折々の文章


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クリスマスの季節 −348−
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ところで
ゴーストが言うには・・・

あなたは「指輪物語」の話を憶えていますか? 忘れてしまっ
た! そんな歳でもないのに、困りましたね〜。昔の分冊は字
が細かすぎます。今の視力では読めないでしょう。映画が手に
入ります。三巻です。えっ! DVDを扱えない!

老親を介護する立場になればビルボの眠りの描写は、老い先を
悟れば船出の描写は、我がことになるでしょう。打たれるのも
もっともです。指輪物語が語りかけるのは、それだけではない
のです。

三巻とも観ました? それは結構。でっ、どうでした? ハラ
ハラ泣けた! まさかそれだけ?

第九惑星では今、深刻な疑問が湧き起こっています。外院に議
会なんてありません。誰の意見も、心に湧いただけで吸い上げ
られ、かぶりつきの声援と井戸端の放言は篩(ふるい)にかけら
れ、コンピュー内の「仮想誰」全員が惑星規模で討論、経過は
瞬時に「実際誰」にフィードバック、誰意は何通りかに集約さ
れ、最終、ムラ長(おさ)の円卓会議で絞られますから、議会制
民主主義は必要ありません。ムラ長の選び方は内院各ムラの勝
手放題。未だに地球(ちタま)の二十世紀末方式が多いです。

第九惑星の外院では、地球(ちタま)の頭脳体は近年、オカシイ
のではないかと疑問を呈しています。指輪物語の戦場をご覧な
さい。先駆けは誰なんだろう。戦え戦えと号令だけ発して、若
者の背後で震えている年輩者に政を担う資格はありません。我
が身より先に子を戦場に送り出す親は頭脳性を疑われます。な
のに今の地球(ちタま)の采配者は誰もが、我が子は匿(かくま)
い、開戦を決めても深窓の床几(しょうぎ)から離れず、他人の
子を戦場に送り出しているのです。

政は文民の仕事です。しかし戦いを決めた瞬間、アトは若者に
託して年輩者から出征するのが順序。十人が十人、人生を充分
に過ごしていない若者を、先に戦場に送り出す権限は誰にもな
いです。勇気とは何かを、戦争の最大の抑止力を、指輪物語は
教えているのです。


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