−Rにはならなかった内容だが、このアルバムは全くのBGM
 仕立てにしてみた。
 聞いていると少しずつ鳴き声が変化して行き、日差しが差し込むとまた鳴き出す
様子が時間の経過と共に音で楽しめる。
野鳥の分布もおなじみの声ばかりであるが、春を告げる鳥から夏を彩る鳥達までと多彩である。
音源と適度な距離が実に心地よい。周囲からのノイズ(車や風)も全くないので正にリラクゼーション!
涼しい部屋で昼寝する時は、この朝の高原を聞きながらに限るね!

               別荘地の朝 第2話 軽井沢

  すでに野鳥の世界も衣替えの季節になっているようである。
 この季節の軽井沢を訪れるのは久しぶりだ。
 日本各地には野鳥観察が出来る施設は多数存在するが、自然を上手く使っての
 施設となると数えるほどになってしまう。
 今回のポイント近くには、軽井沢野鳥の森という日本を代表する場所がある。
 野鳥生息数では富士山麓、奥日光と並んで軽井沢も野鳥の宝庫であることは、
 意外に知られていない。
 すでに、夏鳥の姿も見られる軽井沢の朝を今日は、楽しみにやって来た。
 特に何を狙うといった訳ではないが、一人朝を待つことにした。
 軽井沢では近年、別荘地での熊の被害が急増しているとか。
 夜明け前の野鳥の森を歩いてみたが、恐ろしいくらいの静けさだった。
 直感的にこれは危険であるなと判断して、場所を鶴溜付近に変更した。
夜が明けて驚いた! またもやキツツキの登場ときたもんだ。それも、かなり近くで数羽がドラミング。
自分でもこれだけ近くで聞くのは初体験で、これがまた凄いんだ。
更に、少し場所を変えて流していると、今度はヤマガラの一団が現れた。別荘地ではお馴染みの鳥である。
録音では、こんな様子を楽しむことが出来る。奥日光のような空気ではないが、梅雨時の別荘地の風景である。
それにしても、カラスには参ったもんだ。マイクの真中でカァー!、左に飛んでカァー、今度は右に戻ってカァーだって・・・。
ナンダこのカラス? 俺を試すのかバカやロー! 右左間違えるわけねェだろッうの!・・・。

                    奥日光 光徳園地の朝を聞く

  当初、5月後半に予定していた東北一周の旅も都合で実現できず、チャンスを
 逃してしまった事もあり、今回は当てのない旅となった。
 福島からの帰りに寄ろうと思ったのは軽井沢だったのだが、なぜか気が変わって
 野鳥の生息数では、200種類以上を数える奥日光に足を向けてみた。
 録音で訪れるのは7年振りになる。前回はエゾハルゼミが聞きたくて訪れたっけ。
 ここ、光徳は牧場を中心として高原でのキャンプなどが楽しめる場所。
 時期的には、戦場ヶ原ではカッコウ、光徳ではアカゲラやツツドリなどの鳴き声
 を楽しめるはずなのであるが、本日はいかがなものかと耳を澄ませると・・・。

 夜明けに合わせて聞こえてきたのは、なんとアカゲラだった!
 それも近くでそこかしこからドラミングを聞くことが出来るではないか・・・。
 しかし、驚きと同時に落胆も大きい。それは、週末に訪れた人間の残したゴミに
群がるカラス達だ。
このCD−Rではそんな朝の風景をリアルに伝えるものである。
静寂を切り裂くカラスの鳴き声、360°のサラウンド空間を演出するアカゲラのドラミングは聞いていて、なんとも
アンバランスな高原の風景である。
これは人間が持ち込んだ典型的な環境変化だ。しかし、これが現実なんだと思うと本当に残念である。
世界遺産を持つ日光にカラスの鳴き声はお呼びでないのだ・・・。

また、ヘッドホンで聞くとアカゲラが木を昇る音や気配、そして木を突つく音などに質感を感じることが出来る。
冒頭に収められた約10分間の音の風景は大変素晴らしいものだが、本当はツツドリに会いたかったんだなァ。
 
                        別荘地の朝 第1話 富士山麓

  色々と音のスケッチをしてみても、継続することで一枚のCDになるときと一発録音
 がそのまま生かせる時など様々。
 また成果のまとめ方も、当初の目的通りもあれば新たな表現に置き換わるとも
 ある。
 紹介するこの「別荘地の朝」は、録音の結果で言えば何も生まれない内容である
 が、願っていたキジの録音が出来た事にはじまる。
 本来は継続が必要な音源なのだが、以後の方向性は何か見出せまいかと聞きな
 がら頭に浮かんだのが「別荘地の朝」というタイトルだった。

 そこで、タイトルに合わせて別荘地の賑やかな朝を繋いでみたのがこのCDである。
 この編集でのポイントは、フェードイン・フェードアウトによる繋ぎではなく、そのまま
 を繋ぎ合わせる。
これは、自然な感じを維持させるためには非常に大切なことであり、急激な場面変化ではリスナーのイメージを壊す結果
になるので、このような場合は特に注意しなければならない。

