リトルコンサート 第5回(2004)

今回で5回目となるピアノの発表会(リトルコンサート)からの一枚だ。
子供が習っているということで、軽い気持ちで声をかけてからの縁で今年が3回
目となった。
今回はこれまでの連弾から、自ら弾きたい曲を演奏することになりリハーサル
にも力が入っていた。
会場は例年どおり港南区民文化センター「ひまわりの郷」である。
ひまわりとは、我々の住む港南区(横浜市)の花から名づけられた。
この日は汗ばむような一日で、とても12月とは思えない陽気だった。
今回は録音にSBM−1を使っている。
これは、部屋とのマッチングから音の硬さを緩和してピアノらしさを出そうと採用
した。
どうしてもマイクは部屋の間接音を拾うので、マイクの位置は高く置くことで出来
るだけ拍手と間接音を軽減する工夫をしている。
また、今回はバイオリンとピアノでの演奏が披露されたが、これが録音としては面白かった。
とかく単調になりがちなピアノの演奏を、バイオリンがその場の遠近感を作り見事に部屋に再現してくれた。
これはチョッとしたハプニングであったが、演奏者にとっては貴重な一枚となろう。
最近のCD−Rのケースは総てが透明のケースとなっているものが多くなってきている。
製作で難しいのは、左端の透明部分にジャケットの左部分を延長しなくてはならないこと。
気にしなければそれまでだが、どうも完成度が下がるので正確に繋がるよう纏めている。
F1 JAPANESE GRAND PRIX SUZUKA 2004

やっとのことでマスターが仕上がったので、家族がいない事をいいことに再生し
て効果を確認していると、突然、後ろから女房に怒鳴られ驚いた。
聞くと、100m近く手前から音が聞こえると憤慨している。
それほどの大音量にしていたと言うべきか、それとも遮音がなってないと言う
べきなのか、いえいえ単なる常識外れなので御座います。
ちなみに、本物は鈴鹿から12Km彼方の四日市まで確認できるそうで、所詮
やっていることは箱庭程度の話なのですな。
話は変わるが、これまで長く使ってきたD100だが、この録音で寿命を迎える
ことになった。
6時間ほどの録音で使えるものは、たったの110分だけ。
雨の金曜日は、何故かレベルが高く歪んでいるところが多く失敗。
決勝は、パレードを含む全てがノイズだらけでこれまたガッカリ。
本命の予選も、最初の10分は全くのお手上げであるが、それでも第2セッショ
ンは何とか聞ける状態が続いており、安堵した。
このアルバムを纏めるのにエラク時間が掛かってしまったのは、ほとんどダメなので聞く気にもならなかったため。
ここの所で、ようやく時間が取れるようになったので、諦めで聞きながら結果を最終的に確認出来た事で完成した。
今回の録音の目的は公式予選を記録するのであるが、IRLなどと違い全くの1台がコースを周回するのではないので
移動感を確実なものにしたい。
また、今回の場所であるバックストレートから見る会場の様子を、出来るだけ遠ざけることのないものにしたいのである。
ただ、聞き手には必ずしもこの考えは受け入れられるものではないが、上手くいけば室内が鈴鹿のコースに変貌する。
録音を忠実にこなすのなら、マイクではなくATTを使えば大半は問題ないが「場」を再現するにはATTは使えない。
そこで、当初から通過の音には多少の我慢を覚悟で行うことにするが、録音する楽しみはここからなのである。
現場では、マイクを通過に合わせて左右、前後に動かしながら歪みを最小限に留める工夫を実行している。
肝要なのは絶対に主たる音像がぶれないことで、基準は場内放送とした。
結果は、ほぼ思い通りの経過であったが反省としては、ヘアピンの立ち上がり200R通過とバックストレート通過が重なる
と、チト苦しい感じになること。
このやり方は、最大音量にレベルを合わせでなく、マイクの感度差を巧みに使うという荒業であまり思いつかないだろう。
全体として、バックストレートの通過では頭打ち感やオーバーかな?と言う感じをうけるが、瞬間的な話である。
ここでATTを入れると安心できるが、大音量にすると音の輪郭がどうしてもソフトになってしまう。
肝心の移動感は、思っていた以上に素晴らしいく、全くをもって鈴鹿の俺の居た場所で聞く音になった。
デグナーからヘアピン、そして200R通過など、これほどの前後感を体験するのはLPレコード以来の感覚である。
2チャンネルでもマトリクスでも楽しめるが、佐藤琢磨がリーダーボードのトップに立った時の会場の様子はそのまんまだ。
先に話をしたが、コース上には都合3台のマシンが周回している関係で、各マシンにトラックマークをヘアピン前後に付けて
みたが、これが54トラックも付けるハメになった。
これを分かりやすくするためにコース上の3台を、コースイン・タイムアタック・コースアウトと区別、表で分かりやすく纏めて
いる。
音の風景 Fマリノスvsジェフ市原

