平成11年1月8日
全国地方税務協議会
1 税率設定
各都道府県の税率設定の歴史的経過、地域特性及び地方税法第147条第5項の規定の趣旨を
考慮して「標準型」の税率を設定した。
2 問題点
(1)キャンピングカーの税率が他の自動車、特に乗用車に比べて低く、課税の適正・公平上問
題が生じている
(2)キャンピングカーの税率及び税率に対する考え方が各都道府県で大きく異なる。
(税率については、条例により独自税率が設定が可能だがその乖離が大きすぎる)
3 自動車税の税率についての基本的な考え方
(1)自動車税の性格
「財産課税」、「道路損傷負担金」、「著移品課税」の三つの性格を併せ持っている。
(2)自動車税の標準税率
現行法は、「乗用車」、「トラック」、「バス」、「三輪の小型自動車」について、それ
ぞれ自動車が担う社会的役割を考慮して標準税率を規定している。さらに、それぞれ総排気
量、最大積載量、乗車定員によって税率に区分を設けている。
これらは自動車の諸元を基準として、担税力に応じた課税をする趣旨と考えられる。
(3)特種用途車に対する自動車税の税率
特種用途車は、「乗用車」、「トラック」、「バス」、「三輪の小型自動車」以外の自動
車として各都道府県が用途総排気量、定格出力、乗車定員、最大積載等の自動車の諸元で区
分を設けて、条例で税率を定めることができる。(地方税法第147条第5項)
4 キャンピングカーの実態
(1)台数の推移 10年間で12.4倍
(2)乗車定員、積載量、総排気量
@乗車定員については、3人以下が0.8%、4人以上10人以下が99.2%
占めている。なお、11人以上も3台の登録があった。
A積載量を有するものはない。
B総排気量については、法定区分すべてにわたって分布しているが、
○2.5リットル超3.0リットル以下 18.8%
○4.0リットル超4.5リットル以下 46.3%
○4.5リットル超6.0リットル以下 11.1%
の各区分にピークが見られる。(調査対象31,209台、標準的なA県、B県の例)
(3)改造前の原車の状況
○原車が乗用車であるもの 23.0%
○原車がトラックであるもの 1.2%
○原車が貨客兼用車であるもの 30.6%
○原車がバスであるもの 3.0%
○原車が型式不明であるもの 42.2%
(調査対象16,567台、標準的なC県の場合)
(4)現状
現実に登録されているキャンピングカーは積載量を有せず、乗車定員10人以下がほぼ
100%を占める。したがって、キャンピングカーは、たとえ改造前の原車がトラック・
バス等であっても貨物の運送や大量の人の運送という用途は失われ、少人数の運送という
乗用車としての用途のみを保持している。
5 検討の手順
当委員会では、キャンピングカーの税率の標準型を検討するに当たって、まず、キャンピン
グカーの構造、用途、総排気量、乗車定員、最大積載量等の自動車の諸元を分析し、その上で
標準税率の定めのある乗用車、トラック、バスとの比較検討を行った。
6 結 論
○キャンピングカーは、居住(キャンピング)という特殊な用途と少人数の運送という乗用車
としての用途性を併せもっており、地方税で標準税率が定められている自動車の中では、乗用
車に近似した特種用途車であると位置付けることができる。
○キャンピングカーは、改造前の原車が何であるかに拘らず、トラック又はバスとしての用途
を有しない乗用車に近似した特種用途車であるから、トラック、貨客兼用車、バスの税率を適
用することは適当でない。
○原車が特定できない型式不明車が相当の割合を占める現状から原車課税型に課税技術上の問
題がある。
○普通自動車及び小型自動車の二区分のみで課税する普通・小型自動車区分税率は乗用車との
税負担の均衡及び担税力に応じた課税観点から適当でない。
○したがって、キャンピングカーに対する自動車税の税率は乗用車について定めれている標準
税率との均衡を考慮しつつ、総排気量によって区分して定めるべきある。
7 税率の標準型 (別 表)
キャンピングカーは、乗用車に近似した特種用途車であるが、車室内に就寝設備、水道設備、
炊事設備を備え道路損傷とは直接的な関連を有しない居住(キャンピング)の用途にも供され
ることから、乗用車について定められる標準税率から一定の軽減をすべきである。
具体的には、積雪地の軽減割合(三割を限度)等を勘案して、二割程度の軽減をすることが適
当である。
8 その他
(1)経過措置について
各都道府県がキャンピングカーに対して適用している税率を標準に改正するに当たって
は、一定期間の経過措置を講ずることが適当である。
(2)その他の特種用途車について
放送宣伝車、事務室車等においても、最近、キャンピングカーと様の傾向がみられるこ
とから、これらについても今後注視していく必要がある。なお、キャンピングカーを含む
これらの特種用途車の新規検査等おける用途の認定については、運輸省において十分検討
し、厳正に処すべきである。
別 表 三輪の小型自動車を除くキャンピングカー(自家用)の自動車税の税率の標準型
区 分
税 額
総排気量が 1リットル以下のもの
年額 23,600円
総排気量が 1リットル超 2リットル以下のもの
年額 27,600円
総排気量が1.5リットル超 2リットル以下のもの
年額 31,600円
総排気量が 2リットル超2.5リットル以下のもの
年額 36,000円
総排気量が2.5リットル超 3リットル以下のもの
年額 40,800円
総排気量が 3リットル超3.5リットル以下のもの
年額 46,400円
総排気量が3.5リットル超 4リットル以下のもの
年額 53,200円
総排気量が 4リットル超4.5リットル以下のもの
年額 61,200円
総排気量が4.5リットル超 6リットル以下のもの
年額 70,000円
総排気量が 6リットルを超えるもの
年額 88,000円