過去の観戦記

第104回 激動山幕下昇進へ。

第105回 姫嵐見事な優勝。

第106回 水戸桜、元幕下の貫禄。


第107回 決戦!秋月対松ヶ神



第104回
初日 2003年5月24日 
三段目:慈乃光と鴨坤山が東西の筆頭に座り、ともに初日を飾った。先場所の鹿皇、鹿田中に続く幕下同時昇進に向け、注目が集まる。西三枚目の激動山も期待されながらも、今一つ調子の波に乗れないでいたが、ようやく幕下入りを狙える位置での、初日姫嵐戦を寄り切りに下した。灘吉、赤尾と順調に幕下力士を輩出している大松戸部屋は、青田が序二段に下がったものの刃神が西五枚目まで番付けを上げ初日もクリアし星次第では幕下入りの可能性も見えてきたか。序二段優勝で、東九枚目まで躍進してきた江戸鼓は、得意の引き技で海物語を破り好調を維持。他に上位陣では、錦芽樽、鹿嶋田、若五洋あたりが追う展開になりそうである。

序二段:先場所よもやの大敗で、筆頭まで番付を下げた青田は、風神を寄り切りに下しまずは無難なスタート。序の口優勝を果たした逍遥は、親方同様鼻息も荒く、今場所も連続優勝を宣言し初日の若水山を退けた。江戸浜、江戸英の江戸川勢も好調な出だしで三段目も射程圏に捉えた。六角部屋の三力士は着実に番付を上げて来ており、醍醐は惜しくも敗れたものの大幸、北嵐は勝ってまずまずの滑り出しだろう。その醍醐を強烈な上手投げで破ったのは松ヶ神部屋の松ヶ枝。六角親方をして「これ、ものすごく強いですね」と言わしめ、育成会の先輩部屋としての意地を見せた。実績から見れば逍遥の優位は動きそうにないが、そこは紙相撲、何が起こるかわからない。意外な伏兵がいるかもしれない。

序の口:先場所に続き、参加力士多数の為予選が行われた。序の口枠22人のうち、すでに序二段からの陥落力士4人と、予選免除者7人は確定で、残りの11枠を22人で争うことになった。対戦ごとに2勝した者から勝ち抜けとなり、まず竜児岩(錦谷)、磯ノ栄(磯ノ海)、鬼獅童(黒雲)、富厚山(春日根)瑞光(播磨屋)、鹿藤田(鹿賀乃戸)、升田山(荒笠)、大観峰(六角)の8人が、序の口の切符を獲得。続いて残った14人で再度熾烈な戦いを展開。その結果、板ノ花(谷の戸)、谷冬実(六角)、紀の国(住之江)の3人が最後の枠を獲得した。残念ながら序の口の椅子を取れなかった中では、毎度おなじみ四股名で魅せる黒雲部屋の力士。今回の目玉は、‘骨力’。「こつりき」かと思いきや・・・「こっちから」とは、またも感心の各親方連。四股名を考えるのに精根使い果たしてしまったのか、相撲のほうは、いま一つさえなかったが四股名だけを見れば堂々の横綱級である。大激戦の予選を終え、まもなく初日の取組みが開催された。新興谷の戸部屋からの登場となった、秀青龍と板ノ花はそろって初日白星。紀の国は華祭を引き落としに下したが、残念ながら序の口進出決定戦最後の枠を逃した同じ住之江部屋轟岩の為にも勝ち越したいところだろう。予備選から勝ち上がった中では、、理事長一押しの富厚山、他に鹿藤田、升田山などが、安定度からいって先頭を引っ張るかたちになりそうか?
二日目

三段目:慈乃光と鴨坤山の鴨川勢が共に勝ち、ダブル昇進にまた一歩前進した。その慈乃光に敗れた激動山の師匠、八重垣親方の今場所に懸ける意気込みは凄まじく、敗戦によるショックの色は隠せないようだ。育成会発足以来、各段で旋風を巻き起こしている鹿賀乃戸勢は、三段目でも鹿嶋田が巧者若五洋を突き落としで下して余裕の発進。稲二瀬も勝間田勢らしい巧い相撲で二連勝。細矢は春日根伝統の四つ相撲で安定感を感じさせる。富士浪期待の大海皇は先場所の序二段優勝力士江戸鼓ののど輪を受けたが、深い懐で押しつぶして連勝。秀神龍の親方は八重垣の愛息。どっしりした八重垣の力士とは全く異なるシルエットで出足重視の相撲を目指しているようだ。二日目は父親の力士はほとんど見せない上手投げでニ勝目。さて、ここから抜け出すのは誰か。実力拮抗の猛者が揃う三段目の優勝争いは本当に予断を許さない。

序二段:筆頭の松ノ国が初日に続いて二日目も青田を寄り切り順調な出だし。序二段には松ヶ神の力士が四人集まっているが、松ケ枝も連勝スタート。松の和歌が一人出遅れた感じだ。先場所圧倒的な強さで序の口を制した逍遥は、江戸浜の左差しにバンザイ。苦手江戸川勢が相手とは言え、まさかの完敗に蒼白である。育成会無敗突破の野望は早くも断たれる結果となってしまった。三日目は鴨川の気鋭犬秋菊との一番と見られ、褌を締めなおして臨みたい。望月の欠けたることもなしと思われた秋月の快進撃も、梅雨空にかなり雲行きが怪しくなってきた。多忙な親方の欠席が続く間に、他部屋の下克上となるか。一方、播磨屋の巨熊山、飛美鳥は親方の上京で奮起しそろって白星をゲット。この辺りの相撲では、親方もまだパワーをセーブしていたようで、尋常な応援であった(^-^;)。他には、育成会唯一の友砂勢羽黒海や、理事長好みの左差しで新鋭大幸を寄り切った黒雲の綱更田、同部屋同期の鎧富士、後輩寄井の活躍が刺激となったか内懐に入ってからの右攻めが光る錦谷の御所瓦、連日投げ技が冴えを見せる押切の鋼鉄山…あたりが上々の滑り出しを見せている。

