「よーく、考えよう」 〜ユーリーの徒然コラム〜 ※随時更新
2009年1月
「オバマ大領領就任」から、私たちが学び、汲み取るべきこと
正月休み明け早々、日本では通常国会が始まった。この件については、改めて書くとして、なんと言っても注目は、やはりオバマ大統領が正式に発足したことだろう。日本時間21日の午前二時に行われた就任式はこちらでも生中継され、ご覧になっていらっしゃった方も多かったはず。私も一応チェックはしていたんですが、途中で寝てしまって・・・(笑)。それはともかく、現地の盛り上がりもさることながら、新大統領の「お披露目の儀式」が、これほどまで注目を集めたのは、恐らくこれが初めてだろう。もちろん、初の黒人大統領が誕生したという意義も大きいが、何より、「テロとの戦い」の泥沼化、リーマンショックに端を発した世界金融・経済不安と、消費・景気の低迷、大企業の業績悪化、派遣・期間工の大量解雇、就職の内定取り消しなど、世界各国が危機的状況にある中、「世界のリーダー」としてのイメージは失墜し、さらに「新自由主義」が破綻した今、アメリカの「チェンジ」と立て直しを担うことになったオバマ新大統領に、自国以外の人々からも期待が高まるのは、当然のことといえる。
さて、今回の就任式では、オバマ大統領の就任演説の内容と共に、その演説原稿が、若干27歳の「スピーチライター」によって書かれたことが、大きな話題となった。そして、私が率直に感じたのは、政治において一番重要なのは、何より「言葉」なんだよねってことだ。ただし、それは単に喋りがうまいとか下手とかいったテクニカルな面を申し上げているのではなくて、要は、発せられる言葉が、「聞くものの心に響く」か、どうかという話。よく国会中継を見たり聞いたりしていると、恐らく大学時代に弁論部に所属し、相当ディベートとかやってきたと思われる国会議員の質問や答弁に接することがある。もっとも、全部が全部とは言わないけれど、確かにしゃべりはうまいんだけど、「ドス」は効いてるんだけど、支持者は、きっと快哉を叫ぶんだろうけど、私のような「普通の人」には、「言葉」が全然、心に響かないんだよね。特にその方が「与党側」の議員さんだったりすると・・・(笑)。それもそうだし、麻生さんの演説もそうなんだけど、こんな具合で、やれ「定額給付金は経済効果がある」だの、「景気回復を前提に消費税を上げたい」なんて、いくら声高に叫んだって、何の説得力も無いし、支持なんかされないっつーの(大爆)。・・・皮肉はこれくらいにして(笑)、オバマ氏の演説が「心に響く」のは、どんな「言葉」を発すれば、多くの人々の心を掴めるのか、説得力があるのか・・・が、ちゃんとわかっているから。「スピーチライター」と共に「言葉を選び」、「言葉を吟味」し、時間をかけて「言葉を練り上げ」、原稿を作り、何より「自分の言葉」として、率直に、かつ明快に、語りかけているから・・・。故にその「言葉」は、多くの人々を動かし、共感させ、感動を呼ぶ・・・。もしかして今頃、自民・民主の内部でも、次期選挙対策の一環として、日本版「スピーチライター」システムの検討が始まっているのかもしれないが、それはともかく、麻生さんが「漢字」のみならず「言葉」の持つ重みすら知らない人物だってのは、例の「さもしい」発言等で、すでにバレバレなわけで。やれやれ・・・(苦笑)。