このミニアルバムは、サッカーを取り上げたもの。
と、言っても試合を音で聞くというものではなく、会場の様子を楽しむもの。
日常の生活空間にも、フト音の広がる空間が現れたりすることがある。
これまでにも街角の風景をスケッチしたりしたことも多い。
この一枚は、その中のサッカーを横浜国際競技場での臨場感を聞くもの。
ホームのマリノスの選手を紹介する盛り上げ方が実に聞いていて楽しい。
また、試合運びに一喜一憂する会場のドヨメキも聞いていてハッとさせられ
る。
2チャンネルでも充分に広がるので、会場の広さを自らのシステムで体験
出来るものである。
録音としては、前半の後半部分を記録したが、何しろストーリー性に欠ける
ので、こんな8cmCD−Rにするしかなかったのが残念。
では、2004年の覇者を決めるレッズVSマリノスを狙おうと思ったが、チケッ
トがすでに完売でございました。
気軽に録音して自ら楽しむのであれば、音源に制約はないといったことでも
それぞれの生活の中から音を探してみるのも、また楽しいだろう。
こんな感じの纏め方は、紹介以外にも何枚か製作している。
SLやまぐち号 25周年記念号

国鉄時代のSL復活として脚光を浴びた山口線の蒸気機関車。
1979年8月1日の運行から、はや25年が経過した。
この25周年を記念するイベントが開催されると聞いて、5年ぶりに当地を訪れ
た。
ジャケットを飾るのは、C571と25周年を記念するヘッドマークである。
2日間の日程で4シーンを収録する予定であったが、台風10号の大雨でDAT
が故障するというアクシデントに遭遇、散々な夏休みとなってしまった。
内容は、約20分の収録から仁保、徳佐、そして篠目を紹介している。
特に篠目駅では、C57とC56がすれ違うという記念行事をダイジェストする。
ただ、大変残念なことは汽笛まで同時となってしまったことで、ロケーション抜群
な環境であっただけに非常に心残りを感じるのであった。
また、仁保では録音困難という環境を上手く編集(単に繋ぐだけ)することで
一連の行程を再現するといった工夫を加える纏め方を実践した。
徳佐のシーンでは、こだまの動きを考えた録音にすることで、単調になりがちな通過シーンを絶気という合図から動きある
ものに変える試みを楽しんだ。
山口線はどちらかというと広々した所を走るため、汽笛の連続が期待できない。
従って、周囲とのバランスを取りながら行う必要があり、どういうものかをまず知る必要がある。
今回の仁保での成果は、そういう意味でも大変有意義なものとなった訳だ。
最悪のコンディションの中での録音となった今回たが、それだけに貴重な一枚となるに違いないと思っている。
音の風景 dead copy