序の口:連勝組の中では、若手の活躍で部屋に勢いが出てきた鹿賀乃戸部屋の鹿藤田が、場所前理事長一押しだった春日根部屋の富厚山を上手投げでぶっ飛ばし、存在感を誇示している。ここのところ「鹿なんとか」という鹿シリーズ連発、しかも揃って剛腕ということで風当たりが強くなってきた感があるものの、親方はまだまだ強気。一気に鹿賀乃戸勢力拡大か? 四股名については近々別シリーズが出そうな気配で、候補としては猪シリーズ、蝶シリーズ、馬シリーズなどが挙げられている(ウソ)。また、最近新弟子の型が洗練されてきたと言われる磯ノ海の磯ノ栄が六角部屋の谷冬実を押し倒して連勝。住之江の紀の国はお家芸の上手投げが好調で、三日目の鹿藤田戦に闘志を見せる。一方、理事長の二押しだった荒笠部屋の升田山はソップ形小天狗に中に入られ、のど輪を受けて苦杯。先場所引き技地獄で相撲を崩した寿部屋の百万両と華祭は低く立つ相撲で挽回をはかっている。親方の願いを込めたか願望岩は少し腰高だが、二日目は上手を引いての豪快な投げで初日。最近には珍しく、二日目の序の口の決まり手には引き技はなし。若者が互いに全力でぶつかる相撲は見ていて気持ちが良い。
三日目・四日目 2003年7月26日
一気に三日目と四日目を消化。この日は本場所開催のあとに育成会を2日連続で行うという初の試み。本場所を観戦した観客がそのまま残って人気者激動山等、育成会の取り組みに声援を送り、大いに盛り上がった。

三段目では慈乃光と細矢の2人が4連勝。慈乃光は連日引きやいなしがうまく決まって、激動山、鹿嶋田らそうそうたる実力者をかわし、幕下入りも確定的。同部屋で3勝目を挙げた西筆頭の鴨坤山とのダブル昇進も見えてきた。一方の細矢は実力は前々から評価されながらもなかなか星が上がっていなかったが、ついにブレイクか。早い攻めが冴えわたっている。

序二段の全勝は江戸浜と松ヶ枝。江戸浜は低い体勢からはさみつけて寄る相撲が特徴的。先場所の江戸鼓に続き、江戸川部屋2連覇を狙う。松ヶ枝は切れ味のよい投げが持ち味、四日目は友砂の秘蔵っ子羽黒海を不利な体制からも逆転の首投げにしとめている。

序の口は磯ノ海部屋の磯ノ栄と錦谷部屋の竜児岩、ともに今場所デビューの新人が千秋楽に優勝を賭けて激突する。予選から際立った力を見せる磯ノ栄は四日目には今場所もまた育成会制覇を狙う鹿賀乃戸部屋の鹿藤田を豪快に押し倒している。竜児岩は積極的に前に出る相撲が功を奏し、勝ち進んでいる。

そのほかに印象に残った取組をいくつか。三日目、2連敗とがけっぷちに立たされていた黒雲部屋の鬼獅童が真究努戦でついに見せた得意の左差しは見事であった。同じく2連敗の真与井が若龍舞をあと一歩まで攻め込みながら上手投げで破れた一番は本当に惜しかった。北嵐が巨漢江戸泉を劣勢から裏返した上手投げは鮮やかであった。犬秋菊が持てる力を全て出しきって逍遥を一時は土俵際まで追い詰めながら破れた相撲はすがすがしさがあった。小さな錦芽樽が大きな姫嵐を廻りこんで押し倒した相撲はさすがの一言。激動山が熱烈なファンの声援を受けながら左をこじ入れてじりじり寄るのを、必死にこらえる紅葉盛との一戦は見ごたえがあった。四日目、寒燕は万全の体勢になりながら太刀原捨て身の首投げで痛い星を落とした。終盤になるにつれて声援は一段と増し、大盛況の内に育成会2日連続興行は幕を閉じた。
千秋楽
千秋楽を無事終了。三段目ではいなしが得意な慈乃光を相撲巧者細矢が立ち合いの変化で十分な体勢に組みとめて圧勝。西の13枚目ながら幕下昇進を決定づける初優勝となった。敗れた慈乃光も同僚鴨坤山とのアベック昇進となりそう。また人気者激動山も大熱戦の末、左乃沢を寄り切り、幕下昇進を決めた。育成会の人気を支えてきた力士だけに卒業を惜しむ声もあるが、将来の横綱をも嘱望される期待の若手なので、ぜひ幕下でも沸かせる相撲を取って欲しい。

序二段の全勝対決は江戸浜が松ヶ枝に得意の上手投げを打つ隙を与えぬ厳しい寄りで完勝。先場所の江戸鼓に続き、江戸川部屋序二段2連覇を果たした。来場所は三段目上位進出が見込まれる。序二段上位では松ノ国、巨熊山、若水山、松の和歌らが相次いで勝ち越し、既に勝ち越している青田、江戸英、逍遥、鋼鉄山とともに三段目昇進が濃厚だ。