そして、もうひとつ感じたことは、改めて言うまでも無いんだが、アメリカ国民の「政治参加意識」の高さ。予備選にせよ、本番にしろ、アメリカの大統領選は、とにかく長い時間が掛かる。だけど、最長8年は自分の国のリーダーとなる人物を選ぶ選挙である以上、それはきわめて合理的な考え方であるし、ネット献金を含め、日本に比べれば、選挙資金の透明性はきわめて高い。何より、大統領選挙という「イベント」を通し、国民とか有権者、ではなく、「一人の人間」として政治に参加し、それぞれの候補を応援し、彼らの政策や公約に耳を傾け、自らの意思に基づいて投票する。戦うべきときは徹底的に戦う。その上で、負けた者は素直に「敗北」を認め(どこかの国の『与党』の皆さん、見習ったほうがいいよ・・・笑)、勝った者は堂々と勝利宣言し、共に喜びを分かち合う。老いも若きも、黒人も白人も、お金持ちも金無しも、起業家、勤め人、農業従事者、ロックシンガーやハリウッドスターも・・・。まるでお祭りか、ショーでも楽しむように、政治に参加する人々の姿を見ていると、何ともうらやましいと言うか、どこかの国に比べれば、まだまだ成熟した国だなあと感じずにはいられない。思えば、例の福井県・小浜市での「フィーバー」が象徴していたが、よその国の大統領選で「勝手に」盛り上がれる国民が、なぜ自国の選挙では盛り上がれないのか、何とも不思議で仕方が無いのだが・・・。ご承知の通り、『政』という漢字には、「まつりごと」という読み方もある。国民性、民度、意識・・・といったものは国によって違うわけで、単にアメリカがそうだからといって、日本でも同じことが出来るのかと言われればそれまでだが、しかし本来、民主主義の国において、どんなスタイル、意思表示、表現方法であれ、「普通の人々」が政治に参加するのは、ごく自然で「当たり前」の行為なのだ。2ちゃん、ブログで、与党政権を批判するのは簡単だ。民主党の「不甲斐なさ」を指摘するのも、またしかり。「日本には、オバマみたいな政治家がいない」と言われれば言葉が無いし、ましてや歌舞伎や能じゃあるまいに、二世・三世議員が大多数を占め、元総理経験者が、忘れた頃に地元の選挙区から平気で立候補して、なんか知らんうちに再び国会議員に当選してしまうような現実を見せ付けられたら、やってらんないって気持ちも、人情としてはよく分かる。ではあるが、「難しそう」、「めんどくさい」、「よくわかんない」、「自分が投票したって関係ない」・・・と何もしなければ、選挙になると決まってお願いに来る「お友達」に頼まれた候補の名前を、言われたとおりに投票用紙に記入する行為に、何の疑問も持たなかったら、それは早い話、自らに与えられた唯一の権利を、自らが放棄したに等しい。政治を、今の世の中を、少しでもまともなものにしたいなら、結局は「テメェ」が行動し、声を上げる以外に方法は無い。特に、この期に及んで尚、世論調査の次期総理候補に関する質問で、小泉元総理の名前を挙げていらっしゃるような方々に、あえて苦言を呈しておく。役人や政治家が「国民の為に何かしてくれる」? 「自民党が政権党であり続ければこの国は安泰」? ・・・なわけないでしょうが(笑)。つーか、いまさら何を信じてんの・・・? 毎度申し上げているように、それらの前提は、すでに崩壊しているか、機能不全に陥っているし、これも先に書いたように、自民が政権党であり続けなければならない理由は、もはや存在しない。そして、どうかよくお考え頂きたい。今の与党の暴走と悪政、大企業と霞ヶ関の厚顔無恥な振る舞い、非正規雇用問題と格差拡大、「消えた年金」、高齢者医療制度、給付金の先にある消費税引き上げの画策・・・を許してきたのは、誰でもない、自分自身なのだということを・・・。