オーディオマニア宅に訪問する時は決まってmyCDを持参する。
理由は簡単で、当方のボンコツステレオに合わせた録音がどのように聞けるの
かがその答えなのだ。
これまでにも、ラジカセやヘッドホンステレオ、スタンダードなシステムや高能率
スピーカー、超高級システムとそれぞれに印象の違いや発見もあった。
ただ、音源をいちいち探して聞くので、肝心な場面を聞き忘れるなんて事も。
そこで最近、こんなものを作ってみた。
音の風景の主張は、豊かな音場感を伝えることにあるが、場面をドラマとして
ではなく要点を短く聞かせるものにした。
収録はお決まりの内容だが、27分程度で1分程度の間隔で移り変わる。
ゲテモノだから興味がないと、これでも耐えられないかもしれないが、変化は
一目瞭然である。
決してシステムをテストするための物ではないが、ステレオとしての基本である
左右・音の強弱・音像の大小やその場の空気と言った点を、生録から再確認してみようという事にでもなろうか。
ジャケットは、音の風景のフィールドである日本列島、そして裏には収録した地域をそのアルバムジャケットが示す。
これは、言わば当方の名刺代わりとなる一枚である。
日本SL紀行 汽笛(遠い過去への旅)

このCD−Rは、父の日に汽笛の音を送りたいと願う、ある方の願いを叶えるた
めに製作した特別盤である。
1997年から2003年までの範囲を基準に汽笛の美しさを捉えた逸品だ。
製作に関しては、すでに構想が決まっていたので時間はかからなかったが、
父親への感謝を十分に伝えることには、苦労が伴った。
こちらからの一方的な製作過程に、短くも大変重い一言は生きなかったからで
ストーリーを描きながらの作業となった。
収録も国内のSL各路線から、それぞれを紹介している。
特に気をつけたのは季節で、雨があり、風があり、そして四季があること。
依頼者からは「昔遠くで聞いた汽笛が聞きたい」とあるため、通過や発車にも
必ず近づく、または遠ざかる所に汽笛が効果的に入るものが良い。
都合60分の内容を聞くと、自分で言うのもなんだが本当に素晴らしい。
見開きのページには、力強く走る機関車をバックに、汽笛への扉を開く言葉に感謝の一言のみだが、それで十分だ。
また資料すべてが現代のものだが、懐かしさを呼び起こそうと、カラーではなくセピアに統一してみた。
更に、本来なら詳細は状況が必要になる解説やトラック情報も簡素な表現とした。
聞き手にとって必要なのは「音」であって、形式ではないからだ。
自分にとってのSLの実際は数えるほどで、むしろ復活してからの記憶が新鮮である。
しかし、我々が聞いても何故か懐かしさを、いや哀愁を感じるこの蒸気の汽笛。
今、この復活運転を幼い頃に見て育った若者が、機関士に挑戦していると話題に上る事が多くなった。
子供心に見たSLは一生懸命であり、元気であり、大きく強く見えたに違いない。
通り過ぎる汽車に、つい手を振ってしまう自分に、日本人の心の故郷を感じてしまうのは俺だけだろうか。
岩手山 柳沢コース馬返し

いつもなら6月になると関東周辺の山々をマイク片手に歩き回るのだが、今年
は一歩踏み出して岩手県のシンボル岩手山を訪れた。
野鳥録音で気をつけているのは、思い描く姿に何時出会えるか。
今年は、5日間の連続休暇を使って、その姿を求め岩手山にやって来た。
日程は事前に計画する必要があるので、行ってみて現地で考えよう。
滞在中は風もなく、終日晴天とあって心配したのだが、出迎えは見事だった。
どこに行ってもそうだが、広大な範囲のどこに置くかが問題だ。
高い木を好む鳥、深い森や藪を好む鳥などが時間経過と共に交差して行く
場所を瞬時に探すしかない。
今回は、柳沢コースから5分ほど歩いたところから谷に下りてそのままにして
おいた。
2回の録音を実施したが、成果もまずまずで60分の内容で一枚が完成した。
今回は終始鳴きつづけるウグイスを、どう料理するかだった。
この時期はあまり移動しないので、まともに受けると単調なリズムの繰り返しになるのを回避したい。
そこで、音源を真後ろに置いて条件を探ったのが功を奏することに。
深々と鳴くウグイスが遠近感を見事に演出してくれた。
生態的には八ヶ岳と大差がないし、劇的ではないにしても空気感も似ているので、間違えてしまいそうである。
編集は背景が変わらないので、シーンをダイレクトに繋げている。
もちろんマトリクスにして聞くのだが、斜面で録音している感じが出て60分間は全く退屈しないのである。
森の中から