序の口は磯ノ海部屋の磯ノ栄がこの日も万全な相撲で、予選から負け知らずの優勝。とはいえ今回の序の口は実力が均衡していてなかなかの激戦であった。三段目まですべての取り組みが済んだ後、千秋楽恒例の序の口順位決定戦。観客からは「あれって何やってんの」というような視線を浴びながらも今回も粛々と進められ、磯ノ栄に次ぐ2番手には抜群の将来性を垣間見せた春日根の切り札富厚山、3番手に強豪鹿賀乃戸の鹿藤田、4番には最後まで優勝を争った竜児岩が決まった。以下5番に住之江期待の紀の国、6番に粘り強い相撲で序二段復帰を決めた華祭、7番に左差しもいいが、投げ技も鋭い黒雲部屋の鬼獅童、8番に元横綱鬼錦谷の戸親方の直弟子第1号秀青龍、と続き、このあたりからは果たして序二段に上がれるのかという微妙な順位で、9番に百萬両、10番に錦乃星、11番に鹿嶋洋、という結果となった。

第105回
初日 2003年9月20日 
今場所は三段目、序二段が16枚、序の口が10枚とついに定員を満たした育成会。ますます激しい戦いが繰り広げられよう。

三段目上位では鹿嶋田、江戸鼓が白星、卒業に向けて好スタートを切った。育成会初の出戻りとなった赤尾と鹿田中はいきなり対決、幕下の土俵を経験した更にパワーアップした両者の対決は大いに盛り上がったが、鹿田中が豪快な上手投げにきってとった。これに勝るとも劣らない熱戦だったのが、北川対左乃沢戦。差し出争いから徐々に自分の形に持っていった左乃沢が北川を寄り切った。実力は拮抗する両者のたいへん力の入る一番であった。

序二段では先場所の序の口優勝者磯ノ栄がこの日も勝って、いまだ負けなし。どこまで連勝を続けるかがみものである。

序の口は20名の定員のうち、陥落者4名、予選免除者7名で、残りの9名の枠を巡って20名が予選に参加した。従来どおり、ランダム対戦3勝勝ち抜け方式で行われた予選会。まずは巴丸(友砂)、八重栄(八重垣)、渦潮(住之江)、炎鷹(黒雲)が3連勝で抜けた。次に4戦目で3勝目をあげて高田馬場(錦風)、分倍河原(鴨川)、貴和黒、岩屋国(ともに六角)が確定。ここで8名が予選通過。残りの1名をめざして注目の5戦目。綱乃海(友砂)、鷹望見(松ヶ神)、長門(住之江)が3勝目をあげ、この3人で巴戦が行われることになった。まず綱乃花が長門を突き落としに破り、鷹望見との対戦を迎える。101回で退会し再挑戦し、2連敗から勝ち進んできた鷹望見は場内から大声援を浴び、友砂は巴丸が入ったんだからもーいーじゃん、みたいな声も聞かれたが、結局立ち合いの注文相撲で、綱乃花が最後の切符を手にした。また今場所は錦風部屋から初の育成会参加力士が誕生。予選を勝ち抜いた高田馬場のほか、予選免除の天都山、羽黒川も楽しみな逸材。予選で抜群の強さを見せた渦潮にも期待が集まっている。
三日目 2003年10月25日

三段目では鹿田中、姫嵐、紅葉盛、秋桜が全勝。幕下経験者の鹿田中は食いつかれるとうるさい江戸鼓を変化技でかわし、順当に3連勝。育成会歴の長い姫嵐は体を生かした豪快な相撲で江戸浜を押し倒した。江戸浜は10連勝でストップ。鹿田中の持つ育成会記録11連勝にあと一歩及ばなかった。ライバル部屋対決となった紅葉盛対逍遥戦は実力互角の力相撲となり、大いに場内を沸かせた。結局紅葉盛が粘り勝ち3連勝、育成会では優勝のない勝間田勢としてはぜひとも狙いたいところ。同僚の逍遥のリベンジを期し、四日目紅葉盛に挑戦するのは秋桜、かつての序の口優勝者も最近は伸び悩み、三段目下位まで番付を下げたが、このあたりではさすがに実力を発揮している。

序二段の全勝は羽黒海、磯ノ栄、鹿藤田、谷山田の4人。東筆頭の羽黒海は友砂期待の新星。力強い寄りを見せ、完璧な3連勝。早くも三段目昇進確定である。磯ノ栄は序の口以来無傷の8連勝、これは赤尾に並ぶタイ記録である。デビュー以来9連勝の新記録とともに育成会初の2場所連覇にも期待が寄せられる。育成会優勝の常連鹿賀乃戸部屋からは三段目の鹿田中とともに鹿藤田に期待が集まる。十分な体勢になりながら、やや攻めが遅いのが気になるところだが、それでも着実に星を重ねている。そして荒笠部屋の谷山田、タイミングのよい出し投げで巧者綱更田を下し、勝ち越し決定。鹿藤田を破って、さらに上位をうかがいたいところか。