もちろん、新たな雇用創出と景気浮揚策をどう打ち出すのか、「史上最悪の大統領」として後世に名を残すであろう(笑)、ブッシュ前大統領、最大のミステイク(大笑)、テロとの戦いの「後始末」、イスラエルとパレスチナ、北の「核」といった国際問題への対応・・・などなど、取り組まなければならない課題は多いし、前途は多難と申し上げてよい。アメリカが「チェンジ」出来るのか否かは、あくまでもオバマ大領領の手腕と動向を見守るしかないが、「チェンジ」が求められているのは、日本と、私たち日本人だって同じこと。その意味において、今回のオバマ大統領就任から、学び、汲み取るべきものは多い。改めて申し上げる。まずは「テメェ」が変わらなければ。「テメェ」が変われば、政治と世の中が変わり、「テメェ」が動けば、権力者だって動かせる。希望を信じ、夢見ること自体は、決して「青っぽく」ないし、恥ずかしいことじゃない。ただし、それはあくまでも、『先生』に言われたから、とか、誰かがこうだから、本に書いてあったから・・・ではなく、「テメェ」はこう思うんだ、こうしたいんだ、という、「テメェの意思」に基づいて、という意味で。そんな「テメェの意思」があれば、出来ないものなど無いはずだ。何より、すぐにあきらめ、自分より強い権力や相手に「寄りかかり」、自分の頭でよく考えもせず、単に「おまかせ」するという受身の姿勢から脱却し、「この国の政治家もバカだけど、『庶民』は、もっと大バカなんだよ」という「現実」と真摯に向き合う勇気、覚悟を、いまこそ多くの日本人が持つべきだろうと、私は思うのである。
混迷の2009年、始動
派遣社員が大量解雇され、大企業が軒並み赤字に転落するなど、アメリカ金融危機による景気低迷の嵐が吹き荒れた年末。私も、暮れはギリギリまで仕事に追われ、しかも、モデムが突然故障し、ネットが出来ない状況に追い込まれるなど(泣)、やはり最後の最後までバタバタ・・・。とはいえ、今年の正月は故郷に帰省。久しぶりに、のんびりしたお休みを過ごしました。それはそれとして、今回も高速バスを利用したのですが、例年より増発便と利用者の数が増えているように感じたのは、やはり不況の影響なのでしょうか。行きも帰りも、途中、東北道の各サービスエリアで、三回ほどトイレ休憩があったんですが、行列出来てましたからね・・・(苦笑)。また、積雪量が例年よりも少なかったのには驚いた。『暖冬』だとは言われていますが、それプラス温暖化の影響は、我が故郷、津軽にも、確実に及んでいる? もっとも、妹いわく、これから二月にかけてが一番危ないので、油断は禁物とのことでしたが・・・。ちなみに私の実家では、以前より薪ストーブを使ってまして、暖かさは段違い。昨年の9月に父は亡くなりましたが、思えば父は「エコ」にも先見の明があったのかも、なんてね・・・。その父はリンゴ農家でもあったわけだが、昨年、津軽のリンゴは雹害に見舞われ、大きなダメージを受けた。バスターミナルまで車で迎えに来てくれた母は、その大変さ、国や政府の無策ぶりについて、助手席に座った私に、悲鳴にも近い言葉で訴えていた(関連 財団法人青森県りんご協会&雹害りんごの追跡調査)。三が日の間も、日比谷に設けられた「年越し派遣村」と、仕事と住む場所を失った派遣社員たちの様子を伝えるテレビニュース(関連 「日比谷派遣村」は労働災害救援所の様相)。金融・経済・雇用の不安に加え、疲弊する地方、厳しい経営を余儀なくされている農家・・・。これら、日本全体が直面している現実について、私は改めて考えざるを得なかった・・・。雪は少ないとはいえ、それでも東京よりははるかに寒い実家の、二階の部屋で横になっていた私。遠くから街宣車のマイクの声。地元の政治家が「新年のご挨拶」を絶叫し、家の前を通り過ぎていった・・・。そんなこんなで、あっという間に正月休みが終わり、4日の夜、私は高速バスに乗り、翌朝、東京へ。バスターミナルから山手線に乗り、おみやげ等が詰まった重いカバンを肩にかけ、そのまま職場に向かう。私にとっての2009年が本格的に始動した。