このアルバムは、ひょんな切っ掛けから製作することになった。
小学3年生の国語の教科書に「きつつきの商売」という話があるのだが
その中で、森の中を瞼に描くと何が聞こえてくるのだろうという授業を女房が
参観に行ってきた。
女房はこの授業を見て、キツツキのCDを作ってくれと煩いのだ。
聞けば、いろいろな動物などが飛び出してきたらしいのだが、実際に体験した
人と問われるとほとんど手が上がらなかったかったそうだ。
そうは聞いても、当人はあまり気が進まなかったが、それではと作ったのが
「森の中から」である。
トップを飾るのは、授業に使われた森の様子の写真をそのまま拝借。
ただ、体験者が語れば、こんなところに収録されたキツツキや野鳥の姿は無い
と事実に反する気になるが、ここはあくまでも進行に沿うことにした。
内容はアルバム「アカゲラ」・「奥日光高徳園地」・「別荘地の朝軽井沢」などか
ら、キツツキや高原での様子を17分程度に纏めてみた。
17分という時間は、授業の中で児童が飽きずに最後まで聞ける時間と判断してのもの。
先生のお話では、音が出た瞬間から教室が静まり返ってしまったとお聞きした。
やはり、事実を伝えると言う意味で新鮮であったに違いない。
大人でさえ、実際を聞いたことがある人は意外に少ないものなのかもしれない。
ただ残念なのは、我々の地域にこの環境が無いことで、そういう意味において本当に役に立てないのが悔やまれる。
新春 琴2004 あぶくま洞

新春を飾るに相応しいというか、一体何が起きたのかというような話題が登場。
しかし、動機が不純かもねぇ。
場所はあぶくま洞といい、秋芳洞や龍泉洞と並ぶ鍾乳洞である。
これまでにも日原鍾乳洞では水禽屈、水禽といえば手作り水琴屈なんてのも
体験したことがある。
そう言えば一度、一級河川の放水路の完成を祝って、巨大なコンクリートホー
ルでコンサートがあるとの事で志願したが、願いは叶わなかった事もあったな。
自然のホールでのコンサートなどは、決して珍しいものではないが、何時どこで
行われるかが良くわからない。
今回は、幸運にもその機会に恵まれての、琴の響きを聞きに来た訳だ。
場所は洞内の滝根御殿という高さ29mの巨大なホール。
琴を自然のホールで聞くことも初めてだが、琴の音色を聞くのも久し振り。
師匠を中心に計4名での演奏となった。

実際に響きを自然な形にするためには、琴との適度な距離が必要。
遠ざかると音が不鮮明になり、近づきすぎると響きが弱まる。
と、言う訳で最初はウロウロしながらの条件出しが必要だった。
マイクも周囲の物音を考慮して、下を切れるマイクを使った。
何しろ暗いし出入りも多く、落ち着いて出来なかったが、自宅で聞いて驚いた。
見事に2chでも見事に広がるし、マトリクスにすると更に空間が広がる。
ホンマかいなと、久しぶりの体験に満足するのだった。
ただ響きに注力したせいか、実音以上に上げてゆくと、響きが邪魔する感じ
でややヒステリックに聞こえるところが大変惜しい。
これは、こういう場所もありノイズが多くなるので、どうしてもレベルを上げ目で明瞭度を維持しなければならなかった事が
その原因だろう。
自然な空間の響きなので、どうしてもデカク聞きたくなるが、ここではこれまでと仕方なかったなかったんだな。