序の口では岩屋国、綱乃海、渦潮が3連勝。友砂部屋の綱乃海、住之江部屋の渦潮は前評判どおりの実力を発揮している。六角部屋の岩屋国は序二段経験者松ノ岩を圧倒する万全の寄りで嬉しい勝ち越し。貴和黒は惜しくも綱乃海に破れたが、今場所の序の口は六角勢が好調だ。真紙嵐、真攻砲の初霜勢も久々の勝ち越しに王手。特に真紙嵐の速い攻めは今後が楽しみ。まさかの連敗で親方から見放されかけた八重栄は先輩激動山ばりの鋭い左差しが決まり、ようやく初日を上げた。
四日目
三段目では姫嵐が鹿田中を、紅葉盛が秋桜をそれぞれ破り、千秋楽に優勝を賭けて対決することになった。姫嵐はこの日も大きな体を十分に生かして、幕下経験者の鹿田中を圧倒した。紅葉盛は三日目の逍遥に続いて、ライバル部屋秋月の秋桜との対決。左差しを許したものの鋭い上手投げに切ってとり、4勝目。きっと三賞や十両優勝を獲得するであろう勝間田部屋にもう一つ優勝杯を持ってくることができるか。気になる幕下昇進争いは筆頭で2勝をあげていた錦芽樽、江戸鼓がともに破れたため、混沌としてきた。一場所で返り咲きを狙う鹿田中がややリードか。姫嵐が7枚目から一気に来る可能性も十分。筆頭の両者のほか、鹿嶋田、北川、筑波嶺にもチャンスはある。育成会初の温泉興行となる千秋楽の土俵は見逃せない。

序二段の全勝は磯ノ栄、谷山田の2人となった。磯ノ栄は羽黒海に攻め込まれながらも土俵際から逆転の内掛けが炸裂。ついに序の口以来無傷の9連勝の育成会新記録を達成。鹿藤田も谷山田を十分な体勢で攻めこんだものの、これも土俵際でまさかのとったりを食らい、手を突いてしまい、常連鹿賀乃戸の優勝はなくなった。もうけものの白星を拾った相撲巧者の谷山田は磯ノ栄に一泡吹かせることができるか。

序の口では3連勝3人のうち綱乃海と渦潮が直接対決。早くも将来性に注目される両者の対戦は力強いぶつかりあいとなったが、綱乃海が一瞬の隙に乗じてのど輪一閃。全勝を守った。岩屋国は綱乃海と同じ友砂部屋の巴丸を前に出ながら切り返しで転がし4勝目。新興の六角部屋から早くも優勝者が誕生か。多忙な親方も温泉場所に駆けつける見込み。序二段から陥落し、再起を賭けていた元三段目の松ノ岩は嬉しい勝ち越し。親方に見放された気の毒な力士八重栄はこの日も素晴らしい寄り身で2勝2敗の五分に。駅名力士の2人は高田馬場が勝ち越す一方、分倍河原は負け越して明暗を分けた。
千秋楽 2003年12月6日
育成会の中では、ベテランの域に達した感のある姫川部屋の姫嵐が見事に優勝を飾った。姫嵐は同じく4戦全勝の紅葉盛を落ち着いて寄り切り、幕下昇進を確実にした。東西筆頭の錦芽樽と江戸鼓も、2勝2敗で迎えた千秋楽で勝ち越してうれしい昇進を決めた。二枚目の鹿賀乃戸部屋の鹿嶋田は四日目と千秋楽に連勝し、鹿田中も一場所での返り咲きを決めた。他には、北川、筑波嶺、千畳あたりが昇進組か。四枚目の左乃沢は密かに幕下入りを狙っていたが、上位に来ると大負けする勝間田部屋のジンクスが今場所も的中しまたも涙を飲んだ。秋月部屋の3人は筑波嶺が幕下昇進濃厚な上逍遥、秋桜も勝ち越して来場所も昇進者が出そうな気配だ。押切部屋の鋼鉄山と猛虎双はともに4勝1敗の好成績で、特に鋼鉄山は、安定した下半身を利しての寄りが冴えて、来場所は上位での活躍が期待されそうだ。一方、播磨屋部屋の岬富士と巨熊山は、親方の期待を裏切り千秋楽も敗れて1勝4敗となり、そろって序二段陥落が決まった。

序二段:磯ノ栄が5戦全勝で序二段を制し、序の口に続き二階級制覇を遂げた。4勝同士の谷山田との一番は、先に谷山田が左を差して万全の態勢になったものの磯ノ栄が土俵際粘りながら逆転の押し倒しに下した。これで初土俵からの連勝も10に伸ばし、来場所三段目での相撲にも注目が集まるところだ。谷山田も敗れはしたが4勝は立派で部屋頭の元皇丸に次ぐ力士として精進してもらいたい。十枚目の住之江部屋の紀の国は、二日目に鹿藤田に苦杯を喫したが4勝を挙げて同部屋の育成会古参の桜吹雪とそろって来場所は三段目昇進が濃厚である。

序の口:優勝を決める一番に名乗りをあげたのは、六角部屋の岩屋国と友砂部屋の綱乃海。ともに親方の期待が高い両力士の対戦は、立ち合いがっぷり四つから終始せめぎ合い、最後は岩屋国が左を差して寄り切りに下した。仕事の為参加出来なかった親方に嬉しい報告が出来そうだ。初霜部屋では、土真中が実力を発揮することなく退会が決まってしまったが、真攻砲と真紙嵐は千秋楽に何とか勝ち越しを決め、親方も一安心といったところか。今場所は久々に錦風部屋から3力士が入り、羽黒川は退会したものの高田馬場と天都山は勝ち越した。黒雲部屋ではその名も、部屋の切り札として送り出されたであろう霧風騨であったが、プレッシャーに押しつぶされたのかその力を発揮することなく炎鷹とともに退会を余儀なくされてしまった。来場所は四股名以上に相撲でも大いに沸かせてほしいのだが…。