15分という短編であるが、静かな別荘地の片隅で鳴く鳥たちの中に、左手からキジが時々鳴いて移動して行く。
キジの声がマイクとの距離を明確にしてくれるので、移動して行く方向が良く分かる。
通常再生でもマトリクスでも良いが、マトリクスにするとマイクのセッティングがキジに向いてないことがハッキリしてしま
う。
今回は録音の仕方に関しては失敗であったが、その反省から新しいテーマが生まれたという紹介である。
第1話などとしたので、何れ季節や場所を変えたものを集めて一枚にしたいと思っている。
 
               2002 CARTシリーズ第3戦 POTENZA500

 
今年もまいりましたツインリンクもてぎのオーバルコース。
 今大会はいろいろな意味で予選が大変重要であった。
 20世紀を走り抜けたターボ・エンジンも今シーズンをもってその歴史に幕を下ろす。
 言ってみれば、最初で最後のターボ・エンジンを克明に記録するチャンスである。

 前回の録音を基本に、是非とも加速する音を記録したいと予選に的を絞ったのが
 このアルバム。
 収録時間の関係で予選3番手の中野信治から聞くことになるが、何度聞いても
 本当にシビレるいい音だ!
 今回は、バックストレッチを走るマシンの音と騒々しい場内放送をできるだけ聞き
 分けられるように工夫した。
具体的には、第3ターンの進入、そして第4ターンからのフル加速を聞けるようにするのがひとつのポイント。
また、バックストレッチを走るマシンの音を歪ませずに記録することも大変重要になる。

実際の録音では、これまでに体験した位置よりも5m以上前に出ての録音が可能となった。
風を防ぐ位置での録音でもあり、結果も素晴らしいマシンのサウンドを聞くことができる。
こういう録音ができたおかげで、トップと最下位の差は1秒足らずでありながら、セットアップの違いは一目瞭然である。
ポールポジションのB・ジュンケイラ(表紙下)のマシンは音でも絶好調であった。

今回は、録音機にポータブルMDを使ってみた。
DATに比べると、SNや収録時間などで不利ではあるし、ディスクを選ぶ必要もある。
しかし、条件を整えればDATと遜色のない録音が誰にでも楽しめる事も確認した。
使ってみると想像以上の出来に満足といった一日であった。

                        2002 フォーミュラ・ニッポン第2戦 公式予選

 このCD−Rは、あるオーディオマニアの方にチェックを依頼するために制作した
 もの。

 モータースポーツの録音でも一番難しいのは急激な加速を捕らえることだろう。
 この点を改善したいと訪れたのは富士スピードウェイ。
 この日、フォーミュラ・ニッポンの公式予選が行われていた。
 快晴の絶好のレース観戦日和とあってか、予選にも1万人近くが押し寄せた。
 今回の最大目的は、付加装置を使わずにどこまで収録可能なのかを探ることに
 ある。
 特に問題なのは、再生したときのエネルギー感だ。
 ギリギリの録音をしてしまうと、十分な音量を得る前にスピーカーユニットを心配
               しなくてはならない。

そこで、歪み対策と合わせて再生にも配慮する録音を、富士のヘアピン付近で実践してみることにした訳だ。
再生でも、1時位まで耐えられる問題ない仕上り。音にも問題ないがどういうF特になっているかが気になるところだ。
そこでお願いすることになったが、何もせずに聞いていただくのは心苦しいので、こんなCD−Rにまとめたわけ。
ただ聞いただけでは退屈なものかもしれないが、自分なりのノウハウを生かし体験した経過報告。
やっぱり、こういう時はジャケット勝負ってか!?

       
       ソフト紹介3へ
         ソフト紹介5へ
                        東洋のガラパゴス 奄美の自然
 
 奄美大島への訪問ははじめてであった。
 時期が3月としう事もあってか、音の世界もまだ本番を迎えるにはチト早い
 ようであるが、周囲の自然をスケッチしたアルバム。
 収録時間はおよそ36分で4トラックからなる構成。
 浜辺で聞く潮騒、そして夜明を迎える島の様子を南部のヤドリ浜周辺から
 亜熱帯の空気を楽しむものである。
 この時期は、アマミアオガエルが元気良く鳴いている。
 周囲に点在するカエルの鳴き声は生息範囲の大きさをよく伝えている。
 夜が明けてくると、遠くに聞こえる波の音とともに鳥たちの声も聞こえるよう
 になる。
 本州でも見かける鳥達に混じって天然記念物にも指定されているアカヒゲの
               鳴き声が飛び込んでくる。
この時期、盛んに鳴くアカヒゲの声を聞いた時は感動した。「ヒーヒョヒョヒョ・ヒルルルン」と涼しげに鳴く声を、まだ
薄暗い雑木林の中で聞いたとき、あぁ亜熱帯の島なんだなと実感した。
3月だというのに、気温はすでに25℃にも達する奄美の空気はすでに初夏を思わせるものであった。
 

                         2002年度版