サキグロタマツメタガイの見分け方

「東京湾・木更津の干潟から」に掲載したツメタガイの写真(右)をご覧になった大阪市立自然史博物館の石井久夫さんから、右の3つの巻き貝は外来種の「サキグロタマツメタガイ」ではないかとご指摘を戴きました。
 サキグロタマツメタガイは、本来、中国や朝鮮半島に分布しているものですが、近年、日本各地の干潟でも見つかっています。 中国や北朝鮮からアサリを輸入して放流した時に、混じっていたものが棲みついたと考えられています。
 ツメタガイ同様、二枚貝類の殻に穴を開けて肉を食べるため、アサリ資源への影響が懸念されています。
 小林さんにツメタガイとサキグロタマツメタガイの見分け方を教えていただきました。


ツメタガイ と サキグロタマツメタガイの見分け方

石井 久夫 さん (大阪市立自然史博物館)

 サキグロツメタガイはその和名の通り,殻頂部が黒いのが特徴です。ツメタガイも少し黒くなりますが,サキグロほど顕著ではありません。
 また、写真でもわかりますが,ツメタガイ螺層は茶色なのに対し、サキグロの青みがかった灰色になるのも見分ける特徴です。
 殻の内側もツメタガイは白色ですが,サキグロは灰紫色になります。死殻でもよほど古くならない限りその違いがわかります。
 殻の形は,写真では角度によってわかりにくいことがありますが,サキグロは,タニシに似ていて,やや細長くなります。タマガイ科の中では一番高くなる種だと思います。ツメタガイはまんじゅう型で,大形の個体で螺層がややもりあがることがありますが,細長いという印象はありません。
 これも写真ではわかりにくいかも知れませんが,ツメタガイは成長すると殻が厚く重くなります。サキグロはタニシほどではないですが,薄質の殻です。
 おまけですが,はツメタガイは硬く食べにくいですが、サキグロは軟らかく食べやすいです。
 中国では,養殖貝類には肉食性のゆえ有害とされていますが,「其肉味鮮美,可食」とされています。
 駆除をかねてぜひ試食してみてください。

(2005年3月19日)

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