第106回
初日 2004年1月24日
春は卒業のシーズン。いつになく大量の卒業者を幕下へ送り出した育成会は、顔ぶれもかなり変わり、上位に将来が楽しみな若手も上がってきた。

三段目では西の筆頭の紅葉盛が万全の相撲で白星発進。上位に来るとなぜか星に恵まれない勝間田勢だが、念願の昇進は果たせるか。今場所から同僚の赤尾改め赤影とともに青田から名を改めた青影も昇進のチャンス、東2枚目で幸先のよい白星スタートを切った。103回デビューでは出世頭の東三段目3枚目、鋼鉄山はラッキーな逆とったりで出戻りの細矢を下した。104回のデビュー負けなしの10連勝を続ける磯ノ栄は、成長著しい羽黒海の素晴らしい左差し速攻に寄り切りで破れ、連勝ストップ、夢の3段制覇は早くも消滅してしまった。

序二段では先場所デビューの渦潮、綱乃海といった期待の若手が初日を飾った。また好調の初霜部屋の新鋭真攻砲、真紙嵐も揃って白星。西筆頭まで上がってきた大松戸部屋の内海は、桃勢川を豪快な上手投げに下し兄弟子の青と赤の影に迫る勢いだ。先場所序の口優勝の岩屋国は綱更田に敗れたが、磯ノ栄に続き序二段での一場所通過なるか。

序の口は26名の定員のうち、陥落者5名、予選免除者10名で、残りの11名の枠を巡って28名が予選に参加した。先場所同様、ランダム対戦(同部屋対戦OK、同一対戦が2回でもOK、3回でもOK)、3勝勝ち抜け方式で行われた予選会。まずは北輝龍(姫川)、六所瓦(六角)、天城(住之江)、そして初参加若波部屋の回天の4人が3連勝でクリア。次に4戦目で3勝目をあげて雷鵬(八重垣)、大太刀(錦風)、飛垂川(黒雲)、騎志(住之江)、風真(初霜)、そして元幕下の夏の海(富士浪)が確定。ここで10名が予選通過。残りの1名をめざして注目の5戦目。鹿山本、鹿海田(ともに鹿賀乃戸)、田島(八重垣)、犬白雪、砂時計(ともに鴨川)、寄射(錦谷)が3勝目をあげ、この6人で決定戦が行われることになった。まず1回戦で犬白雪、田島、鹿海田が勝ち、この3人で巴戦となった。結果は田島が犬白雪を寄り倒し、鹿海田を寄り切りで連破し、11人目の予選通過となった。八重垣親方は田島にはあまり期待していなかったようだが、激動山ばりの実力を持つと言われる雷鵬とともに、久々のアベック合格には喜んでいたようす。逆に一時は育成会の代名詞とまで言われた鹿賀乃戸部屋はまさかの合格者なしに唖然という感じ。有力部屋の明暗が分かれた予選であった。本割のほうでは桐壷久々新人大虎が力強い相撲で堂々の勝利、初参加武者処部屋の小染が初々しくも記念すべき初勝利、元幕下の夏の海も実力の違いを見せ、余裕の白星を挙げている。
二日目 2004年2月21日

三段目では紅葉盛が青影を破って早くも昇進に王手。幕下でも順調に星を重ねる後輩稲二瀬に続けるか。まさかの連敗で育成会に出戻った水戸桜も連勝。一場所で幕下復帰を目指したいところ。その他2連勝は猛虎双、若五洋、花見盛、大幸、桜吹雪、鹿藤田といった面々。初日に初黒星を喫した磯ノ栄は持ち前の土俵際の粘りを発揮して1勝目。元幕下の実力者、逍遥も細矢をはたきこんでなんとか初日を上げている。

序二段では上位陣が星をつぶしあう中、東3枚目綱更田が2連勝で初の三段目昇進に向け好発進。友砂の新鋭綱乃海も同期の渦潮を先場所に続いて下して2勝目。好調初霜部屋の真紙嵐は実力者飛美鳥を圧倒し、これも2連勝。高橋と豆颱風を加えた5人が優勝争いのトップに並んでいる。