世の中もまた、景気、先行き、政局、共に先行き不透明な、混迷の一年となりそうだ。下がり続ける支持率、渡辺氏の『離党』騒動と政界再編の動き、定額給付金を巡る迷走、公明党との「すきま風」・・・と、もはや絶体絶命、年明け早々の国会でも波乱必死の麻生政権だが、このまま解散を先送りしても(大笑)、今秋には、泣いても笑っても衆議院選挙がやって来るし、結果次第では、日本の政治における、歴史的なメモリアル、転換点となることは間違いない。さらに大胆な予想をお許しいただくなら、衆院選の前哨戦ともいえる7月の東京都議選で、国政よりも先に政権交代が実現する可能性だってありうる。先の新銀行東京の件で、都議会・自・公が、このまま「自滅」への道を歩き続けるならば、ですが・・・(笑)。
もちろん、暗い見通ししか出てこない今の状況の中で、希望を持てと言うのは酷な話かもしれない。外需頼みの日本経済にあって、最大のお得意様であるアメリカの景気が落ち込めば、国民がモノを買わなくなるのは必然だし、「28万円カー」で注目される、インドのタタモーターズや、半導体・ディスプレイ・携帯端末分野における、韓国サムスンの台頭が象徴するように、もはや自動車・家電は、「ものづくり国家・日本」の専売特許、「伝家の宝刀」では無い。国民の七割が反対、もしくは疑念を抱いている二兆円のバラマキをするくらいなら、例えばソーラーパネルの高い技術力を生かした新たな雇用、産業の創出、仕事と住む場所を失った派遣君、自然災害で経済的に困窮している農家といった、「今まさに」困っている人たちに対して、まずは優先的に、国が「それなりの金」を出すべきではないか。ただ、莫大な借金を抱えるがゆえに、欧米諸国のような思い切った財政出動に踏み出せない日本の悩ましい実情も、よく踏まえておく必要があるが・・・。けれど、ここで不平不満ばかり言い、何もしないのか。じゃなくて、だからこそ現実と向き合う勇気と覚悟を持ち、自らに与えられた権利を行使し、自分たちの未来は自分たちで切り開くんだという意識を持つのか。ここまで来たら、ぜひとも後者の道を選択してほしい。望む、望まざるに関係なく、我々は知らず知らずのうちに「グローバル経済」に組み込まれ、「グローバル経済」が支配する社会を生きている(問題は問題として)。単に非正規雇用や大企業を悪者にしたり、「ワークシェアリング」の是非を論ずるのは簡単だが、それだけで事の本質は解決しない。「グローバル経済」とは何なのかをよく知り、その上で、非正規雇用の「暴走」を許してしまった法律の見直し、セーフティーネットの確立、産業と雇用の確保、それらに対し、きちんと予算が配分されるような仕組みの構築、何より、それをきちんと実現する(させる)ためには、どこの政党に政権を委ねるのがふさわしいのかを、我々自身がよく見極め、考えることが、今まで以上に求められている。申し訳ないけど、現代社会にあって、「みんなが豊か」で「幸福」に「勝ちまくる人生」・・・なんてありえない。だからどうするのか、何をすべきなのか、知恵を絞り、汗をかき、あらゆる道、あらゆる方向性を模索する。それが一番大切。右翼・左翼、自民・民主、共産・社民、親米・反米、嫌中・嫌韓、死刑制度に賛成、あるいは反対・・・。そんなの当たり前。仮に人が百人いれば、百通りの主義主張、意見があって当然なのだから。それはそれとして、重要なのは、相手を尊重し、互いの違いを「まずは認め」、そのうえで、立場を超えて問題を考え、時に議論を戦わせ、いざとなったら共通の目的に向かって手を結び、肩を組み合い、連帯できるかどうか。つまり、私たち日本人が、真に「成熟した国民」か否かが大いに試されているわけでもあるのだけれど。いずれにせよ、私たちの未来、この国の行く末は、私たちの意識と行動次第に掛かっている。その意味でも、まもなく正式に就任するオバマ次期大統領の手腕とアメリカの「チェンジ」を、期待と希望と祈りを込めて、見守りたいと思う。
暮れのモデムトラブルの関係で、ご挨拶が遅れました。本年もよろしくお願いします。
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