期待の若手がひしめく序の口。初参加武者処部屋の小染が桐壷入魂の新人大虎を左差し速攻で秒殺、場内にどよめきが走った。第2の激動山と呼び声も高い八重垣部屋の雷鵬も姫川勢を連覇して2連勝。新ルールである2名同時退会(激流、錦乃星)による予選免除適用第1号としてデビューした錦谷部屋の新人流星(ながれぼし)は初参加の若波勢を連覇して2勝目。コンスタントに実力派を送り込んでいる住之江部屋と六角部屋からは天城、六所瓦がともに予選から勝ちっぱなしを続ける。これらの新人に混じって元幕下夏の海、元序二段鬼獅童が実力を発揮してともに2連勝。
三日目 2004年3月20日
三段目では水戸桜、猛虎双、花見盛、桜吹雪が3連勝。水戸桜は紅葉盛とのライバル部屋対決。両者ががっぷりにわたりあい、見ごたえのある熱戦となったが、最後は押し倒した。育成会歴の長い猛虎双も徐々に自力をつけてきた。巧い相撲で若五洋を寄り切って勝ち越し決定、東5枚目から虎視眈々と幕下をうかがう。上位では明るい話題の少ない富士浪部屋だが、育成会でも大海皇が3連敗。しかし花見盛がするすると勝ちこみ、気付けばベスト4。序の口では元幕下夏の海も頑張っており、なんとか部屋に活気を与えたいところ。番付のアップダウンが激しい桜吹雪だが今場所はかなり好調と見受けられる。育成会名物の「土俵際まで追い詰められながらのあっと驚く上手投げ」で全勝をキープした。
序二段は早くも全勝が真紙嵐、豆颱風の2人となった。桃勢川、内海、岬富士、綱更田、岩屋国、松ノ国、綱乃海、巴丸、高橋、飛美鳥、高橋といった実力者達がこれを1敗で追う混戦模様。久々に4勝1敗の優勝もありえるかもしれない。とは言え、元三段目巨熊山を電車道の寄りで圧倒した真紙嵐を見るとこのまま突っ走る可能性も低くはないだろう。豆颱風は立ち合いからずるずる叩くへたれ相撲ながら3連勝。なんとか序二段残留を決めた。
 序の口のトップを走るのは小染、雷鵬、夏の海の3人。小染はこの日も元気のいい相撲で、天城を寄り切り、初参加武者処部屋からいきなり優勝者を出すか、という勢いだ。雷鵬も左差し速攻で流星に付け入る隙を与えず楽々3連勝。名門富士浪部屋元幕下夏の海も地力の違いを感じさせるスマートな取り口で勝ち越しを決めた。なかなか楽しみな三つ巴の優勝争いである。四日目はまず小染と雷鵬が激突する予定だ。
四日目 2004年4月17日
4日目まで終了し、三段目では勝ちっ放しは水戸桜と花見盛の2人。1場所での幕下返り咲きを決めたい水戸桜は危なげなく猛虎双を寄り切り、同じく花見盛も土俵際粘る桜吹雪を押し倒して千秋楽決戦に持ち込んだ。東三枚目の鋼鉄山は速攻の寄りで太刀原を退け勝ち越しを決めた。水無ヶ瀬に続く幕下力士誕生へもう一つ白星を重ねたいところ。他に番付上位では友砂部屋久々の期待株羽黒海、水戸桜に続き好調の秋月勢では元幕下の実力者逍遥、復活を期す秋桜が3勝1敗で追走。姫路の空の下から声援を送っていたであろう松ヶ神親方の期待虚しく松の和歌と松ヶ枝は共に4敗目。松ヶ枝は赤影の寄りになすすべなく土俵を割り序二段陥落が決まった。

序二段は綱乃海を巧い左差しで寄り切った真紙嵐が土つかずの4連勝。同じく3勝だった豆颱風が飛美鳥に敗れたため単独トップに立った。1敗で岬富士、岩屋国、松ノ国、飛美鳥、静ヶ岳、豆颱風の6人が並んでいる。真紙嵐は見た目では、いままでの初霜の力士と遜色ないように見えるのだが、いったん土俵に上がると今場所は見ちがえるような堅実な攻めをみせ白星を重ねている。千秋楽初霜親方に吉報が届く気配濃厚かも…。

序の口は武者処部屋の小染が八重垣期待の雷鵬を完璧な左差しからの寄りで圧倒し全勝対決を制し4連勝。もう一人の全勝だった夏の海が鬼獅童の逆転の上手投げに敗れる波乱もあり、小染俄然有利な展開になってきた。他に1敗で天城、回天、流星、六所瓦、鬼獅童ら7人。今場所3人の道産子力士を送り込んだ姫川部屋は、北電が3勝目を懸けた一番で天城の呼び込んでの上手投げに敗れ、また星を五分に戻したい北輝龍と美幌岩は勝って3人共に2勝2敗で千秋楽に勝ち越しを懸ける。桐壺久々の大型新人の呼び声も高かった大虎だったが親方の体調が気になって相撲に集中できないのか3敗目を喫し退会を余儀なくされた。他に秀青龍、初参加若波部屋の紫電が姿を消した。
千秋楽 2004年5月8日
三段目は花見盛との全勝対決を寄り切りで制した水戸桜が、元幕下の意地を見せて優勝を飾った。2勝2敗の筆頭の太刀原と紅葉盛は共に勝って来場所の幕下入りを決めた。富士浪部屋では、優勝戦まで残る活躍をみせた花見盛とは対照的に、西2枚目から幕下入りを目論んでいた大海皇は、細谷に絶妙の上手捻りを食らい一気に序二段へと急降下。岩見富士は水戸桜とのダブル昇進を狙った逍遥を叩きこんで、来場所上位での幕下入りをうかがう。6枚目の羽黒海も4勝をあげ昇進の模様。春日根期待の富厚山は、紀の国を寄り切りで敗り3日目から3連勝で何とか勝ち越しを決めた。上位の細谷と澪山が早々に負け越していたため一矢報いた感じか。鹿藤田は、宿敵左乃沢を叩きこんで価値ある4勝目。育成会での星一つの差は、番付けにも大きく影響してくるので鹿藤田にとってもこの一勝は大きい。

序二段は、初日から4連勝でトップを行く真紙嵐と1敗の松ノ国の一戦。4日目までは危なげない万全の相撲を見せていたが、優勝が懸かった一番で緊張したのかいつもの出足がない。立ち合いから松ノ国に土俵際まで押しこまれたものの、そこからうまく右に回り込み引き落として初霜部屋にうれしい初の栄冠をもたらした。親方もお祝いの電話やメールの対応に大忙しだったに違いない。先場所の序の口優勝の岩屋国は岬富士を押し倒して4勝1敗とし、早くも来場所は三段目の上位に躍進しそうだ。下位で4勝を挙げた飛美鳥と豆颱風も来場所は番付けを戻して巻き返しを図りたい。

序の口の優勝争いは、全勝の小染と1敗の若浪部屋の回天との対戦。大一番を前にまずは1敗同士の取組み。予備戦から好調の天城と4日目小染に敗れた雷鵬の対戦は、先に左を差して出ていく天城を起死回生雷鵬逆転の上手投げが炸裂。天城惜しい星を落とした。次に流星と夏の海戦。この相撲も流星の上手投げがきれいに決まり流星が4勝目。続いて六所瓦に鬼獅童戦は寄り切りで六所瓦に軍配。そして優勝が懸かった小染と回天の一番。立ち合い左を差して横に食いつきたい小染だったが、回天の右差しに拒まれそのまま叩き落とされて万事休す。これで小染に土がつき4勝1敗で5人による決定戦に持ち込まれた。くじ引きの結果最初は小染vs六所瓦戦、小染本割で回天に負けたのが尾をひいてるのか寄り切りに敗れて脱落。次に流星vs回天戦、出足で圧倒した回天が勝って流星も脱落。最後にくじ運が良く控えにまわった雷鵬との巴戦に突入。始めに六所瓦vs雷鵬戦、終始攻めた六所瓦が寄り切って優勝に王手をかけた。雷鵬自分の負けたのを棚にあげて今度は回天に必死の声援を送る。しかし、八重垣親方の神通力も雷鵬の祈りも届かず、容赦ない怒涛の押し倒しで六所瓦が回天を下した。これで先場所の岩屋国に続き六角部屋2連覇達成。かたや華やかな舞台の裏では今場所も予備戦から苦労して本戦に進みながらも蝉の寿命よりも短いたった5日間しか日の目を見ない力士がいることも忘れてはならない。誰とはいわないが…。

第107回
初日 2004年5月29日
まずは予選から。今回は序の口定員20名のうち、序二段からの陥落者1名を除く19名、そして端数が生じたため序二段の定員も1名、計20名の枠が新規入会者に与えられることになった。このうち予選免除となったのが4名、残り16名の枠を22名で争った。ルールは毎回恒例の3勝勝ち抜け方式。予選1位の力士には序二段付出デビューのチャンスがあるとあって、大いに注目を浴びることとなった。なかなかの接戦で、3戦まで終わったところで無敗は叩き得意の真道(まことみち、初霜)と急遽当日参加となった八重垣の隠し玉、白楽天。この2人の直接対決は白楽天が真道に叩く隙を与えず、押し出して破り、ラッキーな序二段デビューを決めた。続く4戦目を終えると鏡石(勝間田)、犬薫風(鴨川)、春風(富士浪)、荒の城(桃山)の4名が勝ち抜け、残り枠はまだあと10名分。5戦目を終えさらに鹿海田(鹿賀乃戸)、鷹ノ波(錦谷)、善哉山(黒雲)、翔鶴(住之江)、若琴似(霧ヶ浜)の5名が抜け、残りあと5枠。そろそろ残りが気になりだした第6戦。ここでは外灯力(六角)、弥風(黒雲)、牧ノ助(武者処)が3勝目をあげた。いよいよ残る枠はあと2つ。滑り込み合格を賭けた第7戦、朱の音(鴨川)、電龍(押切)、雪ノ花(鴨川)が3勝目、組み合わせの関係で1戦少なかった鹿岩田が第8戦(本人にとっては7戦目)で3勝目をあげ、この4人で最後の2つの椅子を争うことに。結果はいつもボーダー線上の鴨川勢が2人揃って勝ち、序の口進出を決めた。

そして迎えた初日である。三段目では秋月の逍遥、秋桜が万全の相撲で幕下に向けて好スタート。出戻り千畳も富士浪親方が熱い声援を送る花見盛をあっさり寄り切って順調な滑り出し。左乃沢は珍しく左を差されながらも取り直しで切り抜け、同部屋の寒燕とともに白星をつかんだ。初霜の真紙嵐も初日澪山をはたき込んで無難な立ち上がり。先場所序の口優勝、序二段を飛び越し、三段目に上がった六所瓦は静ヶ岳に投げられ、ほろ苦い初日となった。

序二段は大海皇、赤影、御所瓦らの先輩組と回天、雷鵬、小染らの新興勢力が真っ向からぶつかる熱い土俵となっている。雷鵬は力を出し切れなかったが、小染は今場所も元気な相撲で初日を飾った。ラッキーな序二段デビューとなった白楽天は江戸英を問題にせず寄り切り。今後も目が離せない存在となりそうだ。

序の口では惜しくも序二段入りは逃したが3連勝で予選を通過した真道がまたしても突き落としで白星。今場所も初霜旋風か。勝間田久々の新人鏡石は、富士浪のこれまた待望の新人春風を寄り切ってまずは1勝をあげた。
二日目 2004年6月26日
三段目は育成会優勝経験者が目白押し!その中でも、早くも関取になりその後の飛躍の期待の声が出ている2人に注目が集まる。一人は西筆頭の逍遥。見た目も 相撲ぶりも派手さはないが、左差しの安定した寄りで千畳に格の違いを見せる。もう一人は先場所序二段優勝の真紙嵐、大きめの頭からぶちかまし、相手を土俵下までふっとばす押し相撲は勢いを感じます。その他、育成会ベテランの松ノ国は無傷で三段目に昇進した磯の栄に対し、左差しが冴え寄りきって圧倒。一方、先場所序の口優勝ながら三段目に抜擢された六所瓦はまだ家賃が高いのか、力が発揮されていない。その辺が三段目のレベルの高さが垣間見えます。

序二段は武者処部屋の小染が相変わらず元気な寄りを見せ2連勝!!3日目対戦が予想される幕下経験のある大海皇に今後を占う意味でも勝ちたいところ。序二段デビューの白楽天は鬼獅童にみごとな速攻を見せ、未だ負け知らずどこまで連勝を伸ばすか注目。

序の口は牧ノ助が2連勝。場所前の稽古では左を差せばめっぽう強く、差せないと 土 俵の外というホームランか三振かという相撲ですが、本番に強いのか??右からの攻めも見せ、師匠の私も驚き、牧ノ助のプロデューサーも大喜び、先場所の小染のように 勝ち進むのか?一方もう一人の武者処部屋、荒療治は力が発揮できず。先場所新弟子としてデビューする予定がまさかの遅刻、同期の小染の活躍に早く追いつきたいと気合の入った稽古をして期待大でしたが、ごつい風貌に似合わず気負っているようです。真道は引き技で前相撲からの好調を維持、五本関部屋初の勝ち越しを目指す隼は優勝候補の鏡石をはたきこむ。序の口は全体に荒削りな相撲が目立ちますが、この中から何年後にどれくらい上位に上がっているのか、楽しみに見守りたいところです。
三日目 2004年7月31日
幕下より1日分遅れている育成会はこの日、三日目を終了した。次回開催時は一気に四日目と千秋楽を消化する見込みである。

三段目では逍遥、秋桜、松ノ国、松ノ岩が3連勝。優勝争いは秋月と松ヶ神という育成会草創期メンバーが争う形となった。久々に参加の親方が見守る中、逍遥、秋桜は競うように実力を発揮、青影、左乃沢といった難敵を撃破して勝ち越し決定。秋月在庫一掃アベック昇進はかなり濃厚と言えよう。ちなみに秋桜は前人未踏の育成会通算20勝目。親方は早くも来場所の予選に参加の意欲満々であり、他の部屋の親方にとっては脅威である。番付のアップダウンを繰り返しながらも徐々に力をつけてきた松ヶ神の2力士も元気である。松ノ岩は鋭い投げで巧者静ヶ岳を転がし、松ノ国は飛ぶ鳥落とす勢いの若手真紙嵐を一瞬の注文相撲で土俵に這わせた。真紙嵐の連勝は8でストップ。

序二段では大海皇、夏の海がともに3連勝と富士浪部屋が旋風を起こしている。さらに大松戸の内海、そしていまだ負け知らずの飛び級デビュー新人白楽天も全勝で勝ち越しを決めた。序の口では絶好調の初霜部屋から真道、桃山から久々の有望株荒の城、そして新鋭五本関から隼が3連勝である。
四日目、千秋楽 2004年9月4日
幕内の千秋楽が終わり、表彰式も済んだ後で育成会の千秋楽が行われるという異例のパターンとなったが、なんとか無事に五日間の取組を終えた。

三段目の優勝争いはかつてのKKコンビ、秋月対松ヶ神の対決となっていた。四日目、秋桜が松ノ岩を寄り切ると、松ノ国が逍遥を上手出し投げに下し1勝1敗。宿命のライバル部屋決戦は千秋楽にもつれ込む。そして千秋楽、注目の一番、かたや秋桜こなた松ノ国。ともに育成会開始時から在籍する苦労人同士。過去の対戦は一度きり。松ノ国が秋桜を突き落としに破っている。というわけで時間一杯。しかし両者意識のしすぎか、立会いから叩きあいでほぼ同時に膝から落ちる。こんな感じで取り直し2回。次も勝負がつかなければ2番後取り直しか、という状況の中、やはり同じ展開となったが、松ノ国の膝が一瞬早く土をはき、秋桜薄氷の勝利となった。秋桜は101回の序の口優勝以来2度目の賜杯。育成会通算22勝の記録を引っさげてついに来場所は幕下入りとなる。逍遥は千秋楽も破れ、3勝2敗となったが西筆頭なので昇進は確実。その他上位では寒燕、左乃沢の勝間田勢が揃って卒業しそう。出戻りの千畳も千秋楽に勝ち越しを決め、1場所での返り咲きが濃厚だ。

序二段では大海皇、夏の海がともに4日目まで土つかず。富士浪部屋の優勝は堅いと思われたが、そう簡単には終わらなかった。千秋楽、夏の海は元気者小染の速攻にあっさり土俵を割り、大海皇も巨漢江戸泉の腹に乗せられ完敗。この4人に内海と白楽天を加えた6人が4勝1敗で並び、決定戦となった。決定戦はまず1回戦、内海が小染を、江戸泉が白楽天を下し、決勝進出。もう一戦はなんと同部屋対決、大海皇が夏の海を寄り切った。そして決勝の巴戦、江戸泉、大海皇もそれぞれ1勝ずつあげたが、もう一番が勝てず1回りののち結局内海が上手投げの連発で2連勝。混戦の序二段を制した。

序の口は千秋楽、桃山の荒の城に五本関の隼。ともに部屋初の育成会優勝をかけての全勝対決。引き技が冴える隼だが、荒の城がうまくつかまえて部屋伝統の上手投げ一閃。デビュー場所を嬉しい優勝で飾った。五本関部屋からは隼とともに零式も勝ち越し、また武者処の牧ノ助も4勝を上げ、今場所の序の口は新興部屋勢が大活躍であった。黒雲の善哉山と弥風はともに中日まで白星を先行させながら、残り2日で連敗し悔しい退会となってしまった。が、すでに親方は来場所の新弟子のスカウトと、四股名の命名に頭を悩ませているに違いない。